【書評】期待を超える感動体験とマーケットイン思考で「強い組織」をつくる

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「なぜお客様は買うのか?」を考え続ける

「支払われるお金」より「価値」が大きい状態を目指す。それができれば、付加価値をつくりながら幸せも感じることができる。

私の仕事での最大の喜びはクライアントから感謝の言葉をいただくことです。
「ありがとう」の言葉をいただくために本を読み、こういった記事を書いています。
顧客のあるべき姿がわかれば、そのためのインプットを行い、自分の知識と体験を深めるようにしています。
自分が提供できる価値を意識し、それを進化させなければ、クライアントに飽きられてしまいます。

■価値はお客様が感じること(「価値」とは、顧客本位で定義すべき)
■付加価値=価値−外部購入価値の視点で考えることで、優位性を手に入れられます

付加価値は「置換価値」「リスク軽減価値」「感動価値」の3つに整理できますが、顧客を感動させる価値を最も重視すべきです。

・置換価値・・・今より便利に、今と同じ感情を味わえる価値
・リスク軽減価値・・・つらい感情を感じるリスクを減らせる価値
・感動価値・・・今より高い位置の感情を味わえる価値

価値の意味をしっかりと理解し、「なぜお客様は買うのか?」を考えることを習慣にしましょう。
自社の付加価値にフォーカスすること、顧客に感謝される価値を提供できれば、社員のモチベーションも高まります。
NPS※1が高まれば、eNPS※2も高まります。
eNPSが高まれば、ますますよい製品やサービスを提供できるようになります。

※1 「Net Promoter Score」の略で、顧客ロイヤルティを測る指標。「企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるか」を数値化するもの
※2 「Employee Net Promoter Score」の略で、「従業員エンゲージメント」を測定するための指標

「価値」を決めるのは顧客

私は、顧客のヒアリングを通じてその企業が困っていることを解決し、なおかつ他企業でも使える「標準品」をつくるようにします。
それが世界初、業界初であれば、競合との差別化を図れます。
商品をセールスする際には、単に製品の機能や特長を話すだけではなく、顧客目線に立ってどんな利点があるかを考えて話すようにします。

価値は顧客が決めるのですから、自社で勝手に価値を判断してはいけないのです。
顧客が価値を理解し、組織の変化をイメージできれば、値段が高くても売れるようになります。
付加価値ベースで値付けすることで、自社の売上と利益がアップするのです。

無駄な仕事を減らし、本当に価値がある仕事をすることで、優秀な人を集めることも可能になりますし、組織の定着率が高まります。
付加価値を提供することで仕事の生産性が高まり、より利益が出せる会社になれるのです。

徳本氏の著書「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)

出典:付加価値のつくりかた(田尻望)の書評
この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。

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徳本昌大
Ewilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
iU 情報経営イノベーション専門職大学特任教授

投稿者プロフィール
複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。
現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動するなか、多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施中。
ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。
マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

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