PRの力を誰もが使える社会を実現したい!PRのノウハウを伝授
- 2025/2/13
- インタビュー
目次
中小企業はプル型営業の仕組みづくりから始めよう
――PRがとてもよくわかるご説明でした。ありがとうございます。やはり信頼が重要ですね。今の時代はいろんなPRの手段があるとわかっていても、中小企業のPRのスキルが高いとはいえないのが現状だと思います。では、そういったところでPRの力を発揮していくにはどういったことが必要なのでしょうか。
笹木氏――例えば弊社もこれまでいろんなメディアに記事でご紹介いただいたり、本を出版していただいたり、SNSを発信したりと、広告を出さずにPRによってお客様を増やしてきたという経緯があります。
おかげさまで弊社はさまざまな企業にお取引いただき、PR代行として6か月ないし1年~2年の期間伴走させていただいていますが、営業したことがないんです。
ほとんどメディアや口コミなどをもとに、検索をしたらSNSでもLITAがいいと評価が高かったので連絡をくださったり。
あと、いろんなメディアで紹介されている記事を見て、弊社ホームページからお問い合わせをいただくことも多いので、そこからカウンセリングをさせていただいてPR代行に繋がる。
だから、弊社は営業部隊のいない会社で、 全員がPRの仕事に集中できてPRで結果を出しているんです。

LITAの幹部メンバー
これが小さな会社でも拡大している要因です。
中小企業は、1人の人間のやることがいっぱいあるなか、営業やサービスの質をしっかり上げてお客様に喜んでいただくことをミッションにしますが、 結局、営業ばかりしている会社が私の周りでも多いです。
でも、そこに時間を使うよりも、PRできる人が社内に1人いるか、 もしくは弊社のようなPRできる会社に外注することで、 PRによって日本中に自分の会社の良さをしっかり発信していけます。
お客様が自発的に問い合わせなどをしてくれるプル型営業の仕組みを作っていくこと。
これはむしろ、人材の少ない実績もない中小企業こそ最初にやるべき戦略だと思っています。
企画を丁寧に発信しファンを増やすことが重要
――笹木さんが主催されているPR塾での受講者は、経営者や起業しようとする方がメインだと思いますが、どういったことを大事に考えて指導していらっしゃいますか。
笹木氏――そうですね、弊社がやっているPRをそのままお伝えして、弊社レベルのPRがどの会社もできたらいいなと思っています。
PRってメディアとのコネクションでしょ、みたいに思う方も多い。
だから、とにかく夜一緒に会食したりして仲良くなる世界なんじゃないかと思われるんですが、全くそうではなくて。
大事なことは、プレスリリースや企画書による企画力と、もう1つは、その作ったプレスリリースを一斉配信サービスではなく、1社1社丁寧にアプローチするということ。
これらを徹底してできるまで、実践的にお伝えしているのが弊社の特徴で。特に後者の1社1社のメディアに対してきちんと直接アプローチするということが、特に中小の無名な会社には絶対必要なんですね。
今は一斉配信の便利なサービスが主流になってきて、プレスリリースを作ったら一斉配信して終わりだと思っているのか、そればかりやっている会社もすごく増えています。
しかし、それでは結果は出ないと思っています。

PRを学べるビジネススクール「PR塾」
――今お話いただいたような、笹木さんがやっている塾、指導者や経営者向けのセミナーでは、PRに関するスキルを上げていくことが御社の特徴であり他社との違いになりますでしょうか。
笹木氏――差別化という意味合いにおいてはいくつかあって、1つがPRのスキルを上げることです。
もう1つの大きな特徴として、会社のファンと信頼を増やすことをお伝えしています。
プレスリリースを新商品や新しいイベントなどの新しい取り組みがある時に出すものと思っている方が多いなか、新商品が点で紹介されて終わってしまいブームが去った時に自分の会社やブランドにファンがついていないから、売り上げがまた下がってしまうことが起きる。
新商品発売の時にプレスリリースなどの賑やかしの方法をとることと同時に、会社のファンと信頼を増やすための方策もしないといけないんです。
これは、エアウィーヴやバーミキュラがどうしてあれだけ売上げを伸ばせたかを考えると明らかで、新商品のPRもそこそこやるんですけど、それよりも会社のファンを作る広報に力を入れて、そこで結果を出したんですね。
それは、社長の創業への思いとか、会社のストーリーですとか、 どんなこだわりでその商品を作ったのか、その背景には何があるのかなど、そのブランドストーリーをPRすることが非常に大事です。
PR塾ではそれも同時に必ず教えていますし、弊社が伴走する企業がPRするときには必ずやっていますね。
2025年は人を増やし育てて社内PR力を強化する
――ただ単にその時だけのもので終わらせない、持続してブランディングしていくということが1番大事だということですね。今後、 笹木さんが注力していきたいとお考えになっていることがありましたら、お話いただけますか。
笹木氏――2024年、去年1年を振り返ると、本当にたくさんのクライアントさんからPRの依頼をいただきました。
やはり広告の費用対効果が下がっている分、PRに注力したい、だからPRを始めたいというお客様もいれば、もっと効果を出したいから今頼んでいるPR会社さんから切り替えたいという依頼もすごく多くて。
その結果社内で起こったことは、人や体制が不十分なために全部の依頼を受けきれなかったことです。
そこで、 今年2025年の4月、第1期の新卒採用をスタートして、14名が入社します。
第2期もさらに倍以上の採用を見込んでいます。

2025年4月入社予定 新卒生の内定式の様子
弊社はこれまでどのクライアント企業からも、結果出してくれてありがとう、今までよりも費用対効果が10倍、100倍ですなどといった嬉しい言葉をかけていただいてきました。
2025年のテーマ は、採用と育成に注力し良質なサービスを提供し続けるとともに、量の面も拡大することで、日本中のPRを必要としている中小企業をさらに強力に支援していきたいと考えています。
――会社も大きくなり、リソースも増えていくことを想定されているということですね。
笹木氏――そうですね。もうそこに完全に舵を切っていきたいですね。
――ありがとうございます。経営者をはじめとしたZ-EN読者にメッセージをお願いしたいと思います。
笹木氏――はい。なにかPRをやっていますか?と、伺いたいです。
PRは、営業部隊で顧客を取りにいくというよりは、将来的に全国のいろんな企業からお問い合わせをいただくための仕組みを作ることです。
ただ一方で、PR活動を始めて1か月後にはSNSで100万フォロワーいくかとか、いきなりガイアの夜明けや情熱大陸に出るといった話ではなく、極めて蓄積型のものですので、皆さん遠回りに感じて、即効性のある広告や営業に走ってしまう企業があまりにも多いと思っています。
でも、やはり企業の経営者は、中長期に持続可能で毎年成長する仕組みを作ることがミッションだと思いますので、そういう意味で、全国の企業にメッセージと信頼を届けるPR活動を少しでも早くスタートして、お客様からの信頼を蓄積していくようにした方がいいと心から伝えたいと思います。
――PRは結果が出るまでに時間がかかるものではあるけれども、そうなった時には効果が大きいということですね。 ありがとうございます。今後の笹木さんのご活躍に注目しております。