事業投資とは?③フランチャイズ投資の要諦
- 2022/5/10
- 事業投資
事業投資オンラインZ-ENがお届けする、事業投資への理解を深めるシリーズの第3弾。
今回は、事業投資モデルの1つであるフランチャイズを取り上げます。
フランチャイズといえば加盟者自身が体を入れて行う事業を想像する方が多いと思いますが、事業投資の観点から掘り下げると可能性が広がります。
目次
フランチャイズという事業投資モデル
フランチャイズ(FC)は、本部(フランチャイザー)のビジネスを、加盟店(フランチャイジー)が加盟金やロイヤリティを支払って行い、利益を得る仕組みのことです。
双方にとってメリットがあるはずですが、残念ながら不幸な事例が多発しているのも事実です。
起業するのであればビジネスモデル構築の過程で、時間もリソースも必要ですが、フランチャイズは加盟店が加盟金などのいわゆる「参加料」を支払うことで、本部が試行錯誤して築いたビジネスモデルのノウハウ、看板、販売権などを活用できるため、事業をゼロから立ち上げるより失敗確率が低いのは当然です。
フランチャイズは本来、もっと肯定的に捉えられても良い事業投資モデルなのです。
筆者(つながりバンク代表:齋藤由紀夫)は、「フランチャイズ加盟者の為のビジネス研究会」(代表:古川暁氏)という加盟者視点のクローズドコミニュティの運営に携わっており、様々な現場の声を聴いております。
詳しくはこちら→フランチャイズ加盟者の為のビジネス研究会
筆者は、これまで自己(事故)投資として、「介護」「パソコン教室」「幼児教室」のFCに「事業譲渡」(M&A)で参入した経験があり、独特の商慣習、投資スタイルも肌で感じています。
また、長年に渡り本部経営者とのお付き合いも多く、本部側の言い分もそれなりに理解しているつもりです。
結論から言えば、加盟する前に、適切な情報を集め、適切な本部に加盟し、適切な経営努力をすれば、それに見合った適切なリターンを得ることができるということです。
フランチャイズは、何故怪しいと思われているのか
コロナ禍で減少したとはいえ、国内の本部数は1,300を超え、直営店、加盟店をあわせた店舗数は25万店を超えています。(日本フランチャイズチェーン協会調査)
また、小規模の本部などは、この数に含まれておらず、実数はさらに多いと言えます。
本部の対応に満足していて、儲かっているフランチャイズオーナーは、その事実をあまり発信しません。
世間でもあまり興味を持たれない傾向にあるので、記事やニュースとして拡散しにくく知られていないのです。
一方、本部と加盟店のトラブル、不満や誹謗中傷は放っておいても拡散されやすく、氷山の一角であっても目立ちやすい傾向にあります。
とはいえ、これだけ数が多いと、本部の中にも誠実でない先が出てしまうのは、資本主義の自然の摂理であることは否めません。
これまでに加盟者の方々から受けた多くの相談内容を踏まえ、本部選びのポイントをビジネス法則を交えながらご説明します。
加盟検討時に押さえておきたい本部選び3つのポイント
其の①「先義後利」を意識している本部か?
「先義後利」とは、儒教家の荀子が唱えた「まず正しい道を先にして、利益を後にする者は栄える」という意味です。
経営哲学として多くの経営者に支持されてきました。
信頼関係をつくる前に「加盟金獲得」という営業攻勢が優先して見えるような本部は、先義後利に反する組織と考えた方がよいでしょう。
ロイヤリティも、売上連動を少額にする一方、月々の固定利用料を高額に設定するなど、本部の利益優先が見えてしまう時は注意が必要です。
其の②「貧すれば鈍す」になっていないか?
設立当初は理念がありビジョンが定められていたものの、加盟店が増え成長が鈍化すると、経営スタンスが徐々に変わる本部があるのは否定できません。
次々に店舗を増やし、一見大成功と思われた本部も、インセンティブ制度の加盟店営業が強い社員が多いだけで、多くの加盟店は採算が取れず苦しんでいるというのはよくある話です。
其の③「与太を飛ばす」本部ではないか?
加盟店説明会の目的は当然ながら「加盟させること」です。
話を盛り上げて、ときにはぎりぎりの嘘に近い説明が混じることもあります。
加盟店募集に関する多くのケースで、最初の嘘は、初期投資・売上・利益などの「標準モデル」あたりで出てきます。
既存店舗の大半が赤字でも、何食わぬ顔で僅かなトップクラスの店舗収支をごく平均かのように説明し、加盟検討者を錯覚させるケースもありました。
他にもいろいろとチェックポイントありますが、これだけ多くの把握できている本部が1,300以上もあれば当然です。
信用度が高い(と思われている)公務員や、イメージの良い大企業の社員でも犯罪に手を染めるような方々が存在するのと同じことです。
▶フランチャイズとはどのようなものか、おわかりいただけましたか?次のページでは、既存の事業モデルであるFCを投資やM&Aにお勧めする理由についてさらに掘り下げます!