Web3とは何か?暗号資産ほか、ブロックチェーンへの投資を考える(前編)

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ブロックチェーン技術を基盤とする分散型ネットワークWeb3。ブロックチェーンは、データの分散管理を実現する技術で、暗号資産取引のインフラとして機能しています。
暗号資産や海外不動産などへの投資、経営戦略に関するアドバイスを行っている中島宏明氏が、Web3についてより詳しく、よりわかりやすく解説してくださいます。私たちの暮らしに手放せないインターネットの未来を考えるうえで、Web3の仕組みやここに至る変遷を整理してみましょう。

Web3への軌跡

一方向性の時代「Web1」

1990年代、ウィンドウズ95が登場。
コンピューターが個人ユースの身近なツールとなり、インターネットが世界一般に普及した時代を「Web1」と捉えます。

この時点での情報のやりとりは、一方通行。受け手となるユーザーは閲覧することしかできず「静的」なものでした。

中央集権型ネットワーク「Web2」

2000年代に入り、SNSが登場。情報のやりとりは「動的」になりました。
一般ユーザーや小規模事業主も情報発信が行えるようになり、と同時に、その情報を収めるプラットフォームを構築・管理して稼ぐというビジネスモデルが出現しました。
この時代を、「Web2」と捉えています。

分散的なネットワークとして始まったインターネットでしたが、GAFAが構築した巨大プラットフォーマーにさまざまな情報が支配されるようになり、Web2の問題も浮き彫りになっています。GAFAは、今や国家権力にも匹敵する社会的な影響力を有するものになりました。

誰にでも公正・公平な「Web3」の到来

「Web3」の始まりをビットコインと定義するなら、2009年からですが、実際にWeb3という言葉が頻繁に使われだしたのは、2020年です。
Web3とは、ユーザーとプラットフォーマーである企業の垣根がなくなり、ユーザー自身がコンテンツを作成し、その管理をしつつ利益も得るという、全く新しいフェーズの時代です。

今後どのように発展していくかはまだ分かりませんが、Web1やWeb2とは違う、フラットでフェアな時代の始まりという期待感が市場にはあります。

新たな市場を生み出すWeb3

Web2の問題点は、GAFAMがビックデータを独占したことで、個人情報がそのプラットフォームに集約され、彼らが巨大な力を有したことにありました。
これらの問題に疑問を呈し、その流れを変えなければという危機感のなかで登場したのがWeb3です。

トークンエコノミーの出現

Web3では、あらゆるものがトークン(代替貨幣)化され、トークンエコノミー(代替貨幣で構築される経済圏)が形成されるという特徴があります。
例えば、コンテンツ毎に独自トークンが発行されるなど、インターネット上にある様々なものがトークン化され、その管理は各コミュニティに委ねられるため、結果、トークン市場と株式市場が共存するようになります。

トークンファイナンスの登場

今まで私たちは、例えばゲームが好きであれば、ゲームを購入しプレイをする、さらに好きが高じれば、ゲーム会社の株式を購入して応援するという方法ぐらいでしか投資することができませんでした。
しかし、トークンファイナンス(トークンによる資金調達方法)の概念が生まれたことにより、そのゲーム内で使えるトークンを発行し、ゲーム株のようにトークンを購入して応援することが可能になりました。

つまり、ゲーム会社、またはコンテンツ会社は、ゲームまたはコンテンツを産み続ける組織として、これまで通り株主によって管理(ガバナンス)されていますが、同時に、個別のゲームやコンテンツに投資が行える、トークンファイナンスの登場により、トークン毎に暗号資産取引所に上場することが出来るようになったのです。
日本ではトークンで資金調達することが金融法に触れるためできませんが、Webトークン資本家は既に登場しており、彼らはシンガポールなどに拠点を移して活動しています。

多様な決済手段の創生

Web3時代には色々な決済手段が登場し、今後さらに増えていくだろうと言われています。
その1つが、国境なく使える世界共通の資産である、暗号資産です。
日本では、仮想通貨という名称で知られていますが、最近は「クリプト」と呼ばれることが増えてきました。

ビットコイン企業と言うと、何か怪しいイメージを持たれてしまうので、ブロックチェーン企業と言い変えていましたが、最近はWeb3という言葉が登場したことで、Web3企業とし、ビットコインはクリプトと呼び名を変え、業界全体がイメチェンしている段階です。
Web3は、仮想通貨、暗号資産、クリプト、ブロックチェーン、NFT、メタバースなどが包括された総称です。
敢えて日本語に訳すと、分散型インターネットになるでしょう。

▶Web3の登場によって新たな市場が創生されています。ブロックチェーンによって決済方法が多様化する現状を、次のページでお伝えします。

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中島 宏明

投稿者プロフィール
1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立。一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から暗号資産投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の企業で経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

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