企業再生に挑む逃げない経営~暗号資産で新しい未来を(後編)

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未来への挑戦『あしたを、もっと、あたらしく。』

中島氏――ビットポイントのビジョンには『あしたを、もっと、あたらしく。』とありますが、可能性を感じる言葉で、鼓舞される感じがして良いですよね。

小田氏――とても気に入っている言葉です。

先ほど、2020年以降のブームはアメリカ市場による盛り上がりとお話しましたが、私たちは日本市場をもっと盛り上げて、マーケットをつくっていきたいと考えています。
ビットコイン等の価格が上昇していると業界全体が大きく利益を上げているように感じるかもしれませんが、取引所の収益化はとても大変なことです。
が、だからといって、経営者がマーケットのせいにするのはダメだと思います。

よりチャレンジブルな姿勢で、日本初の通貨(銘柄)を取り扱うようにしています。
時価総額ランキングをベースに通貨(銘柄)を選ぶのが普通で上場もスムーズなのですが、他社と同じものばかりを取り扱っても、ビットポイントの存在価値を示せないと思います。
デザインだけでなく、表からは見えない裏側のシステムも改善し、海外でもまだメジャーでない通貨(銘柄)も扱えるようになりました。

また、大変な目に遭うと人は「ルールを破っても良い」とダークな方に走ってしまいがちですが、過去のハッキングの件もあり、「とにかく、なにがあってもルールを破らない」と決意しました。
ハッキングされた翌日には利用者暗号資産の同種・全量の早期確保を決め、管理態勢も徹底しました。
トロン(TRX)やエイダ(ADA)、ジャスミー(JMY)、ディープコイン(DEP)などを上場させることができたのも、管理態勢への評価があったからだと思います。

ビットポイント公式サイトより

また、「ビッグボス」の愛称で親しまれる新庄剛志さんをブランドアンバサダーに迎え、まだ暗号資産を知らない人にもその可能性や未来を感じてもらいたいと考えています。

資産や調達資金としての活用

中島氏――まだまだ暗号資産の保有者は、株や不動産などの投資経験のない若い世代が多いですから、幅広い世代に知ってもらいたいですね。最近は、法人でビットコインを保有する会社が増えてきたと感じています。都内のベンチャー企業の経営者が個人で保有しているというケースは多かったのですが、地方で数代続く企業が法人で保有するケースも増えてきました。アセットクラスとして認知が広がれば、法人で保有して暗号資産を担保に事業資金の融資を受けたり、暗号資産を積極的に会社の資産運用に取り込んでいったりするケースも増えていくと思います。

小田氏――保有者の方のなかには、「資産は暗号資産が9割」という人も少なくありません。
投資はやはり分散が原則だと思いますので、株や不動産なども持つ方が良いと個人的には思います。
誰しも幸せになることが目的なわけですが、手段や通過点にすぎない投資や資産を増やすことのために不幸になってしまう資産家も多いのが現実で、それでは本末転倒です。
ポートフォリオを組み、ときどき資産組替を行いながら、他の資産運用で得た利益を暗号資産に投資するという選択肢もありますから。

中島氏――おっしゃるとおりだと思います。これからも、さまざまな暗号資産がアセットクラスとして地位を確立できるように私も地味に地道に普及活動をしていきたいと思います。
本日はありがとうございました。

インタビューは前編でもご覧いただけます。暗号資産に携わるさまざまな課題について小田氏の取り組みをご紹介しています。

出典:暗号資産の課題に真摯に向き合い、新しい明日をつくる(後編)
この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。

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小田玄紀
株式会社リミックスポイント 代表取締役社長CEO
株式会社ビットポイントジャパン 代表取締役会長

投稿者プロフィール
1980年生まれ、東京大学法学部卒業。大学在籍時に起業し、後に事業を売却した資金を元にマッキンゼー出身者らと共に投資活動を始める。「頑張る人が報われる」をコンセプトにして起業家や社会起業家の事業立ち上げ・経営支援を行う。株式、FX、債券などの投資にも精通し、暗号資産取引にも携わる。
2016年3月に上場会社子会社として初の暗号資産交換業を営む株式会社ビットポイント(現 株式会社ビットポイントジャパン)を立ち上げ、同社代表取締役に就任。
2018年、紺綬褒章を受章。2019年には、ダボス会議の名で広く知られる、経済や政治、学究、その他の社会におけるリーダーたちが連携することで世界、地域、産業の課題を形成し、世界情勢の改善に取り組むことを目的とした国際機関「世界経済フォーラム」より Global Leadersに選出される。
一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA) 副会長・理事、一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA) 副会長・理事

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