小栗上野介忠順とは?「逆賊の幕臣」大河ドラマ主役に!経営者が学ぶべき株式会社設立の先見性とキャスト予想
- 2025/3/7

2027年大河ドラマ「逆賊の幕臣」の主役に小栗上野介忠順が決定し、歴史ファンの間で騒然となっています。「幕末の逆賊」でありながら「近代日本の礎を築いた先駆者」とも評される複雑な人物像。日本初とも言われる株式会社設立に携わった人物としての側面、勝海舟や西郷隆盛と同時代を生き、新時代を切り開いた改革精神、そして地元群馬県高崎市との深い関わり――。今回の記事では、知られざる偉人の実像に迫りつつ、脚本家・安達奈緒子の手腕や主演松坂桃李の他のキャスティング予想、さらには地域活性化効果まで多角的に分析します。
小栗上野介忠順とは何者か?「逆賊」なのか「近代化の父」なのか
幕末動乱期の異色の幕臣
小栗忠順が歴史の表舞台で有名になったのは安政7年(1860年)、日米修好通商条約批准書交換のため米艦ポーハタン号で渡米した際です。圧倒的な若さで外国奉行にも抜擢され、咸臨丸に同乗した勝海舟とは対照的に、自ら米艦ポーハタン号で太平洋を横断する行動力を見せつけました。井伊直弼が桜田門外で暗殺される直前の緊迫した情勢下で、堂々と相手国と交渉にいどみ、国際法を遵守する姿勢を貫いたエピソードは、彼の合理主義的な性格を物語っています。
株式会社創設と近代経営思想
1860年の渡米経験が小栗に与えた衝撃は計り知れません。アメリカで株式会社制度に触れ、帰国後は「兵庫商社」を設立。これは日本初の西洋式株式会社とも言われ、大きなお金を調達するにあたっての株式発行による資本調達や総合商社的な考え方を持つなど、当時としては画期的な試みでした。横須賀製鉄所(横須賀造船所)の建設にも尽力し、フランス人技師レオンス・ヴェルニーとの協働で技術移転を推進。現代経営者が学ぶべきグローバル視点と実践力の重要性を、150年前に体現していたのです。
徳川慶喜と決裂した最後の覚悟
戊辰戦争時、小栗が主張した「箱根での決戦」案は、恭順派の勝海舟らの前に退けられます。慶応4年(1868年)、上野戦争の直前に罷免され、小栗忠順は領地の群馬郡権田村(現・高崎市倉渕町)に隠遁。薩長軍の追討令に対して武装解除に応じ、新政府軍に捕らえられた際、何の取り調べもなかったにも関わらず潔く処刑を受け入れた最期は、西郷隆盛からはどのように思われたのでしょうか。これらの小栗のエピソードから、小栗は「逆賊」なのか「悲劇の改革者」なのか、その評価転換は、近代史研究の重要なテーマとなっています。
地元・高崎市に残る歴史的遺産
小栗ゆかりの地である群馬県高崎市では、「小栗上野介終焉の地」石碑が倉渕町に建立されています。近隣の東善寺には小栗家の墓所が現存し、地元住民による供養も行われています。
大河ドラマといえば、ゆかりの地に大河ドラマ館が建設されることが多いですが、「逆賊の幕臣」の大河ドラマ館の建設候補地としては、高崎市役所にもほど近い高崎中央銀座商店街や、高崎市内の既存の文化ホール等の公共施設が有力視されています。観光ルートとして「小栗街道」整備計画も浮上中とのことです。
現代経営者が学ぶべき小栗忠順や幕末の偉人のマネジメント哲学
グローバルスタンダードの導入
小栗の経営思想の核心は「和魂洋才」を超えた「実学重視」にありました。渡米中に学んだ株式会社制度を単に模倣するのではなく、多角的な近代化を推進。特に注目すべきは、その後明治政府に受け継がれた横須賀製鉄所で実施された西洋式の時間管理(曜日制度)や労働管理の導入です。もちろんこれらは明治政府後の話ではありますが、労働者に月給で給与を支払うなど、現代の人事評価制度にも通じる先進性に繋がっています。
リスクマネジメントの先駆け
小栗のライバルとも言われる勝海舟が作成した「海防意見書」は、まさに現代のSWOT分析の原型と言えます。列強諸国の軍事力を詳細に分析し、日本が取るべき防衛戦略を具体的に提言。アメリカの黒船来航などに触れながら、地政学リスクを考慮した長期ビジョンの好例です。危機管理能力の高さは、坂本龍馬がが勝海舟にほれ込んだエピソードにも表れています。
異文化マネジメントの妙
小栗の横須賀製鉄所(横須賀造船所)における、フランス人技師レオンス・ヴェルニーとの協働は、異文化プロジェクトマネジメントの成功事例として研究に値します。技術指導だけでなく、横須賀にでフランス人技師が心地よく過ごせるように配慮するなど、外国人技術者の生活環境整備にも力を入れたと言います。これは現代の外資系企業が行う駐在員サポート制度の先駆けであり、人材定着率向上の重要性を早くから認識していた証左です。
大河ドラマ「逆賊の幕臣」の小栗上野介忠順以外のキャストを徹底予想
脚本家・安達奈緒子の挑戦
『おかえりモネ』などのドラマ作品で知られる安達奈緒子氏の脚本構成が注目されます。史実をベースにしつつ、現代的なテーマを織り込む手法が期待される中、特に株式会社設立のエピソードや、後世になって逆賊とされた小栗の正当性をどう描くか、その関わりに光が当たる可能性があります。小栗の妻・道子の役割をどう描くかも鍵となるでしょう。安達脚本ならではの「経済ドラマ」としての側面が、従来の幕末物と差別化されるかもしれません。
松坂桃李が主演だが、それ以外のキャストは
若手実力派・松坂桃李の起用もこの大河ドラマ「逆賊の幕臣」のポイントです。現在30代という年齢は、小栗が亡くなるまでの史実と一致し、これまで映画でも培った時代劇の経験が活かせる点がメリットです。しかし小栗の近影にもある、細身に見える体型という史実通りのキャスティングか、現代的な解釈を取るかが議論の的となるでしょう。ライバル役として、西郷隆盛や勝海舟、徳川慶喜などの登場が予想されますが、キャストとしては綾野剛、オダギリジョー、浦井健治、竹内涼真などの起用を予測してみますが、どうでしょうか。
新選組との意外な接点
史実では小栗とは接点の少ない新選組ですが、ドラマ演出上は近藤勇との対立シーンなども創作される可能性があります。特にアメリカに渡米したりフランス人から学んだ国際感覚を持つ小栗と、純粋に武士道的なものを貫く新選組の価値観衝突は、現代の組織論にも通じるテーマを提供するでしょう。戊辰戦争において土方歳三との因縁を描くことで、若年層の視聴者獲得を狙う演出が予想されます。
ロケ地候補と経済効果
群馬県高崎市を中心に、横須賀造船所(神奈川県)、韮山反射炉(静岡県)などが主要ロケ地候補です。特に高崎市では、大河ドラマ「逆賊の幕臣」をきっかけとして観光客数増を見込むことになると思われます。地元特産のこんにゃく料理とコラボした商品の開発も進行するでしょう。太河ドラマ効果による関連グッズの売上増も期待され、日本初の株式会社設立に尽力したという小栗を賞賛し、歴史に名を遺した経営者としての知恵を現代ビジネスに応用するセミナー開催の動きもあるかもしれません。
まとめ
小栗上野介忠順の生涯は、波乱万丈の連続でした。しかし彼が残した株式会社制度や技術革新の遺産は、現代日本企業のDNAに深く刻まれています。大河ドラマでは、単なる時代劇を超え「経営の教科書」としての側面が強調されることを期待しています。地元高崎市の活性化と併せ、令和時代にこそ必要な「真のリーダーシップ」を問う作品になるかもしれません。太河ドラマの放送をきっかけに、ビジネスパーソンや経営者が歴史から学ぶ新たな潮流が生まれるかもしれません。