医療・介護・豪華客船など、高い衛生環境が求められる現場で認められた空間衛生インフラ――AIRBIRTHが目指す新たな空気環境の価値

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T3works合同会社CEOの福井雄造氏が展開する『AIRBIRTHは、一般的な空気清浄機とは異なる「空間衛生インフラ」という独自の発想から生まれた製品です。病院や介護施設、ホテル、クルーズ船など幅広い現場で導入が進み、その評価は性能スペックだけでなく、働く人や利用者が実感する空間環境の変化に向けられています。福井氏が一貫して重視してきたのは、「どれだけ優れているか」ではなく「現場で使い続けられるか」という視点でした。AIRBIRTHを通じて空気環境の価値を見直し、人と組織を支える社会インフラの実現を目指す、その挑戦の背景に迫りました。

AIRBIRTHは「空気清浄機」ではなく空間衛生インフラ

Z-EN――福井さんは、空気をキレイにするAIRBIRTHを「空気清浄機ではない」と表現されています。その真意を教えてください。

福井雄造氏(以下、福井氏)――当社は、『AIRBIRTH』という空間衛生インフラを展開しています。
一般的には空気清浄機として捉えられることが多いのですが、私自身は少し違う考えを持っています。

多くの空気清浄機は空気を吸い込み、フィルターで処理する仕組みです。
一方でAIRBIRTHは、オゾンとマイナスイオンによって空間そのものへアプローチします。
また、フィルター交換やファンのメンテナンスも不要で、長期間使い続けられることも特徴です。

AIRBIRTH
わずらわしいフィルターの掃除や液剤の補充などは一切不要
付属のブラシで簡単にお手入れができ、取り外し可能な表面のチタンプレートは水洗いが可能

私は性能比較そのものにはあまり興味がありません。
どれだけ優れた性能を謳っていても、現場で使われ続けなければ意味がないからです。
実際、コロナ禍で導入された空気清浄機が十分に活用されていなかったり、メンテナンスされていなかったりするケースも少なくありません。
だからこそ私たちは「性能」ではなく、「現場で使い続けられること」を大切にしています。

私たちの競合は空気清浄機メーカーではなく、衛生や空気環境への無関心だと思っています。
AIRBIRTHを通じて実現したいのは、空気によって失われている価値を取り戻すことです。
だから私はAIRBIRTHを空気清浄機ではなく、空間衛生インフラだと考えています。

AIRBIRTHとの出会いが確信へ変わるまで

――それほどまでにAIRBIRTHの価値を信じるようになったきっかけは何だったのでしょうか?

福井氏――最初の出会いは本当に偶然でした。
コロナ禍に知人から紹介を受けたのですが、当時は別事業を行っており、正直なところ私自身も半信半疑でした。

そんな中、実家が40年以上経営しているラウンジで試してみたんです。
長年営業していたこともあり、タバコやお酒の臭いが染み付いているような空間だったのですが、数か月後に訪れた際、入口に入った瞬間に違和感がありました。
臭いが消えたというより、空間そのものが新しくなったような感覚だったんです。
さらに店内の胡蝶蘭も通常より長く咲いていて、「これは何か違うかもしれない」と感じました

ただ、それでも私は最後まで疑っていました。
現場から良い評価をいただいても、「日本人特有のお世辞ではないか」と思っていたくらいです。
だからこそ、病院や介護施設、ホテルなど様々な現場で検証を重ねました。

今振り返ると、何か一つの出来事で確信したわけではありません。
様々な業界、様々な現場から同じような評価をいただく中で、その積み重ねが少しずつ確信に変わっていったのだと思います。
気が付けば、私自身が一番AIRBIRTHを信じるようになっていました

現場が認めたAIRBIRTHの価値

――実際の現場ではどのような評価を受けているのでしょうか?

福井氏――ありがたいことに、医療・介護をはじめ、ホテル、クルーズ船、ペット関連施設など様々な業界で高評価をいただいています。

印象的だったのは飛鳥Ⅱでのトライアルです。
試験期間終了後に機器を回収しようとしたところ、現場のクルーの方々から「外さないでほしい」という声をいただきました。
また、神奈川県で約20施設を運営する社会福祉法人一燈会様では、数施設での導入からスタートし、その後グループ全体へと導入が広がりました。
さらに眼鏡チェーンのZoff様では、レンズ加工時に発生する臭気対策として試験導入いただき、その後50店舗規模まで拡大しました。

正直、私どものような小さな会社が大手企業や上場企業に採用いただけるとは思っていませんでした。
だからこそ会社の規模ではなく、AIRBIRTHそのものを評価いただいていることが本当に嬉しいですね。
私たちが評価いただいているのは製品そのものではなく、その先にある空間環境の変化なのだと思います。

世界を見ても変わらない、現場起点の事業哲学

――現在のAIRBIRTH事業にも通じる、ご自身の原点について教えてください。

福井氏――振り返ると、私は昔から現場を見ることを大切にしてきました
社会人になって最初に入社した会社では、TSUTAYA向けの事業に携わっていました。
当時は加盟店を回りながら売場づくりや商品提案を行っていたのですが、本部で考えていることと、実際の店舗で起きていることには視点の違いがあることを学びました。

どれだけ良い企画でも、現場で受け入れられなければ意味がない。
逆に現場で評価されるものは自然と広がっていく
この時の経験は今でも私の仕事の原点になっています。

その後は楽天をはじめとするIT業界で新規事業に携わり、東日本大震災後にはソーラービジネスの立ち上げにも挑戦しました。
当時は前例となるモデルがほとんどなかったため、9カ国を巡りながら各国のエネルギー事業を学び、日本での可能性を模索しました。

当時のカリフォルニアは再生可能エネルギー分野における世界最先端の挑戦が数多く生まれている時代で、私自身も現地でテスラ社を訪問するなど、多くの刺激を受けました。
日本では当時、住宅用太陽光発電は200〜300万円程度の初期投資が必要で、多くの方にとって導入のハードルが高い時代でした。
「本当に良いものなら、もっと多くの人に届けられる仕組みが必要だ」と考え、8万円で導入できる新しいビジネスモデルを立ち上げました。
おかげさまで全国の報道番組にも取り上げていただき、サービス開始から約1か月半で2,500件を超えるお申込みをいただくことができました。

ただ、世界を見ても、事業を立ち上げても、最後に判断するのはいつも同じです。
結局、現場がどう評価するかなんですよね。
良いか悪いか、それだけなんですよ。

価値あるものは、自ずと現場が広げてくれると信じています。
AIRBIRTHも、まさに今そのプロセスを歩んでいるのだと思っています。

――目に見えない価値を伝える難しさはありませんでしたか?

福井氏――もちろんありました。
AIRBIRTHは空気という目に見えない価値を扱う製品ですので、「本当に効果があるの?」「何が違うの?」と疑問を持たれることも少なくありませんでした。

ただ、私は新しい価値というのは最初から理解されるものではないと思っています。
実際、過去に携わった太陽光発電事業でも同じような経験をしました。
だからこそ机上の理論で説得するのではなく、まずは現場で試していただくことを大切にしてきました。

資金的に苦しい時期もありましたし、事業として簡単な道のりだったとは思いません。
それでも不思議なことに、本当に苦しい時ほど新しい案件や現場からの評価が舞い込んでくるんです。

導入施設へ伺った際に、「AIRBIRTHで来ました」とお伝えすると、受付の職員の方から「あ、あの効果が凄いやつですね!」と声を掛けていただいたこともありました。
そうした現場の声に何度も支えられてきました。
だから私自身はAIRBIRTHを広げているという感覚よりも、現場に育ててもらっているという感覚の方が強いかもしれません。

AIRBIRTHで実現したい「空気環境が当たり前」の社会

――AIRBIRTHを通じて、どのような未来を実現したいと考えていますか?

福井氏――実際に病院や介護施設、ホテル、クルーズ船など様々な現場でご評価いただく中で、空気環境は単なる快適性の問題ではないと感じるようになりました。
特に昨今は多くの業界で人材不足が大きな課題になっています。

ニオイや衛生環境、働きやすさといった空間品質は、職員の定着や離職防止にも関わる重要な経営課題です。
実際に宿泊施設では、清掃スタッフの方から、
「AIRBIRTHがあるのと無いのでは全く違う」
「仕事が楽になる」
といった声もいただいています。

また、先日消防隊員の方とお話しした際も、救急車内のニオイ対策だけではなく、欠員を出さないことが大きな課題だと伺いました。
消防署内で一人感染者が出ると、隊員同士の接触も多いため一気に広がってしまうケースもあります。
そうなると現場の負担はさらに大きくなり、いざ緊急時に十分な人員を確保できないという問題にもつながります。
これは消防だけでなく、病院や介護施設、ホテルなど多くの業界でも同じです。

私は空気環境というものが、単なる快適性や消臭の問題ではなく、人や組織を支えるインフラの一つになりつつあると感じています。
また近年は、国の機関との意見交換や講演の機会をいただく中で、防災産業という新たな視点にも触れることができました。
平時は働く人や利用者を支え、有事には避難所や公共空間の環境維持にも貢献する
そうした可能性は今後さらに広がっていくと思います。

私の目標はAIRBIRTHをたくさん売ることではありません。
空気環境を整えることが当たり前の社会をつくることです。
電気や水道を意識しないように、空気もまた社会を支えるインフラの一つになる
そんな未来を実現したいと思っています。

福井雄造
T3works合同会社CEO

投稿者プロフィール
成蹊大学経済学部卒業後、流通・IT業界で企画営業や新規事業に従事。
東日本大震災後には、世界9カ国を巡りながら各国のエネルギー事業を研究。日本では当時200〜300万円が一般的だった住宅用太陽光発電に対し、「8万円ソーラー」という新たなビジネスモデルを立ち上げ、全国の報道番組でも取り上げられ、サービス開始から約1か月半で2,500件を超える申込みを集めた。
2018年にT3works合同会社を設立。
現在は半世紀近く研究・開発が続けられてきた技術を活用した空間衛生インフラ「AIRBIRTH」を展開。医療・介護施設、ホテル、豪華客船、教育機関、公共施設など、高い衛生環境が求められる現場で導入が進んでいる。
一貫して「現場がどう評価するか」という考え方を軸に、価値あるものは自ずと現場が広げてくれると信じ、人と社会を支える空間衛生インフラの実現に取り組んでいる。

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