メタバースがビジネス領域でも拡張!ライフスタイルを一変する「3Dインターネット」へ(後編)

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中小企業HPも3D導入が可能に

中島氏――なるほど、「3Dインターネット」はとてもわかりやすいですね。デジタルネイティブと呼ばれる若い世代がいるように、メタバースネイティブの世代が出てくると、社会もさらに変化していくのかもしれませんね。メタバースを「3Dインターネット」と定義すると、中小企業でも取り組みやすくなるかもしれません。

北村氏――「3Dインターネット」ということは、そこにあるホームページは「3Dホームページ」ということになります。
ただ、ホームページのすべてが3Dになるというわけではなく、今の段階であれば「2Dホームページに3Dホームページ(メタバース空間)を追加できる」と考えれば、取り組みやすいのではないでしょうか。

例えば、問い合わせフォームに3Dホームページ(メタバース空間)への入り口ボタンを付けて「問い合わせを3Dホームページ(メタバース空間)でできる」ということも可能です。
3Dインターネット領域のメタバースには、スマホやPCでこれまでどおりアクセスできますから、VRデバイスは必須ではありません。

アバターの匿名性を活かした「相談室」開設も

北村――3Dインターネットでは、ブラウザ型が主流になるのではないでしょうか。
公式ホームページを持っていない企業はほとんどありませんし、すでにあるインフラを活用できるので利点もあります。
ブラウザ型であれば、50万円ほどの予算でも3Dホームページ(メタバース空間)の制作が可能です。
これくらいの予算なら、中小企業でも導入が現実味を帯びると思います。

OJT研修などの疑似体験ができることが3Dインターネットの真骨頂ですが、ほかに「匿名性」もその特徴として挙げられます。
メタバース・アバターならではの匿名性を活かして、本音を語れる匿名相談室を社内に設置しても良いかもしれません。
リアルなら個室を用意する必要がありますが、3Dインターネットであればオンライン上に用意するだけです。

新型コロナウイルスの影響で、「リモート」で業務を行うことが一気に普及しました。
現状、リアルの出勤に戻りつつあるものの、主婦や子どもにも「リモート」という概念や形式が普及したことは、3Dインターネットの普及を加速させる大きな転換点となるはずです。

3Dインターネットならではの新しい職業誕生か

中島氏――確かに、リモートワークやリモート授業の普及は大きいですね。一方で、メタ社への批判が目立ちますが、メタ社に関してはどう感じていらっしゃいますか?

北村氏――批判は時期尚早だと思います。
メタ社はとてもがんばっているのではないでしょうか。
今はまだ先行投資の時期ですから、この1年だけでメタ社の経営判断が正しかったのかどうかをジャッジできないはずです。

メタバースを3Dインターネットと定義すれば、普及の道は拓け、また早まるのではないかと感じます。
これからは、3Dインターネットで長い時間を過ごし、そこで仕事をする人も増えてきます。
それによって、新しい職業が誕生する可能性もあります。

例えば、「アンビルド建築家」です。
大学院を出ても、一級建築士の資格を取っても、いきなり独立できるわけではありません。
また、自分がつくりたい建物を自由につくれるわけでもありません。

ですが、3Dインターネット上であれば、自由度が高い。
CADのデータをそのまま3Dインターネットで展開できますから、アンビルド建築家(建てない建築家)でも成立します。

3Dインターネットが当たり前になれば、3Dインターネット産業が発展します。
そこでは、続々と新しい職業が生まれるでしょう。
そのネイティブ世代が、また新しい時代をつくっていってくれると思います。

出典:マイナビニュース「メタバースは“web3”でも“神の民主化”でもなく『3Dインターネット』である」
この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。

前回の記事「メタバースがビジネス領域でも拡張!疑似体験で『経営課題の解決策』に」は、こちらでご覧になれます。

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中島 宏明

投稿者プロフィール
1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立。一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から暗号資産投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の企業で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

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