現場主義で培った経営視点──資金調達×マーケティングによる伴走型支援の本質

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店舗運営からエリア統括、さらには大規模改装プロジェクトの責任者まで、現場で実績を積み重ねてきた大谷幸輝氏。順調に見えるキャリアの裏には、数多くの失敗と学びがありました。現在はCo-creation project合同会社の共同代表として、クラウドファンディングを起点に資金調達とマーケティングを組み合わせた独自の支援を展開。単なる資金集めに留まらず、事業成長まで伴走するそのアプローチの背景と独自の戦略についてお話を伺いました。

現場で磨いたマネジメント力+失敗から得た学び

Z-EN――大谷さんは、前職ゴルフパートナーに9年間在籍され、最年少店長を務められたり、3億円規模の施設改装プロジェクトを担当されたりされていましたね。

大谷幸輝氏(以下、大谷氏)――そうですね。当時のゴルフ業界でもその規模の改装は珍しく、責任者としてプロジェクト全体を任せていただきました。
現場のオペレーションだけでなく、売上計画や人員配置まで含めて設計する経験ができたのは大きかったですね。
その後は茨城エリアの統括として複数店舗のマネジメントにも関わりました。

――順調にキャリアを積まれている印象ですが、失敗談もありますか?

大谷氏――かなり多いです(笑)。
自分でも「一番怒られてきたタイプだな」と思います。

例えば、店舗のトイレが汚いと厳しく指摘されたことがあって、そのときは言い訳せずに清掃用具を買って、一日中すべてのトイレを掃除しました。
細かい部分を疎かにすると信頼を失うというのは、この経験で強く学びました。
現場の積み重ねが売上に直結するという感覚は、今の仕事にも活きています。

――ゴルフパートナーに入社されたきっかけは何だったのでしょうか。

大谷氏――大学3年生のときにアルバイトとして入社したのが最初です。
友人と始めたゴルフにハマって、「これを仕事にしたら面白そうだな」と思ったのがきっかけでした。

アルバイト時代から業績が良く、正社員のお話もいただいていたのですが、一度は断っているんです。
いわゆるエスカレーター式で進むことに違和感があって。
ただその後の就活がうまくいかず、最終的には自分からお願いして、新卒と同じ選考を受けて入社しました。

結果、アルバイト期間も含めて10年半在籍しました。

キャリアの転機──独立を決断した背景

――そこから独立に至った経緯についても教えてください。

大谷氏――いくつかの要因が重なっています。

もともと独立志向はありましたし、プライベートでの環境変化もありました。
加えてコロナ禍で働き方が変わり、時間に余白ができたことで、自分の今後を見つめ直すことができたんです。

ゴルフ業界としては追い風の時期でしたが、自分自身はあえて立ち止まって考え、その結果、独立を決断しました。

――現在はCo-creation project合同会社の共同代表として、事業拡大支援をされていますが、企業にとってどのような価値を提供されているのでしょうか。

大谷氏――一言でいうと、個人事業主~年商3億円未満の中小企業に対して、資金調達とマーケティングを組み合わせて売上を伸ばす支援をしています。
クラウドファンディングを入口にすることが多いですが、それ自体が目的ではなく、事業をどう成長させるかまで伴走するのが特徴です。

クラウドファンディングを軸にした伴走型支援

――具体的な支援内容を教えてください。

大谷氏――1つ目がクラウドファンディングのプロデュースです。
単なるアドバイスではなく、企画設計からストーリー構築、リターン設計、集客導線の設計、日々の行動管理まで一貫して伴走します。
案件によってはリターンを20種類以上設計することもあります。

2つ目が資金調達に向けた事業計画書の作成支援です。
日本政策金融公庫や銀行からの借入を見据え、独自フォーマットを用いて戦略的に事業計画を作り込みます。
仮に借入を行わない場合でも、事業の方向性が明確になるため、多くの方に価値を感じていただいています。

3つ目がマーケティング設計と事業拡大支援です。
クラウドファンディングをテストマーケティングとして活用し、その結果をもとに商品改善や販路設計を行い、継続的に売上が立つ状態まで支援します。

――これまでの実績についても伺いたいです。

大谷氏――クラウドファンディングの累計支援総額は1億円以上になります。
農家の方やスポーツチーム、社会貢献型の事業など幅広い案件を支援してきました。
特にソーシャルビジネスの割合は高く、全体の約3割を占めています。

共感を生むマーケティングと実績に見る支援の価値

――これまでで印象に残っているエピソードはありますか。

大谷氏――「留学に行きたいので資金を集めたい」という案件ですね。
最初は単なる資金調達の相談でしたが、「留学後に何を実現するのか」という未来まで設計し直しました。
その結果、共感が広がり、想定以上の金額を集めることができました。

この経験から、クラウドファンディングはお金集めではなく、共感を設計するマーケティングだと強く感じましたね。
また、社会貢献性の高い事業やスポーツチームの支援も、支援する側、される側、双方の熱量が高く印象的です。

銀行融資が難しいケースでも、戦略次第で資金調達やスポンサー獲得につなげることができます。
単発で終わらせず、その後の事業成長まで見据えて設計することを大切にしています。

――クラウドファンディングの向き不向きについてはいかがお考えでしょうか。

大谷氏――基本的にはBtoC向けの事業が向いています
ファンや共感を集めやすいからです。

一方で営業代行や人材紹介、SaaSなどのBtoB事業は難しいケースが多いですね。
だからこそ、クラファンありきではなく、その事業にとって最適な手段を選んで戦略を練ることが重要だと考えています。

挑戦に寄り添う共創のアプローチ

――今後の事業展開についてのお考えを教えてください。

大谷氏――クラウドファンディングはあくまで入口で、その後の事業成長こそが本質だと考えています。
「300万円集めたい」といったような短期的な目標だけでなく、その事業が継続し、売上を伸ばし続ける状態をつくることに価値があります。

今後は、スタートアップや創業間もない企業はもちろん、既存事業が伸び悩んでいる企業にも積極的に関わっていきたいですね。

――最後に、どのような方に貢献していきたいと考えていますか。

大谷氏――挑戦したい想いはあるけれど、資金や戦略の壁に当たって前に進めない方ですね。
特に社会性のある事業や、新しい価値を生み出そうとしている方に対して、資金調達からマーケティング、事業成長まで一貫して伴走することで、「やりたいことを実現できる状態」をつくっていきたいと思っています。

単発の支援ではなく、その先まで責任を持って関わり続けることが、自分の価値だと考えています。

――誰かの「やりたいこと」を資金面や事業戦略で支援する大谷さんの今後に期待が膨らみます。ありがとうございました。

大谷幸輝
Co-creation project 合同会社 共同代表

投稿者プロフィール
9年間在籍した前職の株式会社ゴルフパートナーでは、最短店長昇格試験合格、施設改装3億円プロジェクトリーダー、茨城エリア統括 (130名の組織構築)などの成果を挙げる。
その後、Co-creation project(コークリエイションプロジェクト)合同会社の共同代表として独立。
事業拡大コンサルティングを柱に、クラウドファンディング成功支援、資金調達、組織構築、業務改善、マーケティング全般等の支援を行う。

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