Web3とは何か?暗号資産ほか、ブロックチェーンへの投資を考える(前編)
- 2022/6/14
- 事業投資
目次
インターネット上のネイティブカレンシー
Web3の創始者
サトシ・ナカモトという正体不明の人物が2008年10月31日に『Bitcoin : A Peer-to-Peer Electronic Cash System』という論文をネット上に公開したことが、Web3のスタートだと言われています。
この論文は、9ページしかないレポートのようなもので、暗号技術者が見る掲示板のようなところで発表されました。
お金のインターネット化の仕組みについて、概念と共に技術的なことが書かれていました。
ご存知の通り、文書や写真、動画はインターネットで簡単に送れます。
しかし、お金だけは送ることが非常に難しく、海外送金という面倒臭い手順を踏まないと送金できません。
この論文は、2004年に発表された「価値のインターネット化」というライアン・フガーの論文とも共通しており、お金という価値の象徴を、もっと広い概念のものとして、インターネット化していくことの必要性が書かれていました。
それにより、サトシ・ナカモトの論文発表の翌年の2009年1月に、ビットコインが誕生しました。
それ以降10年以上、止まることなく、ビットコインは動き続けています。
色々な問題は指摘されていますが、止まらず動き続けているという事実は、凄いことなのです。
ビットコインは発行枚数が2100万と決まっているため、人気が出れば出るほど価値は上昇していきます。
大体4年に1回半減期がきていますが、半減期の度に、その後の価値は上昇しています。
現在は、コロナショックもあり、ビットコインはデジタルゴールドのような地位を確立しつつあり、そのため価値が上昇し続けています。
しかし、発行当初から購入している先駆者のような人たちは、「デジタルゴールド」より「インターネット上のネイティブカレンシー」という、もっと先を見据えた捉え方をしています。
仮想空間で価値を持つ通貨の多様化
DX推進により、社会は「リアルファースト」から「バーチャルファースト」に移行しています。
最終的な意思決定はリアルでも、それに至る作業の仕事場は、オンラインやメタバースに移行されており、この流れは止められないでしょう。
そうなると、その空間で用いられる「国境のない通貨」が必要になり、そこで用いられるものが、インターネット上のネイティブカレンシー(貨幣として定義されるもの)です。
そのため、ビットコインだけというわけにはいかないので、決済手段が多様化していくことは必須でしょう。
例えば、将来的には、気にならない程度の少額の決済はAIがするようになるのではないかと言われています。
キャッシュレスといいますが、支払いという感覚そのものをレス(ペイメントレス)していくという感覚です。
ビットコインであれば、1円未満の決済も可能なので、法定通貨より利便性が高いため、そのような時代になれば、ビットコインの価値は益々上昇していくでしょう。
それでは、ビットコインを改良し続けられれば、その価値は上昇し続けてよいのではないか…と考えがちです。
しかし、エンジニアの世界は、常に新しいものを開発していくことにしのぎを削り、技術革新をしているため、暗号資産の技術も日進月歩であり、今後も様々な通貨が登場し、淘汰の時代になるだろうと言われています。
ブロックチェーンの活用にもトレンドがあります。
2020年のトレンドはDeFi(分散型金融)、
2021年のトレンドがNFT(芸術などで利用)、
2022年は、DAO(分散型組織)など、金融・非金融の領域でのブロックチェーンの活用と、分散型の概念の浸透が加速しています。
今までブロックチェーンは金融領域での活用がメインでしたが、最近では、ゲーム×ファイナンスや、Move to EarnやSleep to Earnのように、「動いて稼ぐ」、「寝て稼ぐ」というような商品まで登場するなど、金融商品以外での活用が増えてきています。
この続きは後編でお届けします。暗号資産(クリプト)の現状と今後の展開について、中島さんが解説してくださいます。お楽しみに
出典:暗号資産、NFT、メタバース、ブロックチェーンへの投資意義 (前半)
この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。