AI表情分析×営業育成で組織改革へ~「salesfeed」が実現する新しい営業支援
- 2026/5/28
- インタビュー

株式会社noahが提供する営業組織向け社員育成システム「salesfeed」は、営業現場における入力負担や育成課題を解消し、営業担当者が“自然に使い続けられる”設計を追求したサービスです。背景にあるのは、「営業を嫌いにならずに働ける組織を増やしたい」という創業者・實松美咲氏の原体験です。AIによる表情分析やフィードバック機能を武器に、人材紹介会社を中心とした導入を拡大。単なるSaaSにとどまらず、伴走型で営業組織改革を一気通貫で支援する實松氏にお話を伺いました。
目次
“現場で使われること”を追求した営業育成システム「salesfeed」
Z-EN――noahの主力領域「salesfeed」について、どのようなサービスなのかご説明いただけますでしょうか。
實松美咲氏(以下、實松氏)――「現場で働く営業マンが本当に活用できるか」を軸に作った、営業組織向けの社員育成システムです。
議事録、SFA、CRMを一つにまとめたような立ち位置で、営業現場の入力負担を極力減らしています。
私自身、営業時代にさまざまなツールを使ってきて、入力作業が苦手な営業マンが無駄な時間を取られてしまうケースを多く見てきました。
だからこそ、入社初日からでも直感的に使えるものであることを重視しています。
創業から1年半経ちましたが、本格的にサービス提供を始めたのは半年前。
最初は議事録ベースのシンプルな分析ツールでしたが、お客様の声や自社利用を通じて機能を追加し、現在の統合型サービスへ進化しました。
経営理念に込めた組織づくりへの思い
――「大切な人を守れる方舟を作る」との理念をお持ちとのこと。それは、どのように事業へ反映されていますか。
實松氏――社内と社外、両方に意味があります。
社内では、従業員に還元でき、場所に縛られずに働ける環境を作りたいという思いがありました。
そのためには、自社サービスとして利益率を担保しつつ、誰が営業しても一定の品質を再現できる仕組みが必要だったんです。
私は営業経験しかなかったので、現場感覚を一番理解できる営業領域に特化しました。
社外に対しては、「営業を始めた頃の自分のような営業マンを救いたい」という思いが根底にあります。
営業現場では数字管理が中心になりやすく、人それぞれの営業スタイルが尊重されにくいことも多い。
私自身、営業は得意でしたが、好きと言えるほどではありませんでした。
ただ、営業職は市場価値が高く、収入にもつながりやすい仕事です。
だからこそ、営業を少しでも嫌いにならずに働ける組織づくりを支援したいと思っています。

営業経験と原体験から生まれた起業への道のり
――實松さんの起業に至るまでの経緯、転機となったエピソードなどを教えてください。
實松氏――大学生の頃、家庭環境の変化があり、「しっかり稼がないといけない」という気持ちから営業職を志望しました。
最初は自動車業界に入りましたが、かなり体育会系の文化で、環境に適応できず退職することになりました。
その時、「自分を守るには、守られる立場で支援を待っているのではなく、自身で守れる立場にならないといけない」と強く感じたんです。
その後、求人広告代理店やリクルートでの営業経験を積みながら、独立を見据えてデザイン学校にも通いました。
フリーランスとして美容室向けコンサルティングやデザイン業務を行う中で、法人のお客様と接する機会が増え、自分が思い描いていたシステムの話をしたところ、「そんなシステムが欲しい」という声をいただくようになり、法人化してシステム開発をスタートしました。
――現在は主にどのような企業が「salesfeed」を導入していますか。
實松氏――特に多いのは人材紹介会社です。
従業員20〜30人規模で、「これから組織を大きくしたい」と考えている企業様にマッチしています。
人材紹介業は面談数が多く、採用と育成の両立が課題になりやすい業界です。
salesfeedでは、商談内容や進捗、フィードバックが自動で整理されるため、マネージャーは重要な案件だけを重点的に確認できます。
例えば、メンバーが1日3商談したら、その3商談分をできるだけ振り返ってあげないといけない。
でもsalesfeedでは、フィードバックが生成された状態になっていて、その中で特に重要だった商談だけを振り返ればいい。
そもそも、「振り返るべきかどうか」の判断も、その場でできるようになっているんです。
「1on1の時間が取れるようになった」「管理できる人数が増えて、採用の幅が広がった」という声も多くいただいています。
また、営業と事務側の連携もスムーズになり、URL一つ共有するだけで必要情報を確認できる点も好評です。
AIによる表情分析で営業現場の改善を可視化
――「salesfeed」の特長であるAIによる表情分析機能についてご説明いただけますか。
實松氏――お客様から特に反響が大きい機能です。
表情学をベースに、人の感情変化を分析しています。
営業では「空気を読む力」が重要だと言われますが、それを表情やしぐさから可視化するイメージです。
営業職は失注理由が見えづらい仕事なので、「このタイミングで別のアプローチをすれば良かったかもしれない」と改善案を出せるだけでも、次へのモチベーションにつながります。
オンライン商談が増えた今だからこそ、表情分析の価値を感じていただけていると思います。
――起業後、一番苦労したことは何でしたか。
實松氏――一番は資金面です。
開発は完成するまで利益を生まない一方で、かなり費用がかかります。
開発会社との相性が合わず、想定以上にコストが膨らんだ時期もありました。
融資も受けていましたが、サービスが未完成だと追加融資を受けづらく、精神的にもかなり厳しかったですね。
人材育成から組織改善へ──伴走型支援で広がるnoahの展望

――そんな困難を乗り越えられ、進化する「salesfeed」が楽しみですね。今後の展望についてもお話いただけますか。
實松氏――現在は案件のステータス管理や電話録音機能なども実装が進んでいます。
営業の方が毎日開きたくなるシステムを目指しているので、フィードバック生成の際には、「ガキ大将風」や「ギャル風」のように商談相手のカテゴリをネイミングする遊び心も加えてエンタメ性を持たせ、より使いやすい楽しめるものにできたらいいなと思っています。
――人材育成などの分野ではどんな進化を目指していますか。
實松氏――営業育成を支援する中で、「採用」「定着率」「社員エンゲージメント」に悩む企業が非常に多いことも見えてきました。
今後は、採用支援や福利厚生領域にもサービスを広げていきたいと考えています。
弊社の軸にあるのは一貫して「人」です。
AI業界は競争が激しいからこそ、単純な機能だけでは差別化できません。
キックオフミーティングで企業理解を十分に深め、その後も月1回のミーティングを通じて、導入企業ごとの営業フローや評価基準まで一緒に整理しています。
「自社の営業手法を初めて言語化できた」という声をいただくこともあり、単なるSaaSではなく、伴走型で組織改善まで支援できる点が強みだと自負しています。















