共感が採用を動かす時代へ~“密着型動画”がビジネスの可能性を切り拓く
- 2026/4/12
- インタビュー

柔道で屈指の経歴を積んだ後、競技の枠を越えて起業の道へ進んだ秋本凌吾氏。2024年に株式会社One Repを設立し、現在は社長密着型のドキュメンタリー動画を軸に、採用・集客支援事業を展開しています。YouTubeやSNSを活用し、“人の魅力”を可視化することで企業価値を高める独自手法は、多くの中小企業で成果を創出。競技人生で培った視点と若手ならではの感性を武器に、新たな採用の在り方を切り拓く秋本氏の歩みと戦略に迫ります。
目次
柔道一筋のキャリアから起業へ――転機となったコロナ禍と気づき
Z-EN――秋本さんは、代表を務められる株式会社One Repを2024年に設立されていますが、大学までは柔道一筋で、日本のトップクラスの実力をお持ちだったとのこと。そこから、起業に至るまでの経緯をお聞かせください。
秋本凌吾氏(以下、秋本氏)――7歳から大学4年生まで柔道一筋で取り組み、東海大学では部員数約160人という厳しい競争環境の中で実力を磨きました。
高校で全国大会5位、大学では1年時に全国大会3位、4年時には団体戦でレギュラーとして日本一を経験しています。

大学柔道部での日本一。前列左から4番目が秋本さん。
一方で、同級生に後のパリオリンピック銀メダリストがいたことで世界レベルとの差を痛感し、柔道一本での将来に限界を感じるようになりました。
さらにコロナ禍で競技ができない期間を経験し、「柔道以外で稼ぐ力」の必要性を強く意識しました。
その後、複数の事業に挑戦する中でYouTubeが軌道に乗り、登録者3万人規模のチャンネルに成長。
この経験を活かし、プロテインブランド企業に就職した後、独立・起業に至りました。

新卒時のプレゼンで優勝
「人」にフォーカスする動画戦略
――そこまで極めた分野がある中で、別の道に視野を広げ起業する行動力はすごいですね。代表を務めるOne Repのサービスについて、他社との違いも含めて教えていただけますか。
秋本氏――具体的には、社長密着型のドキュメンタリー動画制作、YouTube・SNSの運用代行、自社メディア出演による採用・集客支援の3つを軸に提供しています。
YouTube動画における最大の強みは、ドキュメンタリー形式に特化している点です。
社長やトップセールスに1日密着し、その生き様や意思決定、挑戦の過程をリアルに伝えることで、企業の魅力を可視化しています。
単なる情報発信ではなく、「人」にフォーカスすることで共感を生み、採用や集客につなげられる点が差別化につながっていると思います。
この手法は創業以来3年間磨き続けてきたコア領域です。

創業時の秋本さん
急成長企業の採用課題を解決
――ターゲットとなる企業は絞り込んでいらっしゃいますか?また、どんな成果をもたらす支援となっているのでしょうか。
秋本氏――採用に課題を抱える急成長中の中小企業に対し、ドキュメンタリー動画で“人の魅力”を可視化することで、採用と売上の両方を伸ばす支援をしています。
特に、認知が不足している企業のリアルな姿を動画を通じて伝えることで、成長意欲の高い若手人材とのマッチングが実現できているんです。
僕自身も25歳で、若年求職者が知りたい情報を的確に捉えることができるので、「人生ぶち上げch」などの自社メディアを活用して効果的な接点を創出しています。
――これまで支援された事例のなかで、大きな成果に結びついたものをお聞かせください。
秋本氏――オーダースーツ事業を展開する企業では、1本の動画から約70着の販売につながりました。
また、1万回再生で4名を採用したという成果も出ています。
さらに別の企業では、チャンネル開設2週間で1.5万回を再生し、採用問い合わせ30件、応募8件、内定2名という結果を記録しました。
人のリアルを伝えることで共感を生み採用と売上につなげることが弊社の事業の核であり、すべての施策はこの考え方に基づいています。

売上が上がり始めた頃のOne Repのメンバー
再生数より“刺さり方” 成果を生む動画制作の設計
――素晴らしい成果を出されて、企業側も効果を実感できますね。動画制作のポイントや御社独自の構成などがあるのでしょうか。
秋本氏――重要なのは再生数ではなく、ターゲットへの訴求精度です。
そのために、撮影前に約1時間半の対面ヒアリングを行い、企業理解を徹底し深めたうえで構成を設計しています。
これまで300人以上の社長に密着してきたデータをもとに、刺さる要素を抽出することがポイントです。
どんなシーンを入れると伸びるのか、どのタイミングでどんな話をすると視聴者に刺さるかなど、着地を想定しそこから逆算して質問設計を行います。
必ず聞くのは挫折や失敗などの体験談ですね。
経営者のネガティブな体験などは共感を生みやすく採用にも効果的であるため、必ずヒアリングし活用するようにしています。
自社メディアの影響力と可能性
――なるほど。具体的な実績についても教えていただけますか。
秋本氏――自社メディア「人生ぶち上げch」では、今後の出演予定も入れると100社以上、運用代行を含めると数百社規模の支援実績があります。
また別チャンネルでは、初回動画から採用成果が出るなど、メディアとしての影響力も拡大しています。
他にも、社員ゼロの企業が初採用に成功した事例や、大手企業出身の人材をあえて見送りカルチャーフィットを重視した採用など、「共感」を軸とした意思決定につながるケースも見られます。
――人と人とのつながりが大きな価値として育まれていくのですね。秋本さんが最も自信を持って提供できる支援とは何でしょうか。
秋本氏――最も強みとしているのは、自社メディアへの出演による支援です。
運用代行と異なり、1本の動画で反応を検証できるため、初期導入としても有効です。
また、女性ビジネスマンの思考と感情のリアルを密着取材で描いた「人生バリキャリch」や若手採用に特化したチャンネルなど、目的別にメディアを展開しています。
さらに、建設業特化の新メディアも企画しており、業界特化型の支援を強化しています。

2026年現在のOne Repのメンバー
年商12億円へ 人材紹介事業と今後の展望
――新しいチャンネルも楽しみです。秋本さんご自身が最も大切にしている考え方や価値観についても教えていただけますか。
秋本氏――「一日一生」を座右の銘とし、常に全力で生きる姿勢を大切にしています。
また、長期的な成長を目指していますので、「素直・謙虚・誠実」を重要な価値観と考えており、個人としても、企業としても、重視して取り組んでいます。
――今後の目標、将来の展望について教えてください。
秋本氏――今期は年商12億円を目標とし、新たに人材紹介事業を立ち上げています。
まずは、体育会系人材に特化したマッチングを強化していく方針です。
採用に悩む中小企業に対して、SNSで集客した人材を自社メディア出演やドキュメンタリー動画を通じてマッチングし、入社後の定着支援まで一貫して伴走することで、採用と売上の両方に貢献していきます。
――密着型動画が観る人に与えるインパクトは計り知れないものがあると、秋本さんのお話から強く伝わります。今後も、「人」を可視化するチャンネルを拡大していただきたいです。ありがとうございました。














