中小企業のDX成功の鍵は、目標実現への“伴走者”と“伴走力”にある(前編)

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近年、少子高齢化や労働力不足などといった問題から、多くの企業はデジタル技術を生かして競争力を強化するDX(デジタル・トランスフォーメーション)化が不可欠と考えるようになりました。しかし、DXツールの導入だけでは既存業務の効率化にしかならず、ビジネスの変革までは期待できません。

そこで今回は、中小企業のDXをテーマに、人工知能搭載型RPAの開発・販売を行う、株式会社battonの代表取締役・川人寛徳さんにお話を伺いました。インタビュアーは、税理士であり、幾つもの事業を立ち上げてきた連続起業家でもある、SAKURA United Solution代表・井上一生さんです。DX成功の鍵となるのは何か、お二人の対談記事から紹介します。

経営課題の中心は人の問題。真摯に取り組むうちにつながりが拡大

出典:マイナビ (左)batton 代表取締役 川人寛徳氏、(右)SAKURA United Solution 代表・井上一生氏

井上一生氏(以下、井上氏)――川人さんとは、お付き合いが長いわけではありませんが、重要な局面でお会いしている気がします。
とてもビジョナリーで応援したくなります。
きっかけは、京橋にある東京スクエアガーデンのWeWorkに私たちが入居している頃でしたね。

川人寛徳氏(以下、川人氏)―― たまたま知っていたベンチャー企業の方が、会計事務所のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入支援をされていて。
それで井上先生と引き合わせていただきました。

井上氏 ―― そうでしたね。どのような経緯で、battonを設立されたのですか?

川人氏 ―― batton は、2019年に設立した会社です。
その前は、7年ほどビジネスモデル塾をしていました。
ビジネスモデルの作り方や脳科学を伝える経営塾です。
経営には“人の問題”が必ず出てくるので、人事コンサルタントとして人材採用や育成、定着などの支援もしていたのですが、少子高齢化で人材面の支援だけでは限界を感じていました。

それで、中小企業にもRPAが必要だと確信したわけです。
前職から事業を買い取ってbattonを設立しました。
battonという社名には、「新しい働き方へバトンをつなぐ」という意味と、「オーケストラの指揮者が揮うバトン」の意味を込めています。

RPAとは何か

井上氏 ―― 川人さんは様々な事業を手掛けられていますよね。
ビジネスモデル塾や人事コンサルティング、RPA開発や導入支援だけでなく、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)などの支援もされています。
最初に、RPAについて簡単に教えてください。

川人氏―― RPAは、「パソコン上で動くロボット」と捉えるとわかりやすいと思います。
「ロボット」というと「白いマシン」を想像する方もいるかもしれませんが、ここで指す「ロボット」とはシステムのこと、つまり「自動で動いてくれる仕組み」です。

異なるソフト間でデータを移行する場合、人間が行うとどうしても隙間の作業が生じます。
その作業を自動化するのがRPAです。
例えば、会計事務所では「会計ソフトからCSVでデータをダウンロードしてまとめる」といった繰り返しの作業があります。
その繰り返す作業をシステムに覚えさせ、自動化させるのがRPAです。

▶次のページでは、中小企業のRPAが上手くいかない原因を明らかにしてくださいます!

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川人寛徳
株式会社batton 代表取締役

投稿者プロフィール
株式会社ベルシステム24を経て2005年に株式会社ワイキューブに入社。ブランディング、マーケティング、採用、教育のコンサルティングを手がけた。後に独立して2011年に名もなき株式会社を設立し、中小企業の販促・教育支援に取り組む。2013年に株式会社キャリティに入社、日本ビジネスモデル協会事務局長として各種セミナーを通じて年間約3000名の経営者にビジネスモデル構築の指導を行う。2016年に同社代表取締役に就任。2019年株式会社batton設立し、これまでの経営ノウハウをシステム化したサービスを展開している。
写真:マイナビ

井上一生
SAKURA United Solution代表

投稿者プロフィール
税理士、行政書士、ロングステイアドバイザー。
当時世界最大の会計事務所・アーサーアンダーセンに勤務後、1988年9月 井上一生税理士事務所を設立(現、税理士法人さくら税務)。
税理士でありながら、幾つもの事業を立ち上げてきた連続起業家。
SAKURA United Solution代表(会計事務所を基盤に、国税出身税理士・税理士・社会保険労務士・行政書士・弁護士・銀行出身者などを組織化した士業・専門家集団)。
SAKURA United Solutionのビジョンである「経営の伴走者 ~日本一の中小企業やスタートアップベンチャーの支援組織になる~」という言葉の基、"100年企業を創る"という壮大な目標をアライアンス戦略で進めている。
1958年10月22日 埼玉県川口市生まれ(イチローと同じ誕生日) 写真:マイナビ

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