お坊ちゃん社長はメンテナンス力で人も車もときめかせる(後編)

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家業を継いだ2代目ではあるものの、ただ単に事業を承継するのではなく、常にいつも「なぜ自分はこうしているのか」を自問し、その答えを見つける道筋こそが経験の蓄積となって今の経営者としてのあり方に生きているとお話しくださるのは、京南オートサービス株式会社代表の田澤孝雄社長です。インタビューの前編では、偉大な先代への反発心を原動力に始めた華々しいサラリーマン時代から、家業を継ぎ失敗を経て黒字転換するまでのご経験をお話しくださいました。後編では、現在の事業展開と、ご自分と同じように悩み奔走する2代目を支援する「2代目お坊ちゃん社長の会」について詳しくお聞きしました。

洗車事業をサブスク事業としてリスタート

ふるーる洗車八王子本店

――話は遡りますが、サブスク事業を始められた経緯と内容について教えていただけますか。

田澤氏――父親から事業承継したガソリンスタンド事業で行っていた「ふるーる洗車」事業を2013年からサブスクモデルにしてリスタートしました。
まだサブスクなんて言葉はなく、継続課金モデルを独自に作り上げていきました。
今では「カスタマー・エクスペリエンス」という表現がされていますが、当時は独学で仕組み作りをしていきました。

ふるーる洗車の手洗い洗車(左)とセルフ機械洗車(右)

洗車ビジネスは水物ビジネス。
1か月のうち平均5日は雨が降るのですが、その前日も稼働しないのです。
実際に稼働できるのは20日間程度のお天気商売です。
そのうえ、通常土日の昼に稼働が集中します。

だから売上をコントロールしたいと思い考えたのがサブスクモデル
月々1,980円払ってくれれば毎日洗車できるようにしました。
これで雨予報日の前日という通常なら洗車しない日でも洗車してくれるなど、お客さんの来店頻度も上げられるうえに洗車稼働も分散できました。
メインのガソリンは適正価格でしっかり利益を出せるようにし、他のサービスの無理な提案をスタッフに課さないで済むビジネスとしています。

京南オートサービス公式サイトより

サブスクは、多くの企業がみんな参入してはみるんですけど、細かい調整が必要になりますから結局ダメになっているところが多いですね。
僕も3年間負け続けて、ようやく利益を出せるようになってきました。

▶いよいよ次のページでは、田澤さんが運営されている「2代目お坊ちゃん社長の会」についてお話いただきます!事業を承継した2代目社長たちをさまざまな面から支援する活動が明らかに。

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田澤孝雄
京南オートサービス株式会社 代表取締役社長
2代目お坊ちゃん社長の会 代表理事

投稿者プロフィール
1975年生まれ。早稲田実業高校から早稲田大学政治経済学部に進学。不動産業を営む父親に逆らえず、大学1年で宅建を取得するも父への反発心で、不動産とは真逆の弁理士取得を決意。サラリーマン時代に25歳で弁理士合格を果たす。
30歳目前にして家業に入社。家業のガソリンスタンド業界を発展しつつ、損保指定工場の板金事業に魅せられ京南オートサービスとして運営交代し37歳で社長に就任。他に介護事業や洗車事業を運営する等、多角的な事業経営をしつつ、「一般社団法人2代目おぼっちゃん社長の会」を立ち上げ家業を継ぐ2代目を支援する。
著書「ビジョン経営革命を起こした2代目お坊ちゃん社長の77の逆襲レター」
Youtubeチャンネルでの動画は現在140件

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