ビットコインがもたらす共通認識の転換は大きな商機となる(前編)

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社会の99%が誤解しているならビジネスチャンスがある

中島氏――その後、ビットバンクを創業されるわけですね。

廣末氏――2014年5月にビットコインバンク構想というものを作って、仮想通貨関連事業を主業とするビットバンクを設立しました。
これだけ素晴らしいものだから広めていかないといけないという使命感もありました。
また、社会の99%がビットコインを誤解していると思っていましたから、そこにビジネスチャンスがあると。
きちっと管理ができ、機能を持っているという意味で、社名に「バンク」と付けました。

ビットコインの最大のインパクトは、データの真正性を証明したことです。
「データは改ざんができるもの」というのが当たり前でしたが、ビットコインの登場で「改ざんできない世界」を実現しました。
それも分散型で、中央集権でなくてもできた。これは大きなことです。
ビットコインの素晴らしい点は、ブロックチェーンそのものというよりも、PoWや公開鍵暗号方式をブロックチェーンとうまく組み合わせて、改ざんできない非中央集権ネットワークを作り上げたところだと思います。

人間は、振り子のようなバランスをとる生き物だと思います。
中央集権に不便さや不満が募ると、フリーでフラット、つまり分散型(非中央集権)の方にいく。
しかし、時間の経過とともに自然と中央集権的になってしまう。
人類の歴史は、このように中央集権化と分散(非中央集権化)を繰り返してきましたが、今は「分散」のフェーズだと考えています。

ビットコインはまさに「お金という価値のインターネット化」ですが、インターネットも当初は「こんなものは使えない」と思われていました。
データの改ざんやデータが盗まれることが日常茶飯事だったからです。
しかし今ではインターネットを使うことは当たり前で、欠かせないものになりました。
今後も波はあると思いますが、ビットコインも最終的にはその地位を確立する。
方向としてはそっちですね。

中島氏――コロナバブルの影響でビットコインなどのメジャーな暗号資産が高騰し、また下落しましたが、長期的には誤差の範疇だと感じています。ビットコインに再び冬の時代が来るとしても季節は巡りますから、ビットコインが持つ可能性を信じ続けられるかどうかが大切だと思います。

次回は後編で、業界の今後について伺います。

出典:マイナビニュース「ビットコインは幾度の社会的ストレステストを経て唯一無二の地位を確立する(前編)」
この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。

中島宏明さんの過去記事はこちら

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廣末 紀之
ビットバンク株式会社代表取締役CEO

投稿者プロフィール
野村証券株式会社を経て、GMOインターネット株式会社常務取締役、ガーラ代表取締役社長、コミューカ代表取締役社長など数多くのIT企業の設立、経営に従事。
2012年ビットコインに出会い、2014年にはビットバンク株式会社を設立、代表取締役CEOに就任。日本暗号資産取引業協会(JVCEA)理事、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)会長を務める。

中島 宏明

投稿者プロフィール
1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立。一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から暗号資産投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の企業で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

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