世界を越境した信頼関係の構築も担う!web3による職業の多様化

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世界共通通貨になり得る暗号資産

中島氏――クレジットカードや現金、QRコード決済、プリペイドカード…と決済手段が多様化しているように、通貨も多様化していくのでしょうね。法定通貨、暗号資産、CBDCやステーブルコインと、利便性の感じ方は人それぞれだ、ということだと思います。

森田氏――今回イベントに行って感じたのは、「国際間の割り勘って難しい」ということです。
現地の同僚と飲みに行く機会があり、食後にお会計をしようとしたのですが、日本ではPayPayやLinePayなどでの割り勘が日常化しています。
しかしシンガポールはPay NOWが主流なので、それができず。
国を跨ぐ割り勘をスムーズにするためにも、暗号資産の浸透が重要だと痛感しました。

中島氏――たしかに、ビットコインを世界共通通貨と捉えると、割り勘にも便利なのですよね。

web3が職業に及ぼす影響

中島氏――では、今回一番お聞きしたかった話題ですが、森田さんからみて「web3で生まれる仕事・職業となくなる仕事・職業」には、どんなものがあると思いますか?

生み出される職業

森田氏――生まれる仕事・職業としては、「オンチェーンワーカー」「コミュニティデザイナー(モデレーター)」「NFT投資家」などがあると思います。

オンチェーンワーカー

DAO(自律分散型組織)やNFTプロジェクトからの依頼で報酬(NFT含む)を得る仕事です。
Web2.0でいうと、Web2.0企業から報酬を得ているYouTuberなどのweb3版です。
その人の得意な領域に応じて、プロジェクトに貢献し、その貢献に応じた報酬をNFTを含むトークンで得る。
マーケティングが得意であればマーケティング、開発が得意であれば開発、戦略立案が得意であれば戦略立案で貢献していきます。

コミュニティデザイナー(モデレーター)

DAOやコミュニティを魅力的に設計・運営する仕事です。
Web2.0でいうとWebデザイナー(Webページを魅力的に作る仕事)に当たると思います。
web3になると、サイト運営やイベント運営、AMA、トラブル対応などより広範囲にわたります。

NFT投資家

トレーダーと美術品収集家(ファウンダーの人間性)の中間イメージです。
Web2.0でいうとオンライントレーダーですが、NFT投資家の場合はNFT制作者・アーティストの理念や哲学、志向、目指す姿、世界観、生い立ち、表現スタイル、表現手法、希少性、PRなどを総合的に分析・評価することも仕事に含まれてきます。

無駄が省かれ消えゆくもの

一方、web3でなくなる(なくしたい)仕事・職業としては、「現金での募金(特に国を跨ぐもの)」や「ガバナンス関連の仕事」が考えられます。

現金での募金

「現金での募金(特に国を跨ぐもの)」は、非常に非効率的なので、人件費などのコストがかかっています。
そのため、募金という善意が100%届けられているわけではなく、何割かは運営費として差し引かれることになります。
web3になると、募金先へより効率良く、直接的な支援が実現できるはずです。

ガバナンス関連の仕事

「ガバナンス関連の仕事」は、スマートコントラクトで置き換えられると考えられます。
予め、「この条件になったらこの契約が履行される」「契約と同時に決済も行われる」など、ルールを決めてそのとおり実行されるまで自動化することができます。
省人化、あるいはまったく人を介さずに行うことも可能になっていくでしょう。

▶このように、私たちの仕事にも大きな変革をもたらすweb3が今後、さらに進む中で求められるスキルとマインドとは?次のページで、お2人の見解をお話いただきます!

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中島 宏明

投稿者プロフィール
1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立。一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から暗号資産投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の企業で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

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