「人を増やす」から「人を支える技術」へ―現場の課題を起点に、AIとロボットで働き方を変える
- 2026/9/28
- 企業紹介

人手不足が深刻化する中、企業に求められているのは、単に人材を補充することだけではない。人材事業を起点に、画像解析、顔認証、AIカメラ、ロボットへと事業領域を広げてきたのが、TRIBAWL株式会社の代表、山本雄一郎氏です。現場で起きるミスを「人の問題」として片付けず、技術で解決できないかと考えたことが、現在の事業の原点。現在は、状況を理解し、会話し、判断するAIエージェントを中核に、さまざまな業界の省人化・自動化に挑まれています。人材を紹介して終わりではなく、AIとロボットによって働き方そのものを変えていく。山本氏が描く、人とテクノロジーの新たな関係とは。
目次
人材事業から画像解析へ。すべての原点は「現場の困りごと」
Z-EN――以前の記事で御社をご紹介してから1年半ほど経っていますが、現在はどのような事業に力を入れていらっしゃるのでしょうか。
山本氏――現在はAIエージェント事業に最も力を入れています。
私たちはもともと人材事業からスタートし、その後、画像解析、顔認証、AIカメラへと事業を広げてきました。
ただ、カメラだけでは省人化・無人化は実現できません。
映像を認識して通知するだけでは、その後は人が対応する必要が出てくるからです。
そこで、状況を理解し、判断し、音声で会話や警告まで行えるAIエージェントを開発し、その先にロボットを組み合わせることで、人手不足という社会課題の解決を目指しています。
配送ロボットやロボットアーム、配膳ロボットなどに画像認識を組み合わせ、自律的に動く仕組みを提供しています。

Robotics(ロボティクス)
空間理解AIを組み込んだロボティクス開発で、人とロボットが安全に協働できる環境をつくる。
「通知するAI」から「判断して動くAI」へ
――画像解析やAIカメラでは、どのような活用事例がありますか。
山本氏――飲食業界でのAIカメラ導入では、店舗内で問題行動が発生した際も、AI検索によって「どの店舗で、誰が、何をしたか」を短時間で確認できます。
また、鉄道関連ではLLMを組み込んだクラウド型AIカメラを導入しています。
「黒い財布を4時頃に落とした」と自然な言葉で話しかけるだけで、AIが対話しながら映像を検索できます。
省力化を見据えた落とし物対応にも役立つ一方、個人情報保護や法令に沿った運用も徹底しています。
「優秀な部下が一人増える」AIエージェントの実力
――AIエージェントにはどのような特徴がありますか。
山本氏――一番分かりやすい表現をすると、「優秀な部下が一人増える」ようなイメージです
電話対応だけでなく、発信、日程調整、質問への回答、必要な情報だけを担当者へ引き継ぐところまで自動で行えます。
例えば、約1万人の人事面談の日程調整をAIエージェントが自動で進め、予定変更が発生しても全体を瞬時に組み直していくことができます。
事前ヒアリングも実施するため、本当に判断が必要な業務だけに人を集中できます。

AI音声エージェント「Voicelu(ボイスル)」
電話応対・問い合わせ対応から予約受付までを自動化
企業ごとの知識と日本語に特化。現場で使えるAIをつくる
――技術面での強みを教えてください。
山本氏――ChatGPTやGeminiなどのLLMを活用しながら、その下に企業専用のSLMを構築しています。
専門用語や社内ルールを学習させることで、その会社専用のAIとして運用できます。
さらに、日本語専用の音声認識や音声合成も独自開発しており、方言や専門用語にも対応できます。
聞き取り精度は約99.97%まで向上しており、銀行や自動車ディーラーでは、問い合わせ対応や点検予約、CRMとの連携まで自動化しています。
――どのような業界で活用が進んでいますか。
山本氏――金融、製造、教育、物流、介護、自治体など幅広い業界で活用いただいています。
銀行ではインターネットバンキングの問い合わせ対応、コールセンターでは定型業務の自動化を行っています。
当社は独自構成を採用しているため、高性能を維持しながら導入コストを一般的なAIエージェントの約3分の1まで抑えています。
教育分野では、一人ひとりの学習履歴に合わせた家庭教師AIとして活用され、介護分野では高齢者と自然に会話しながら寄り添うコミュニケーションツールとして導入が進んでいます。

AIとロボットで働き方を再設計する
――御社の画像解析やロボットの技術は、どのような現場で活用されていますか。
山本氏――人材事業を展開するなかで、お客様が抱える課題を何とか解決したいと模索し、様々な技術やシステムを開発してきました。
造船業では船体清掃ロボット、下水道では点検ロボット、食品工場では盛り付けミスや工程漏れの検知、魚の加工では顔認証技術を応用した自動加工を実現しています。
さらに、シイタケの自動収穫や桃の成熟度判定など、農業分野への展開も進めています。
――こうした事業は、どのような経緯で始まったのでしょうか。
山本氏――私は商社を退職後、人材事業を創業しました。
しかし最初は営業しても半年以上契約が決まらず、事業が軌道に乗るまで約3年かかりました。
転機になったのは、技能実習生が食品工場で作業ミスを繰り返す現場での課題でした。
「人を責めるのではなく、技術で防げないか」と考え、画像解析を開発したことが現在の事業の原点です。
そこから顔認証、AIカメラ、AIエージェント、ロボットへと発展し、「人材を紹介して終わりではなく、自動化まで支援する」という現在の事業につながっています。

人材不足を解決するテクノロジーの進化をけん引する
――今後、どのように事業を拡大していくご予定なのでしょうか。
山本氏――技術開発は自社で進めますが、営業や導入は各業界に強いパートナー企業と協力しながら広げていきたいと考えています。
その業界を熟知した企業と組むことで、より多くのお客様へ価値を届けられるからです。
これまで支えてくださったお客様との信頼関係を大切にしながら、金融、製造、物流、農業、介護、教育など幅広い分野で、人手不足という共通課題を解決していきたいと考えています。
画像解析、音声AI、ロボット、人材事業を一社で組み合わせて提案できることが私たちの強みです。
今後も現場の課題を起点に技術を磨き、AIとロボットによる新しい働き方を社会へ広げていきます。














