アスリート社長の会社経営術に学ぶ!オレンジアーチ 本山功さん

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苦しみを乗り越え見えたもの

――フルマラソンのサブスリーというのは、努力しても達成できる人はごくわずかという大変厳しい領域だそうですが、成し遂げられた後はどうされたのでしょうか?

サブスリー達成のために毎日のように走ることを頑張りましたので、目標達成後は次があるのか?と思いましたが、すぐに「市民ランナーのグランドスラム」に挑戦することに決めるんです。
「市民ランナーのグランドスラム」とは、長距離種目の代表格である3つのビックレースすべてで、難関記録を達成することです。

フルマラソン(42.195km)をサブスリー(3時間以内)
ウルトラマラソン(100km)をサブ10(10時間以内)
富士登山競争を完走(4時間30分以内)

――3つ目は富士山を麓から4時間半で登り切るのですよね?相当過酷なチャレンジですね!

写真は富士登山マラソン公式HPより

100kmマラソンは、サブスリー達成の翌年に、第30回サロマ湖100kmウルトラマラソン 兼 IAU100km世界選手権2015日本代表選手選考会2015年に出場。
9時間44分28秒のタイムを出し、10時間以内を達成しました。

富士登山競争には2013年に初チャレンジしましたが、これが一番苦戦しましたね。
天候が悪く5合目で打ち切りになった年を合わせて5年目となる、2017年第70回富士登山競走で4時間29分22秒を出し、でようやくクリア。

サブスリー達成から5年の月日をかけて、ついに念願の「市民ランナーのグランドスラム」を達成することができた時は感動しましたね。

――それは本当に偉業です!素晴らしいですね。

もう全部が辛いんですよ。
それなのに、次はトライアスロンに取り組もう!と、またもや頑張ってしまうんです(笑)

初めての年は、スプリントディスタンス25.75km(スイム0.75km・バイク20km・ラン5km)をやり、2年目は、オリンピックディスタンス51.5km(スイム1.5km・バイク(自転車)40km・ラン10km)に挑戦し、これもやり遂げました。

では、次に行こう!と思っても、その先にあるのは距離、トライアスロンの中でも、世界一過酷な鉄人競技と呼ばれるアイアンマン226km(スイム3.8km・バイク180.2km・ラン42.2km)です。

スイムとバイクのあとにフルマラソン走る競技ですからね(笑)
ちょっと、尋常じゃない競技なので、さすがにこれに挑戦するのは…と思っていた時にコロナ禍となりました。
強制ストップがかかったというわけですが、その後は、毎日走らないと不安になる依存状態から抜け出すのが本当に大変でしたね。

そのうち、海釣りの趣味を見つけそちらに没頭するようになると、ようやく走ることから抜け出すことができました。
釣りも極めようとすると道具に凝ったりして奥深いうえ、お金もかかるんですよ。
だから、釣りが趣味の人には経営者が多いのでしょうが、そこでもまた人脈が広がっています(笑)

結局私の場合は、スポーツを通して人の輪を広げられていますね。

マラソンが繋ぐ人と人の輪が仕事にも好影響をもたらす

――走っていて良かったことはありますか?

私が所属したマラソンの会はいわば異業種交流会で、さまざまなバックグラウンドを持つ方が集まっていて、経営者も多いです。

マラソンで知り合った人たちは上下関係もなく友達関係で一緒に楽しめる仲間です。
仕事に余力があり、社会的ポジションが高い方も実は多い。
自身の健康を向上させたい前向きな人の集まりですから、ビジネスにつながると大体良い関係が築けていますね。

実は弊社の顧問もマラソンを通して知り合った方です。
共通の趣味があることで、仕事の垣根を超えてフランクに付き合えるのはいいですね。

タスキが繋ぐ社内コミュニケーション

――ここまで、本山社長のマラソンへの情熱を伺いましたが、マラソンやジョギングは社内でも活かされているそうですね。

はい。チャック・ウィルソン氏が実行委員長を務める「NIPPON ITチャリティ駅伝」のゼッケンスポンサーとなったことをきっかけに、社員と一緒に走り始めました。
当初社内には走る人がいなかったので、まずは新入社員と一緒に走ったんですよ。
するとコミュニティの輪が広がって、その上司たちや家族も巻き込んで、どんどんランナーが増えていきました。

駅伝を走るとチーム力を試されるんですが、チームでやる僕たちの仕事とすごく合っていましたね。

――どのように合っているのでしょうか?

社員はプロジェクトを1~2人で担当しクライアント側に常駐しますので、社内では横のつながりがなくなりがちなんです。
ですが、駅伝をきっかけに社員の間にちょっとした会話が生まれ、交流が深まってきたのです。
これは、良い効果でしたね。

――社員の方々がスポーツに取り組むようになって、良いことはありましたか?

私たちの業務はどうしても1日中PCに向かって作業することが多い。
納期が迫ると、終電で帰るような生活になることもあります。
すっと仕事ばかりだと、視野が狭くなります。
だからこそ走ることが良いと思っています。

スポーツで汗をかくとリフレッシュしますよね。
走っているときは無心になれるので、仕事での思考をリセットできます。
脳への血流量が増えて、走った後はよいアイディアがでたり、前向きになったり。

さらに、途中で投げ出さない精神力が育ちます。
なにより健康促進に繋がりますし、スポーツをすることはいいことばかりです!

なるほど。スポーツが多くの好循環を生み出しているわけですか。経営にスポーツを取り入れることによって生まれるシナジーは、多くの経営者のヒントになるでしょうね!本日はありがとうございました!

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本山功
株式会社オレンジアーチ 代表取締役

投稿者プロフィール
新潟県上越市出身、少年時代はサッカーとパソコンに没頭
大手ソフトウエア開発会社で1,000人規模の組織を運営
リーマンショック直後にITベンチャー 株式会社オレンジアーチを創業(従業員170名、年商14億円)
IT業界歴30年以上。東京商工会議所、自治体、大学など、ITや経営に関する講演多数
現在、光産業創成大学院大学博士課程在学中
東京商工会議所足立支部情報分科会副分科会長、税制委員会 委員、労働委員会 委員
東京都足立区経済活性化会議委員(現在は退任)

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