銀行融資をリスケジュールするのは誰のため?不調な融資に依存しない早期治療を

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コロナ禍の融資、ホントに返せる?

創業35年の食品会社の社長さんの話です。
とある保険屋さんが、この社長さんに危機感を覚えてワタシに紹介したんですが、
本人は「まだ資金がある」とそれを拒んだようで、
面談にはしぶしぶ来られた。

コロナ禍以前の借入残高が約3,300万円で、2年前からリスケジュールしていたようですが、
コロナ禍以降、特別融資や制度融資で新規の借入が1億1,000万円に(!)
「ホントに返せるの? 今まで返せなかったからこそリスケジュールしてたんじゃないの?」と訊いたら、
「今後はこれをチャンスに精一杯頑張る」と言う。

「今まで精一杯頑張って来たんじゃないの?これ以上、どう頑張るの?」
と訊いたら、黙ってしまいました。

コスト削減への近道は「金融機関を切る」こと

  • 「会社」というバケツ。
  • 「売上」と「融資」という蛇口から、「現金」という水が入る。
  • バケツに水が溜まり、あふれた水が「内部留保」。バケツの底には「借入返済」「利息」「経費」「税金」など、大小の穴が開いているから、なかなか水は溜まらない。
  • 銀行からの融資が止まれば、「蛇口の1つ」がなくなる。
  • でも、改めてバケツの底を眺めてみると・・・「1番大きな穴」は、借入金の元金と利息だった。
  • 小さな穴をふさぐ努力より大きな穴をふさぐ努力が大事。大きな穴の1つである人件費に手を出すと痛手が大きいから「痛手の少ない大きな穴」を探す。
  • それは、「カネを貸さない銀行」への返済や利息である。

有事の資金繰り改善では、必ず事前にコストが発生するから、売上を伸ばそうとしてはいけません。
客単価上げようにも、客数増やそうにも、成果より先に支出が発生する以上、有事においては資金の流出を促進してしまいます。
有事の資金繰り改善はコスト削減が有効ですが、銀行との融資関係が不調な時は、真っ先に非協力的な金融機関を切ってしまうのが一番有効です。
この「経費削減」が最もリスクが少なく、経済効果が大きいことを思い出してください。

資金繰りも「早期発見・早期治療」を

そもそも赤字体質だったのに、コロナ禍で猫も杓子も融資を受けてしまったがゆえに、傷口を広げてしまっているのですよ。
それならいっそ、融資受けて少しでも資金があるうちに不良債権化を実行した方が、後の人生が好転する要素が広がると思うんだけどな。
「早期発見、早期治療」
がん治療にも、企業の資金繰りにも言えることで、傷口の浅いウチに手を施すことが肝要なのです。

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たちばなはじめ
資金繰り改善の専門家

投稿者プロフィール
倒産・破産を回避する再生スキームで累計1,300人以上の法人・個人を救済。
累計相談件数5,000件以上、セミナー&講演実績1,200回以上。
地元でも有名な資産家の子息として幼少期を過ごし、30代で父親の事業と負債6億を引き継ぐ。
6億の債務を処理すべく、財務の専門家にアドバイスを受けながら解決方法を模索。
試行錯誤を繰り返した結果、法的手段を使うことなく、わずか2ヶ月で資金繰りを改善することに成功。
この経験を伝え広め、同じように資金繰りで悩む人たちの助けとなることが自身の使命だと確信し、債務者救済を行っている。

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