経営者のためのワーケーション “エグゼクティブリゾートワーカー”(前編)
- 2022/1/17
- インタビュー
企業に対する節税対策や会計業務のアウトソース、グローバル展開支援、外国人採用支援などを中心に幅広くサポートを行う、株式会社インフォランス 代表取締役の佐々木雅士氏。ベトナム、シンガポール、タイ、ミャンマーなどのアジア圏では、それぞれ現地で必要とされる事業の展開も進めていらっしゃいます。創業20周年を迎えられた株式会社インフォランスの起業から現在の事業に至るまでの経緯や、佐々木氏ご自身の経営者として蓄積された知見についてインタビューした内容を3回に分けてお届けします。経営者にワーケーションを推進する佐々木氏のキーワードは、「エグゼクティブリゾートワーカー」です。
インタビュアーは、Z-ENでも多数ご寄稿いただいている中島宏明氏。中島氏は、20代の頃から仮想通貨や海外不動産などに投資をし、現在はインドネシアのバリ島でデベロッパー事業を展開。日本では、経営戦略・戦術に関するアドバイザーも行っていらっしゃいます。お2人の軽妙な会話をお楽しみください。
本当の顧客満足を追究
中島宏明氏(以下、中島氏)――佐々木さん、本日はありがとうございます。佐々木さんとの接点は、海外不動産やクリプト(暗号資産)など幅広いのですが、今回は、特に熱を入れて取り組んでいらっしゃる「エグゼクティブリゾートワーカー」について教えていただければと思います。まずは、起業以来これまで行ってきた経営支援について伺わせてください。
佐々木雅士氏(以下、佐々木氏)――はい。株式会社インフォランスを起業したのは2000年ですので、おかげさまで昨年、20周年を迎えることができました。
中小企業オーナー向けの節税対策コンサルティングが主たる業務ですが、その業務からの発展サービスで、企業と会計事務所のマッチングをこれまで4,000件以上行ってきています。
企業と会計事務所のマッチング事業をスタートした2000年当時は、税理士法の改正で会計事務所がやっと自由に営業活動をできるようになった頃でしたので、企業に最適な税理士の紹介を行っていました。
しかし、マッチングができた後に、企業が税理士に期待していることと会計事務所が実際に提供していくサービスが乖離していることがあり、最初はうまくいっていても関係を続けていくうちに、ボタンの掛け違いのようなことに陥ってしまうケースが多く出てきたのです。
そこでマッチングサービス内容を改良し、新しく契約した後も弊社が企業と会計事務所の間に入って業務のやり取りをウォッチするフォロー体制をつくりました。
「社長を守る®税理士」をブランディング
単に会計事務所を紹介するだけのサービスで「3年先も経営者から感謝され続けるだろうか?」と不安を感じました。
本当の顧客満足につながっていないと感じたのです。
そこで、単純な税理士紹介にとどまらず、企業と税理士との顧問契約内容にまで踏み込んで、契約書の中にやってもらう業務の詳細までを記載し明確化するようにしました。
顧問契約後は、経営者と会計事務所と弊社でLINEグループをつくってやり取りのコミュニケーションをチェックする体制にして、ボタンの掛け違いが起こらないようにフォローしています。
弊社では、この一連のサービスを「社長を守る®税理士」というブランドに高め、経営者が本業に集中して本来の仕事をするための意義ある税理士紹介事業として取り組んでいます。
長期的な共存を目指したコンサルティング
中島氏――セカンドオピニオンであり、プロマネのような存在ですね。専門家のいうことがすべて正しいと妄信するのはリスクですから、そういう存在は必要ですよね。
佐々木氏――経営者の方からは日々さまざまな相談が届くのですが、今ではパートナーの税理士とともに、弊社が経営相談と税務の両方を一括でサポートできる体制をつくりました。
税務面は税理士と一緒に解決して、それ以外の経営全般は弊社が全面サポートしています。
ある意味、「経営コンサルティング付きの会計事務所」の様相になりました。
一例として、経理スタッフを4人雇用して業務を行っていた企業をご紹介します。
まずは、我々が経理部門の仕事の流れを把握するために会社に伺うと、その企業では月に約1,000件の仕分け作業を行っていました。
経理部門では大量の領収証を丁寧に1つひとつノートに貼り、きれいにファイルにまとめて整理棚に並べていました。
さらに、すべての領収証には社長の押印による承認が必要でした。
そのため、社長が出張に出てしまうと承認作業が滞って経理作業が進まないという問題も起きていました。
この企業の経営者は、社内の仕事はしっかりできていると思っているわけですが、そこに間違った思い込みがあります。
実は経理の業務が、どこからも求められていない必要以上に高品質すぎる仕事になっていました。
しっかりやれていることは事実なのですが、不要で無駄なコストをかけ過ぎた状態になっていたんです。
そこで、「経理を私たちにアウトソーシングすれば1日で終わる仕事です」「経理には4人も要らないので、3人は他の仕事をしてもらうようにするのはどうでしょうか?もしくは人を減らせば人件費の削減も可能です」と、業務やコストの無駄を削減するご提案をしました。
そして今では、経理のバックオフィス支援だけではなく、営業の効率化やマーケティングの支援など、幅広くサポートしています。
単にコストカットや業務効率を上げるというだけではなく、お客様と経営すべての面で、長く共存共栄できることがこのフルパッケージサービスの強みになっています。
▶「社長を守る®税理士」をブランディングし、経営コンサルティングができる会計事務所をサポートする佐々木氏。次のページでは、ワーケーションが社長に最適な理由についてお伝えします。