【座談会】DX化が企業の集団総合力向上に貢献する(後編)
- 2021/11/12
- インタビュー

「2代目お坊ちゃん社長の会」の座談会の模様から、各々代表が組織体制のデジタル化に向けて取組む様子をお伝えしてきました。
中編「DX化を社内に浸透させるのは経営者のITリテラシー」では、みなさんのDX化についての悩みを伺いましたが、最終回となる後編では、悩める中小企業に対して2代目お坊ちゃん社長の会がどのような支援をしていくのか、そしてみなさんがDXに期待することとは何かを伺いました。
DX化のスタートを切ろう
――2代目お坊ちゃん社長の会ではエイトレッドさんと協業して、今後はどのように展開されていくご予定ですか?
田澤さん――DX化は始めないことには何も進まないので、まずは紙の電子化からワークフローのスタートを切ることを推進しています。
DX化が大手企業を経て今後、中小企業が取り組むべき課題になることは間違いないので、基本装備を整えましょうということです。
今回の座談会でも4社4様あるように、ワークフローをきっかけに各社課題が出てきます。
経営者がその課題に気づいて、誰かに任せるのではなく自分事として取り組んでいく。
2代目お坊ちゃん社長の会の取組事例や成功事例が、多くの中小企業のDX化の参考になればいいなと思っています。
――まずは、紙の電子化からスタートですね!
田澤さん――そして、社内の意思決定からワークフローを入れていくのが効率のよい導入です。
来たるデジタル社会に向けて、標準装備と考え真正面から検討していくことがスタートになるんでしょうね。
DX化は社内コミュニケーションを円滑にする
――なるほど!高橋さんはDX化のパートナーとしてエイトレッドさんのシステムを入れてみて何が1番良かったですか?
高橋――運用はこれからですが、ワークフローで社員とのやり取りがデータとして蓄積されて行きます。
営業日報のデジタル化も行いますので、社員がお客様に対して行った行動履歴もデータ化されます。
それらの情報が一元化され、そのなかからPDCAを繰り返すところで経営の改革に繋げられるだろうと推測しています。
――営業日報をデータ化することで、個人個人の働き度合いが見える化できるということですか?
高橋さん――そうですね。
個人行動の把握もそうですが、紙のものを転記したりする作業も一切なくなります。
なおかつ、社外・社内のコミュニケーションがデジタル上でいつでもできて履歴も残るのがいいですね。
――芝田さんは、今後DX化でやりたいことや、期待することはありますか?
芝田さん――そうですね。
事務所内の書面は全部データ化されているので、今度は顧客とやり取りする契約書なども電子化されるようになるといいですね。
今も一部行ってはいますが、デジタルでのやり取りに抵抗がある方にはこれまでどおり紙で契約締結しています。そのような紙の契約書類も最終的には所内でデータ化することにはなるのですが、お客様とのやり取り段階で書類がすべてが電子化されると、楽になるだろうとは思っています。
高橋さんのお話を伺って、営業日報のデジタル化はすごくいいと思いました。
現状、スタッフ数も少なくデータや報告で業務の進行具合は把握できているので使用することはないと思いますが、今後の参考になります。
――田澤さんはエイトレッドさんとの協業発表プレスリリースのなかで、スタッフからの報告を吸い上げデジタル化することは、社内ナレッジの共有に繋がり、集団総合力を上げるとされていますが。
田澤さん――弊社は社員に週報を書いてもらっているのですが、成功したこと失敗したこと何でもいいので、一行は必ず書いてくださいと言っています。
それは、社員一人ひとりの状況を僕が知りたいからで、報告してくれたものに対して、激励や感謝、僕の思うことを必ず返答するようにしています。
それって文通みたいで、ちょっと恥ずかしいんですけど(笑)
でも、面と向かって話すのとも、LINE WORKSなどとも違う。
それを継続してコミュニケーションをとった場合ととらなかった場合を比べたら、前者のほうが離職率は各段に減ると思っています。
――素晴らしいですね。
田澤さん――社員には業務を任せていますから行動管理や把握というのはどうでもいいんです。
でも、社員がどんな気持ちで何をやっているのかっていうのは、やっぱり知りたいんですよ。
社員がそれを気楽に言えるフォーマットがあれば聞けるんじゃないかと思ってやっていますが、実際続けていると、良いこと書いてくれたりして、嬉しいですね。
――社員さんにとっても嬉しいですよ!DX化は社内コミュニケーションの円滑化にもつながってくるわけですね!
田澤さん――営業日報も使い方によっては、いろんなことができるいいツールだと思っています。
情報連携で管理のスリム化を図る
――荒木さんがこれからDX化に一番期待することは何ですか?
荒木さん――人もモノもデータも含め、すべての管理を楽にすることです。
デジタル化をこの10年取り組んだ結果、様々なデータがいろんなところに散らばっている状況になっています。
今度それを整理整頓・一元化して、管理を簡素化しつつみんなで情報を共有することを目指していきたいです。
――情報の整理整頓は面倒ですよね!
荒木さん――本当にそうですね。違うシステムで情報がまたがっていたりすると頭を抱える場面もありますよ!
――エイトレッドさんのサービスでは、 情報を一元管理するというカスタマイズの仕方もあるんですか。
エイトレッド松林さん――稟議のような複雑なフローに対応可能かつ汎用性が高いワークフローシステムなので、各種社内申請はエイトレッドのシステムで大体カバーできると思います。
また、システム連携ができるので、業務ごとに個々に分かれているシステムも、紐づいているものがあれば連携して検索できるなど、管理は楽になるはずです。
とにかく企業さんによって使っているシステムも千差万別ですので、そこに寄り添えるように策を提案していく必要があると常々思っています。
荒木さん――システム導入とともに、CDOを提供してくれたら嬉しいですね!
田澤さん――荒木さんは長年やってきて、それでもシステムがかみ合わないことがあるようですので、相当難関なんでしょうね。興味深いです。
情報を収集してDX化を推進させよう
――今後DXに取組む中小企業の経営者にアドバイスをお願いします!
高橋さん――経営者自身が世の中のトレンドやその仕組みなどの情報を取りに行くために、億劫がらずに外に出て人の話を聞きアンテナを広げることが大切だと思います。
そうすると、今何を選択すべきかが見えてくるでしょう。
そこで選択した取組みを、まずは少しずつ進めて行くことがDX化に繋がるのだと思いますね。
荒木さん――僕も情報を取りに行くのは大事だと思いますね。
考え方は年配の経験豊富な方から聞きますが、それをどうやって使うか?は若い方から聞くようにし、それを自分の中でミックスさせて、新しいツールで会社をよりよくする方法として取り入れています。
それも試してみたらいかがかなと思います。
芝田さん――食わず嫌いにならないことだと思いますね。
コロナ禍でオンライン化がかなり進みましたが、デジタル化やDX化は時代の流れです。
留まっていると取り残されてしまうので、自分が苦手であれば、ITに強い人間をそばに置き、こんなことをしたいというデジタル化への夢を語ってください。
DX化が実現できる部分は経営者が思う以上に多いものです。
田澤さん――目的と手段をハッキリさせることが大事ですね。
目的がDX化だと苦しい。
目的は何にするのか?事業の拡大なのか効率化なのか?目的を一つ定めてそれを実現するための手段としてDX化があるのだという認識を持つことだと思います。
データをデジタル化したことで喜んでいるのでは社員に負担がかかるだけ。
経営者は会社として何をやりたいのか、何をやるのかしっかり明確にすることが大事です。
皆さま、本日は貴重なお話を聞かせて頂きありがとうございました!
座談会の全容は、
前編「今更きけないDX経営〜レガシー企業文化からの脱却 2代目社長のDX~」
中編「DX化を社内に浸透させるのは経営者のITリテラシー」でご覧いただけます。