【座談会】DX化が企業の集団総合力向上に貢献する(後編)

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「2代目お坊ちゃん社長の会」の座談会の模様から、各々代表が組織体制のデジタル化に向けて取組む様子をお伝えしてきました。

中編「DX化を社内に浸透させるのは経営者のITリテラシー」では、みなさんのDX化についての悩みを伺いましたが、最終回となる後編では、悩める中小企業に対して2代目お坊ちゃん社長の会がどのような支援をしていくのか、そしてみなさんがDXに期待することとは何かを伺いました。

DX化のスタートを切ろう

――2代目お坊ちゃん社長の会ではエイトレッドさんと協業して、今後はどのように展開されていくご予定ですか?

田澤さん――DX化は始めないことには何も進まないので、まずは紙の電子化からワークフローのスタートを切ることを推進しています。
DX化が大手企業を経て今後、中小企業が取り組むべき課題になることは間違いないので、基本装備を整えましょうということです。
今回の座談会でも4社4様あるように、ワークフローをきっかけに各社課題が出てきます。
経営者がその課題に気づいて、誰かに任せるのではなく自分事として取り組んでいく。
2代目お坊ちゃん社長の会の取組事例や成功事例が、多くの中小企業のDX化の参考になればいいなと思っています。

――まずは、紙の電子化からスタートですね!

田澤さん――そして、社内の意思決定からワークフローを入れていくのが効率のよい導入です。
来たるデジタル社会に向けて、標準装備と考え真正面から検討していくことがスタートになるんでしょうね。

DX化は社内コミュニケーションを円滑にする

――なるほど!高橋さんはDX化のパートナーとしてエイトレッドさんのシステムを入れてみて何が1番良かったですか?

高橋――運用はこれからですが、ワークフローで社員とのやり取りがデータとして蓄積されて行きます。
営業日報のデジタル化も行いますので、社員がお客様に対して行った行動履歴もデータ化されます。
それらの情報が一元化され、そのなかからPDCAを繰り返すところで経営の改革に繋げられるだろうと推測しています。

――営業日報をデータ化することで、個人個人の働き度合いが見える化できるということですか?

高橋さん――そうですね。
個人行動の把握もそうですが、紙のものを転記したりする作業も一切なくなります。
なおかつ、社外・社内のコミュニケーションがデジタル上でいつでもできて履歴も残るのがいいですね。

――芝田さんは、今後DX化でやりたいことや、期待することはありますか?

芝田さん――そうですね。
事務所内の書面は全部データ化されているので、今度は顧客とやり取りする契約書なども電子化されるようになるといいですね。
今も一部行ってはいますが、デジタルでのやり取りに抵抗がある方にはこれまでどおり紙で契約締結しています。
そのような紙の契約書類も最終的には所内でデータ化することにはなるのですが、お客様とのやり取り段階で書類がすべてが電子化されると、楽になるだろうとは思っています。

高橋さんのお話を伺って、営業日報のデジタル化はすごくいいと思いました。
現状、スタッフ数も少なくデータや報告で業務の進行具合は把握できているので使用することはないと思いますが、今後の参考になります。

――田澤さんはエイトレッドさんとの協業発表プレスリリースのなかで、スタッフからの報告を吸い上げデジタル化することは、社内ナレッジの共有に繋がり、集団総合力を上げるとされていますが。

田澤さん――弊社は社員に週報を書いてもらっているのですが、成功したこと失敗したこと何でもいいので、一行は必ず書いてくださいと言っています。
それは、社員一人ひとりの状況を僕が知りたいからで、報告してくれたものに対して、激励や感謝、僕の思うことを必ず返答するようにしています。
それって文通みたいで、ちょっと恥ずかしいんですけど(笑)
でも、面と向かって話すのとも、LINE WORKSなどとも違う。
それを継続してコミュニケーションをとった場合ととらなかった場合を比べたら、前者のほうが離職率は各段に減ると思っています。

――素晴らしいですね。

田澤さん――社員には業務を任せていますから、行動管理や把握というのはどうでもいいんです。
でも、社員がどんな気持ちで何をやっているのかっていうのは、やっぱり知りたいんですよ。
社員がそれを気楽に言えるフォーマットがあれば聞けるんじゃないかと思ってやっていますが、実際続けていると、良いことを書いてくれたりして、嬉しいですね。

――社員さんにとっても嬉しいですよ!DX化は社内コミュニケーションの円滑化にもつながってくるわけですね!

田澤さん――営業日報も使い方によっては、いろんなことができるいいツールだと思っています。

▶次のページでは、DX化推進に向けた皆さんの豊富を語っていただきます!

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田澤孝雄
京南オートサービス株式会社 代表取締役社長
2代目お坊ちゃん社長の会 代表理事

投稿者プロフィール
1975年生まれ。早稲田実業高校から早稲田大学政治経済学部に進学。不動産業を営む父親に逆らえず、大学1年で宅建を取得するも父への反発心で、不動産とは真逆の弁理士取得を決意。サラリーマン時代に25歳で弁理士合格を果たす。
30歳目前にして家業に入社。家業のガソリンスタンド業界を発展しつつ、損保指定工場の板金事業に魅せられ京南オートサービスとして運営交代し37歳で社長に就任。他に介護事業や洗車事業を運営する等、多角的な事業経営をしつつ、「一般社団法人2代目おぼっちゃん社長の会」を立ち上げ家業を継ぐ2代目を支援する。
著書「ビジョン経営革命を起こした2代目お坊ちゃん社長の77の逆襲レター」
Youtubeチャンネルでの動画は現在140件

荒木知太朗
株式会社アラキ企画 取締役

投稿者プロフィール
荒川信用金庫(現・城北信用金庫)営業課、融資課を経て2007年3月に株式会社アラキ企画入社。同年7月に代表取締役就任。
信用金庫時代には営業の他、債権回収、資産査定なども担当。 FP資格も取得、税務、法務等の知識も習得。 株式会社アラキ企画では、ゴルフ練習場ガーデン藤ヶ谷ゴルフレンジ、ゴルフスクールをメインに、清掃関係や機能性素材の卸売商社も行う。

高橋成紀
株式会社高橋商店 代表取締役

投稿者プロフィール
学生時代はスポーツにのめり込み、大学卒業後、外資系IT企業を経て、30歳の時に祖父が創業した株式会社高橋商店に入社。
その後、代表取締役社長に就任。石油販売、ガソリンスタンド経営、タンクローリーによる燃料配送事業を行う。
座右の銘は「苦労は心を深くする」
オフタイムは、ランニング・料理・家族サービスなどで過ごしている。

芝田麻里
芝田総合法律事務所 代表弁護士

投稿者プロフィール
東京弁護士会所属
一般社団法人 事業承継研究会 代表理事、株式会社事業承継・M&A支援センター(JMA)代表取締役なども務める。
得意分野は、環境問題や産業廃棄物関連。事業承継、知的財産、一般民事、一般刑事なども幅広く取り扱う。
企業コンプライアンスや社内研修など、顧問先企業との密接な関係構築と予防的司法に注力している。

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