ビジネスもレジャーも世界が注目する投資先“アフリカ”に迫る!(前編)
- 2022/9/6
- 事業投資
目次
豊富な資源を活用したIT先進国
アフリカのもうひとつの魅力が資源です。
アフリカは石油や天然ガスを初めとした天然資源の宝庫です。
鉱物資源も豊富で、エメラルドやダイヤモンドといった貴重な鉱物やレアメタルも豊富です。
このような著しい経済発展途上にあるため、アフリカでの富豪が急増しています。
フォーブスの「2019年度アフリカ億万長者ランキング」で1位に輝いた、ナイジェリアの大富豪のアリコ・ダンゴテ氏は、「セメント王」としてアフリカでは知らない人がいない程の有名人です。
コングロマリット企業経営で、資産は1兆円を超えていると言われています。
また、都市部では、IT化が進んでいます。
例えば、Uberも2016年くらいから導入されていて、私も滞在中は随分と活用しました。
導入は、日本よりも遥かに早かった印象があります。
電子マネーも2016年の時点で日常化していました。
日本だと、PayPayが最近やっと活用され始めたという印象です。
アフリカでの成功モデルを日本が輸入
アフリカのIT技術導入は後進だったことから、最新技術によりインフラが整えられています。
このため、古い技術を最新の技術に上書きしている日本よりも進んでいます。
アマゾンのような物流サービスを行う「JUMIA」というアフリカ54か国中11か国にサービス展開するECプラットフォームもあります。
米国の救命ベンチャーであるジップライン社は、アフリカで事業展開し成果を挙げていますが、そのサービスが日本に輸出されるケースも出てきています。
ジップライン社は、交通網が未発達なエリアにドローンで血液を病院に運ぶシステムをルワンダに構築しており、日本では豊田通商が業務提携し、長崎の五島列島で試験的に導入し始めました。
アフリカ出身の世界的な有名人といえば、イーロン・マスク氏でしょう。
彼は、幼少期を南アフリカで過ごしており、アパルトヘイトを目の当たりにして人種隔離と差別を身近で体験。
その後アメリカに渡り、現在の地位と富を得るに至っています。
故郷にこれからどのように関与してくか、注目です。
暗号資産の浸透
アフリカには自国の通貨に信頼がない国が多いため、ビットコインを始めとする暗号資産を導入している国が増えています。
ジンバブエでは、世界で1番ビットコインが高く取引されたこともあります。
中央アフリカは、世界で2カ国目となるビットコインを法定通貨として導入することが決議されました。
また、豊富な鉱物資源をトークン化※2することも、政府が発表しています。
この分野も、先進諸国のような決まりごとがない国が多いため、アフリカの動きは大いに注目です。
そして何よりも、土地が広いのがアフリカの大きな魅力です。
ザンビアには、東京ドーム1,700個は入る広さの農場があり、様々な家畜を育てています。
日本側の規制はあるかと思いますが、アフリカ産の食肉が輸入される日も近いでしょう。
勿論、リスクも沢山あります。
私自身が以前乗ったことがある飛行機が墜落したり、よく作業をしていたカフェの近くでテロが起きたりするなど、危険と隣り合わせではありますが、今の時代、それはアフリカに限った話ではありません。
アフリカだからフォーカスされる部分が多いだけで、世界中どこに行っても安全な国はないでしょう。
※2 物理的あるいは仮想的な資産を、売買可能なデジタル単位に変換すること
アフリカの多様性について、実体験を交えて田渕さんが語ってくださいました。後編では、世界的な投資先となっているアフリカの現状と将来性についてお届けします。
出典:THUNDERBIRD「アフリカビジネスについて」
この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。