M資金詐欺になぜ騙されるのか?概要・歴史・注意点をわかりやすく解説!

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かなり気になるM資金の記事が出ていました。

突如退任「ローソン」玉塚会長にM資金めぐる疑惑 確約書に“資金をお受けいたします”の直筆
ローソン「玉塚会長」退任の裏に「M資金」と「美人詐欺師」
コロワイド会長が30億円騙された「M資金詐欺」、その驚きの手口を公開!

これらの記事で最も驚いたのは、大企業ローソンの(会長)さんや、海千山千ぽいコロワイドの会長さんがこのような詐欺に引っ掛かりそうになるなんて…ということではなく、3,600億!?ジンバブエドルじゃなくて、本当に円ですかソレ! ということでもなく、女詐欺師が日本一の元美人詐欺師だったという点でもなく、「M資金詐欺って、まだ有効なのか…」という点です。

この話を30~40代の若い方にしてみたところ、M資金自体を知らない方も結構多く、これは危険だ!と痛感。そこで、今後M資金詐欺に引っかかる方が出ないよう、M資金について解説していこうと思います。

M資金詐欺を生み出した背景

まず、M資金のMの意味ですが、Mとは、終戦直後の日本を統治したGHQの「マッカーサー」が思い浮かびますね。ところが諸説ありまして、最も有力なのはGHQの経済科学局のマッカート少将の頭文字。マッカーサーのMではないそうです。

M資金の原資

M資金の原資は、

  • 旧日本軍が各占領地で獲得した貴金属やダイヤモンド等の宝石類、その他の物資を戦後没収し売却して得たお金
  • 財閥解体に絡んだ株式売却益
  • アメリカから援助された戦後復興資金「ガリオア資金・エロア資金」関係の物資の売却

であり、戦後、日本の産業を復興させるためにプールされた上記の巨額資金が、まだこっそりと運用されていて、アナタの会社もその恩恵にあやかりませんか?という感じで話が進みます。

多くの詐欺は「投資」話の形でやってきますが、逆にM資金詐欺は「融資」話なのです。

存在が不透明なM資金

M資金を考える上で最も重要な点は、徳川家の埋蔵金やツチノコと一緒で、「ひょっとしたら存在しているカモ……」という、存在自体が大変曖昧模糊という点です。「そんなもんはない!」って、断定できないところがつけ込まれる原因になっています。

そんな曖昧模糊な存在だからこそ、余計にロマンのようなものを醸し出し、変な期待感を呼び覚ましちゃったりして、長期に渡って詐欺のネタに使われやすいのです。

「そんなものあるわけない!」というようなものなら、そこで終わりですもんね。

M資金詐欺のターゲットになりやすい人

M狙われるのは主に企業の経営者や実業家といった、大きな金額を動かせる決裁権を持ち、社会的地位のある人々です。マボロシのM資金を餌にターゲットから巨額の資金を奪うことになるので、詐欺を働く相手はお金持ちでないと意味がないのです。

「あ、わたしは心配ない。えがったえがった」

などと、この私同様、安心(ターゲットから脱落?)された方も多いでしょう。しかし、来世以降、無労働で100回以上平均寿命をまっとうしても、まだまだお金が余ってしまう程資産を保有していたり、友人に貸した高級車が事故で大破しても、「また買うからいいよ」などと本当に何とも思ってなかったり、かくれんぼをしたら家の敷地が広過ぎて友人のお子さんが行方不明になり、警察が出動することになったり、国税局との戦いをまるでRPGのように楽しんでいたりするような方々も読んでくださっているようですので、皆様!注意されたし。

M資金詐欺の特徴

M資金を語る上で面白いのは、①金額がアホみたいにデカいことと、②手口が似たり寄ったりで毎回ほぼ骨子は変わらずというところです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

金額がアホみたいにデカい

M資金詐欺で出てくる金額は、元々M資金自体が日本の戦後復興を支える資金であったことに鑑み、数兆円〜数京円(数万兆円)の額で語られます。そして、そこからターゲットに融資できる額は、100億円〜数兆円。

騙し取られる額は融資額の手数料◯%ということになります。故に手数料を仮に3%とすると、100億円の融資額で3億円、1兆円の融資額なら300億円。

普段質素な生活をしている私は、額がデカ過ぎて…「何も言えねぇッ!」って、感じです。

似たり寄ったりの詐欺の手口

M資金詐欺の流れは、大体以下のような感じです。

M資金詐欺骨子
1. 金融ブローカー・金融コンサル・フィクサーを装った詐欺師が、ターゲットの知人友人を通じて、M資金を利用した(架空の)巨額の融資話を持ちかける。
政府の特命でこっそりひっそりM資金を運用している団体(それっぽい名前が付けられていたりする)が、新たな運用先を探している。あなたの会社になら超低金利で融資できます的な…。

2. その融資のための手数料や準備金、印紙税等が先払いで必要だと言ってお金を騙し取る。
先程説明させていただいた通り、融資額が巨額なだけに手数料も巨額。書類は平気で偽造されたものが使われる。

この1と2に、微調整&今(各時代)っぽさを加えた感じで、同じ手口が繰り返し使われているのです。すなわち、「母さん助けて詐欺」と同じで、こういう詐欺事件があるということを知っているだけでかなり防げる話だと思います。

それらしい専門用語や団体名を使う

また、やり取りの際に専門用語や「それっぽい」用語が多用され、ターゲットの頭をコンランショップにさせるのも手口。「この人、本物(業界の人)だな…」とかターゲットの思い込みを呼びこむ効果を発揮します。

混乱させるのはこんな用語です↓

大蔵省(財務省)特殊資金運用委員会、国債還付金残高確認証、日銀産業復興基金ほにゃらら部などなど。

金額がデカいだけに、話をそれらしくするための登場人物や団体の絡みもデカ過ぎて笑ってしまうほど。話をデカくするのはこんな絡みです↓

大物政治家、皇族(華族)関係、ご落胤、華僑、アラブ系オイルダラー、ユダヤ系財閥(ロックフェラー)、G7(先進国7ヵ国蔵相・中央銀行総裁会議)やマルタ騎士団、フリーメイソン、米国国防総省(ペンタゴン)的な…。

第三者的な立場で見ていると、「はぁ…」って感じですが、渦中にいると、「スゲぇーー!俺もついにキターーッ!」みたいになってしまうんでしょうね。お察しの通り、私も気質的に「キターーッ」となりやすいため、注意が必要ですね。

次に、M資金詐欺師の出没エリアですが、主に丸の内・大手町・有楽町・虎ノ門辺りにおることが多いそうです。ホテルを利用する時は一流ランクのホテル。そして、今、最も要注意なのは丸の内界隈です。優良企業が多い地区ですので、狙われやすいのでしょう。

長い歴史をもつM資金詐欺

M資金については、日本史で教えても損はないのではないか(政治経済の科目でもいいですけど)、と本気で考えています。受験用に歴代首相を全員丸暗記させるより、こういう事件に巻き込まれちゃダメだぞ!って史実を教える方が、子供達のその後の人生にとって有益だと思うんです。そこで、日本裏情報的な本から抜粋した「M資金絡みの詐欺事件年表」をまとめてみました。

【M資金絡みの詐欺事件年表】

 

※表はZ-EN編集部作成

古い本ゆえ、最近の情報についてはまた増強の機会に改めてご紹介させて頂きます。

皆さん!M資金詐欺に気を付けましょう!M資金のMは、マボロシのMですよ。(マッカートでは?)あ、今日の記事最後まで読んでくださった方は、きっとコレも好きですね。ムフフ。

以上です。

出典:いけのり通信「【超解説】M資金詐欺になぜ騙されるのか?概要・歴史・注意点などを誰にでもわかりやすく!」

この記事は掲載元のいけのり通信と著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。

いけのり

投稿者プロフィール
秋田県生まれ。 一橋大学商学部卒業後、金融会社を経てIT企業へ入社。2011年諸行無常を感じて独立。ライター・編集者として活動。
「真っ黒なニュースを虹色に解説」をモットーに、勝手気ままなコラムサイト「いけのり通信」を更新するのがライフワーク。

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