「共感」を起点にブランドを育てる――ママ視点マーケティングの可能性

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女性、特にママ層のリアルな感情や生活者視点を軸に、企業のPR・マーケティング支援を行うPETAGO株式会社。代表の戸田さと美氏は、自身の出産・育児経験や社会の中で感じた課題意識を原点に、「ママと企業をつなぐ存在」として事業を展開しています。Instagram運用を中心に、SNS戦略設計からイベント施策、コンテンツ制作まで一貫して支援し、多くの企業のブランド価値向上と売上成長に貢献しています。創業の背景から共感型マーケティングの本質、今後の展望についてお話を伺いました。

「ママと企業をつなぎたい」――起業の原点は社会課題への問題意識

Z-EN――戸田さんが、「女性を対象としたPRを含むマーケティング」という領域で起業された背景について、ご自身がお持ちだった問題意識などをお聞かせいただけますか。

戸田さと美氏(以下、戸田氏)――私は結婚後に専業主婦となり、妊娠中に主人を亡くしました。
その後、子どもの誕生を機に、自分が精いっぱい生きている背中を子どもに見せたいとの思いから、起業を決意しました。

当時、自分自身が「母親」という立場になったことで、社会の中でママたちが生きづらさを感じ、消費の中心を担い家族を支えているにもかかわらず、彼女たちへの理解やフォーカスが十分とは言えない現状を目の当たりにしました。
また、実際の消費行動は感情に大きく左右されるにもかかわらず、従来のマーケティングはデータや属性分析に偏っているケースが多いと感じていました。

そうした現状とのギャップを痛感し、「ママ視点のマーケティング」の必要性を強く意識するようになったことが、現在の事業の原点です。
ママと企業を結びつける存在になりたい――その想いが、起業のきっかけとなりました。

モデル・化粧品マーケティング経験を経て形成された現在の事業基盤

――戸田さんご自身はモデル経験もお持ちですが、これまでどのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか。

戸田氏――高校時代にモデル活動を行い、その後は化粧品のマーケティング部門に勤務していました。
当時はブログ文化が広がり始めた時代でもあり、子育てと仕事の両立に課題を感じていたママたちが自然と集まるコミュニティが形成されていきました。

そのネットワークが現在の事業につながり、当時出会った方々の多くは、現在も一緒に活動してくれています。
私自身が抱えていた課題意識と、それを解決するための人とのつながり、その両方が重なったことで、現在のビジネスモデルが形づくられていったのだと思います。

女性・ママ層の“共感”を軸にしたマーケティング支援

――現在、PETAGOではどのような事業を展開されているのでしょうか。

戸田氏――当社は、ママである女性のリアルな声や生活者視点を起点に企業様のマーケティング支援を行っています。

主な事業領域は、PR、マーケティング、広告代理業、Webプランニングなどです。
特に女性、なかでもママ層に向けたコミュニケーション設計を得意としており、企業様と伴走しながら売上向上につなげる支援を行っています。

――御社のミッションである「お母さんたちに選ばれるブランドにする!」にも、その姿勢が表れていますね。

戸田氏――はい。ご支援させていただく企業様の業種は多岐にわたりますが、主婦やママをターゲットとする企業様に対して、リアルな生活者の声と企業メッセージをどう結びつけるかを重視しています。
単に情報を発信するのではなく、言葉や表現を丁寧に噛み砕きながら、ターゲットに伝わるコミュニケーションへ落とし込むことで、ブランド理解や共感の解像度を高めています。

Instagram運用からイベント施策まで――売上につなげる一貫戦略

――具体的には、どのような課題を抱える企業に対して支援を行っているのでしょうか。

戸田氏――女性・ママ層へのリーチを強化したい企業様や、ブランドへの共感性を高めたい企業様、SNSを活用して継続的な売上成長を目指す企業様への支援が中心です。

当社では、単発的な施策ではなく、共感をベースにした長期的な関係構築を重視しています。
媒体選定からコミュニケーション戦略設計までを一貫して支援し、企業価値を整理・言語化した上で、共感される形へと具体化していきます。

また、ママインフルエンサーのコミュニティを活用したイベント施策や販促企画、コンテンツ制作なども手掛けています。
長年の経験を通じて、企業カラーやペルソナを深く理解し、最適なご提案ができる点も強みです。

――現在のSNSマーケティングにおける主軸についても教えてください。

戸田氏――現在はInstagram運用支援が中心となっています。
ただし、単なる運用代行ではなく、入口設計からファン化、さらには購入や売上につながる出口設計まで含めたプランニングを行っています。

近年は、リアルイベントによる直接販促やECサイトへの導線設計など、オンラインとオフラインを横断した支援にも力を入れています。

企業フェーズに応じた伴走支援と成果創出

――SNSマーケティング支援については、外部パートナーとしての支援が多いのでしょうか。

戸田氏――企業様によって支援スタイルは異なります。
大企業の場合は、伴走型での支援から実装までを担い、Instagram上で企業の世界観を統一したコンテンツ制作を行うケースが多いです。

一方、専任担当者がいない企業様に対しては、内部に深く入り込み、SNS運用からイベント施策までを一貫して支援し、売上につなげるサポートを行っています。

――主婦やママ層をターゲットとする企業には、どのような業種が多いのでしょうか。

戸田氏――消費財を扱う企業様が中心ですが、女性専用クリニックなどのご支援も行っています。
そのような領域では、より繊細な感情や不安に寄り添いながら、丁寧なコミュニケーション設計を行うことを大切にしています。

――創業から17年。これまでの代表的な成果事例についてもお聞かせください。

戸田氏――読者モデルを起用したスーツブランドの発表イベントでは、企画設計からSNS発信までを一貫して担当し、大きな反響をいただきました。
また、Instagramアカウントをゼロから立ち上げ、約15万人規模のフォロワーへ成長させた事例もあります。

企業とユーザーを結ぶ新たな接点の創出

――マーケティング領域は競争も激しく、商材そのものだけでなく「届け方」が重要になりますよね。

戸田氏――まさにその通りです。
PR手法は非常に多様化しており、まずはブランドの土台づくりが重要だと考えています。

SNSは常に変化しており、そのスピードも非常に速いため、一つの成功手法が通用し続けるとは限りません。
そんななかでも、当社は一貫して「共感」を軸にしたマーケティングを重視してきました。

生活者視点を最優先に置き、データだけでは見えない感情や価値観を丁寧に捉えることが、ブランドとユーザーとの信頼関係構築につながると考えています。

――人材面についてはいかがでしょうか。

戸田氏――多様な人材確保には難しさもありますが、現在は非常に優秀なママ人材が数多く関わってくれています。
消費者としてのリアルな視点や、生きた声を持ちながら、日々変化する課題を捉えられる点は、当社にとって大きな強みです。

――最後に、今後の展望についてお聞かせください。

戸田氏――今後は、イベントや体験を通じて、企業と生活者が直接つながる場を再構築していきたいと考えています。
単なる情報発信ではなく、リアルな接点を通じて信頼関係を築き、その中から新しい価値やコミュニティが生まれる仕組みをつくっていきたいですね。

戸田さと美
PETAGO株式会社 代表取締役

投稿者プロフィール
千葉県出身。有名高校生雑誌にてメインモデルを務める。
多くの美を支える従事者と出会い、外面と内面の美しさが兼ね合ってこそ、本当の美しさとなる事を学び、女性の生き方や考え方に興味を持つ。
自身は表よりも裏方として人を支えていきたいという想いから皮膚科学、体内美容、ヘアメイクを学び、輸入商社の化粧品事業部長を務め、企画・マーケティング・商品開発を行う。
その後、結婚、妊娠、そして最愛の夫を妊娠6か月で亡くす。
産後1年で女性がより輝ける社会実現をする為、また自身もその可能性を示したいという思いから、2010年にPETAGO株式会社を設立。女性向けのマーケティングPR、広告代理店業務をメインにイベント等も手掛ける。
社長業のかたわら、雑誌での読者モデル、ブロガーでもあり、自身の経験も含め女性視点での生活提案を行っている。ライフワークとして始めたセルフプロデュースが口コミで広まり、講演も多数行っている。

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