企業再生に挑む逃げない経営~暗号資産で新しい未来を(後編)
- 2022/3/30
- インタビュー
NFT事業へ参入し、「あしたを、もっと、あたらしく。」をコンセプトに価値創出への取組みを行う株式会社ビットポイントジャパン代表取締役会長の小田玄紀氏へのインタビュー。前編では、株式会社リミックスポイント代表取締役社長CEOでもある小田氏が暗号資産に携わるようになった経緯と取り組まれている課題について伺いました。後編では、暗号資産に関する世界的な動きと日本が担う未来像について語って頂きます。インドネシアのバリ島でデベロッパー事業を、日本では経営戦略・戦術に関するアドバイザーも行っている中島宏明氏によるインタビューです。
暗号資産での寄付の動き
中島宏明氏(以下、中島氏)――暗号資産に対するイメージは、2016年頃のブーム時とは確実に変わってきたと感じています。2020年頃からは銀行や銀行系証券会社、証券会社出身のプライベートバンカーやIFA(独立系資産アドバイザー)などから暗号資産について教えてほしいと言われることが増えてきました。
小田玄紀氏(以下、小田氏)――そうですね。確実に変わってきたと私も感じています。
日本では暗号資産に対する悪いイメージが浸透してしまいましたが、最近は前編でお伝えしたように海外でのイメージも良くなり、日本もやがてイメージが変わってくると思います。
例えば、
▶「ミスビットコイン」としても知られる藤本真衣さんが、海底火山の噴火で被害に遭ったトンガに対して、
▶暗号資産のデリバティブ取引所FTXの設立者であるサム・バンクマン=フリード氏が、AIの研究機関や核兵器・生物兵器の脅威を減らそうとする団体に対して、
▶イーサリアムの開発者であるヴィタリック・ブテリン氏が、組織工学・再生医療を支援する財団やコロナ禍で医療崩壊を起こしたインドの救済組織に対して、
暗号資産で寄付するなどの動きがあります。
そんなポジティブな使い方がされているという事実を、より多くの人に知ってほしいと思っています。
暗号資産コミュニティの醸成
中島氏――そうですよね。私もそういった事実を連載で伝えていきたいです。もともと、ビットコインはピュアな存在だったと思うのです。きっかけをつくったのは、ビットコインの生みの親と言われているサトシ・ナカモトですが、世界中の暗号技術者たちが手弁当で改良してできたわけですから。
小田氏――そう思います。ピュアなコミュニティですよね。
マネーバリューよりもコミュニティバリューを意識し、「どう使われるか」「どうすれば社会を良くできるか」がコミュニティで議論されていたと思います。
特定の産業を伸ばすためには、これまでは国や政府が誘致や補助金を出すしかなかったのですが、暗号資産はその仕組みや概念が分散型なので、中央の管理を必要とせず、自律分散的に勝手に育つマーケットです。
これって、すごいことだと感じるのです。
また、以前はギラギラした競争激化の部分もあったのですが、ここ数年で暗号資産交換業者同士の交流が増え、良い意味でまとまりつつあります。
2016年前後のブームは、日本市場が大きく盛り上がったのですが、2020年以降のブームはアメリカ市場による盛り上がりです。
私たちは日本の暗号資産交換業者としてマーケットをつくり上げていかなければなりません。
そのためには、前編でお話した「セキュリティ(ハッキング対策)」「マネー・ローンダリング対策」「審査」の3つの課題の解消が第一です。
この取り組みは、暗号資産のユースケースを増やし普及させるために必要不可欠なことだと思っています。
▶次のページは、ビットポイントが描く暗号資産の未来予想図と、暗号資産の価値の高め方について伝授してくださいます。