誰でもわかるNFT~仕組みから将来性までを徹底解説(後編)
- 2022/6/7
- 事業投資
目次
失敗事例も…購入は自己責任
最近、私が実際購入していたNFTプロジェクトが閉じられるということがありました。
オークションで競り落として、手に入れたときはとても嬉しかったのですが、その後しばらくして、プロジェクト主催者から「全て返金対応します。もう一度プロジェクトを作り直します。」という連絡をもらいました。
これは極めて誠実なケースですが、連絡もなくプロジェクトが途中で止まってしまったり、最初だけ盛り上がって人を集めて自然消滅したりするケースもあります。
NFTの継続や信用度を見極め、購入は自己責任だと認識することが大切です。
NFTのビジネスに今からでも入れますか?
よくいただく質問です。
もちろん、今からでもNFTビジネスへの参入は可能です。
NFTは、そのものを唯一無二のものだと証明できると言われますが、実は穴だらけなんです。
ブロックチェーン上では唯一無二のものだとしても、本物かどうかわからないデジタルデータをNFTとして本物のように売ってしまうこともできるからです。
ですから、これからNFT市場に参入しようと考える人たちには、こういった抜け穴を塞ぎ、安心して取引できるようにするサービスを提供することなども考えられますね。
こんなにNFTにかかわっている私でも、先日偽物を買ってしまいましたから、ニーズは大きいと思います。
そして、私たちのようにメディアを作ったり、海外の情報を翻訳して伝えたりするビジネスもありますし、自社の既存ビジネスにNFTを絡めた展開も十分考えられます。
NFTが今、非常に注目されていますが、実際にアクションを起こしている人は少ない。
大きなビジネスになる可能性があるということは間違いないでしょう。
NFTは今後どうなっていくか?
私はこれからNFTが世に浸透していくと考えています。
その浸透度合いは、一般ユーザーに受け入れられるかどうかにかかっているでしょうね。
NFTが当たり前の世界になっていくには、黎明期の今、NFTにかかわってハードルを乗り超えてきたちょっと変わった人たちがこれまでにやってきたことを、一般の人にもわかるようにしなければいけないということです。
日本でのこれから
実は、日本のNFTプラットフォーム上でやりとりされているNFTの一部は、まだブロックチェーン化されていないんです。
現状は、オフチェーンと言って、極端な話、画像の売り買いをしているだけ。
本筋としてはNFTではないんですが、私はこれはNFTが広まるうえでは大変重要だと思っています。
なぜなら、オフチェーンである分、暗号通貨を使わずに銀行振り込みやクレジットカードを使って売買ができたりするからです。
そこで慣れていただいてから本当のNFTに興味を持ってもらう、というのは学習プロセスとしては非常にいいと思います。
日本の大企業も参入してきていますし、これから認知が広がり浸透してくるでしょう。
今後、ビジネスとしても、アートとしても、NFTが法律と結びついてブロックチェーン上で自分が所有するデジタルデータを証明できる世界がくればいいなと思います。
夜明け前のNFT市場はまだチャンス大
2021年のNFT市場全体の取引額は176億円(約2兆円)となり、2020年の8,200万ドル(約97億円)から200倍に増加しました。※
とはいえ、36万人のNFT保有者が270万個のNFTを保有している程度に留まっています。
この市場開拓の可能性とまだ36万人しか持っていないというところに、NFTの将来性を感じています。
まだ黎明期、夜明け前のNFT市場にたくさんのチャンスが存在しているのは間違いありません。
NFT業界のスピードの速さは、正直、私たちメディアでもキャッチアップしきれないくらいです。
だからこそ、皆さんが知りたい情報、取材してほしいところを共有していただき、それをまた皆さんにお返しする。
そういった一方通行ではない、相互に情報が廻っていくコミュニティ的なメディアを作っていきたいと考えています。
※NonFungible.comとデジタル市場分析企業L’Atelier BNP Paribas共同リリースレポートより
資料はすべて筆者提供のものです。
NFTの仕組みがわかる前編はこちらからご覧ください。