「人生三分割」の極意 人生最終章の起業!

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第三章では世の中に恩を返す

キーワードは「学び直し」

――60歳で大学ですか。当時は珍しかったのでは?

鈴木氏――もちろん60歳の生徒はただ一人。
若い学生が後ろの方の席で居眠りする中、最前列に座り熱心に学んだ。
非常に楽しかった。

当時、新潟大学の教授だった山口直也教授(現青山学院大学教授)のもとで会計学を学び、大いに語り合いました。
経営を実際に行ってきた生徒が珍しかったのだと思います。
他にも、マクロ・ミクロ経済学、経営学、管理会計など、各教授をご紹介頂き一年間しっかりと学びました。

――1年後どうされたのですか?

鈴木氏――経験を活かして中小企業のコンサルタント業をスタートしました。
最初の1年は、中小企業診断士について回ったが、逆に知人の社長を紹介する立場になりました。
2年目からは、自分ひとりで中小企業のコンサルタントをスタート。
手書きで「経営革新計画書」を50社ほど申請しました。

そのような活動があったので、経済産業省の「経営革新等支援機関」の資格を取得できたのだと思います。
「経営革新計画」の支援が柱でありましたが、補助金や助成金のコンサルタントも実施し、当時はハローワークとともに雇用調整助成金等の3点セット(約200万円)を80社ほど申請しました。

人生に老後なんてない

――中小企業向け経営コンサルタントのはしりですね。M&Aの団体を立ち上げた理由は?

鈴木氏――多くの経営者と接するうちに、「後継者がいない」「後継者を育成してこなかった」「この時代のスピードについていけない」等、私が考えている以上に後継者に関する課題を多く耳にしました。
その問題を解決するためにはどうすればよいのか。
課題解決をビジネスとしてお手伝いするとしても、もっと勉強が必要だと痛感しました。
そのような時、知人の紹介で、つながりバンク代表の齋藤由紀夫氏に出会い、スモールM&Aの重要性を強く感じたのです。

――どのようなアクションを起こしたのですか?

鈴木氏――新潟でもスモールM&Aの情報を共有したいと考え、各士業の方々に声をかけ、弁護士、会計士、税理士、司法書士、行政書士、コンサルタントとチームを作り、齋藤氏を講師に招き2019年10月から合計6回、勉強会を実施しました。
勉強会終了後、せっかく勉強したのだからこの学びを生かそう!と、参加者と共に2020年10月に、一般社団法人新潟スモールM&A協会を立ち上げました。
勉強会をきっかけにして、新潟の良いところを掘り起こし、地域密着の事業承継を通して中小企業の力になりたい!と立ち上げたのです。
現在は、4件の案件が進行中です。

Z-EN撮影写真

――手ごたえは如何ですか?

鈴木氏――協会という器をつくったこと、実務をこなせる実務家が揃ったことから、各方面から案件消化や相談が増えてきています。
個人的には、じっくりと時間をかけて、1年掛かりで1件のスモールM&Aを2021年3月に成就させました。
中古車販売の若い社長と引退を考えていたディーラーの社長とを引き合わせ、度重なる課題を解決しながらようやく成就させることができました。
とてもやりがいのある仕事です。

今後も、進行中の案件にじっくりと取り組み、お客様にとって一番納得のいく形での課題解決にお手伝いをしていきたい。
また、新潟スモールM&A協会の若手メンバーには、現場を通して自身の経験やノウハウを伝えていくつもりです。

――今後の志を教えてください。

今は、人生三分割の最終章ですが、最終章は人の役に立つ仕事をし、終えたいと強く思っています。

鈴木さんの座右の銘 ホワイトボードに書いて自身を戒めているとおっしゃる。

利他に生き、地域貢献をしたい。
自身がM&Aの売手として事業承継を経験し、コンサルタント事業も行ってきました。
これまでの経験を生かして、スモールM&Aを通じて中小企業の力になっていきたいのです。

※認定経営革新等支援機関とは、2012年施行の「中小企業経営力強化支援法」に基づき、専門知識や一定の実務経験を持つ税理士や弁護士、金融機関などの支援機関を国が審査し、認定するものです。中小企業や小規模事業者の経営課題の解決を支援する機関として中小企業庁が所管しています。

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鈴木浩一
一般社団法人新潟スモールM&A協会 代表理事/NBCニイガタビジネスセンター 代表

投稿者プロフィール
20代で起業して年商38億円までに育てた経験を持つ。その後、新潟大学で会計学や経営学を学び直し、NBCニイガタビジネスセンターを開業。国から認定された「経営革新等支援機関」として経営革新計画の承認サポートを行うほか、補助金・助成金申請サポート、事業承継・M&Aサポートを提供している。座右の銘は「批評は謙虚に、賞賛は惜しみなく、破壊と対立は避けること」

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