暗号資産価格の乱高下に一喜一憂しない!web3思想への哲学的考察
- 2022/11/1
- インタビュー
目次
「分散型」はなぜ人々を惹きつけるのか?
web3世代の”自律”への希求
中島氏――今はweb3ブームというか、「猫も杓子もweb3」という面があると感じているのですが、集中と分散のくり返しの歴史のなかで、なぜ今「分散型」に魅了される人が増えているのだと思いますか?
籠原氏――かつて中央銀行ができて、お金ありきの経済圏、お金ありきの生活スタイルが確立し、人によっては、お金が命よりも大切な存在になっていったという歴史があります。
お金(法定通貨)が国家や社会の核になっていて「国に依存するから守ってほしい」という人もいますが、本当にそれで良いのか?という自問自答をする人が増えているのも事実です。
国に依存しない、あるいは会社に依存しない自律した生き方を模索している、求めている人が増えているのではないでしょうか。
それが人々の民意であり、web3ブームの背景にあると思います。
民意が反映されていない、つまり権力が集中した例として、農業における買取仲介者を挙げることができます。
本来、買取仲介者は生産者がいるからこそ成り立つのですが、この買取仲介者が巨大化・既得権化することで立場が逆転し、市場を動かすほどになってしまったのです。
これでは生産者の民意が反映されず、分散型社会とは言えません。
分散型社会は、このような既得権益からの離脱、本来人々が利益を享受できる世界への回帰と言えます。
ビットコインは民意の反映
そしてまた、ビットコインもweb3の代表です。
最初は、「ビットコインなんて詐欺だ。長く続かない」と無視されていました。
ところが、政府も人々も無視できない存在になっていった。
ビットコインが存在し続ける理由は、人々の民意であり、世界がみている方向性だと感じます。
廣末氏――私がビットコインを知った2012年頃は、渋谷のミートアップなどのコミュニティでもハイエク信仰者や自由主義者が多かったです。
参加者・ホルダーみんながwin-winになれる。
そんな明るい未来を感じていたのかもしれません。
▶分散型に魅力を感じている人が増えるなかで、価格にばかり注目される現状を打破するためには何が必要なのか。次のページでお届けします!