運動が苦手でも大丈夫!マインドフルネス・ランニングをはじめませんか?

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心身の健康に投資する健康経営を重視する経営者が増えてきました。なかでも、「今、この瞬間」に意識を向けるマインドフルネスの効果は、心身の安定に欠かせないものとして注目されています。ウェルビーイング経営をサポートする株式会社COKIAの代表取締役 髙橋晶子氏に、マインドフルネスとランニングの相乗効果について解説いただきます。

走るセラピー「マインドフルネス・ランニング」

マインドフルネス・ランニングは、“今ここ”を意識してゆっくり走りながら心と体と脳を整える新しいセルフケアです。
マインドフルネスのトレーニングと有酸素運動を行うことで両方の効果を得られます。
短時間でエネルギーマネジメントができ、経営者のパフォーマンスの向上に最適です。

運動が苦手でも、会話ができるペースでゆっくり走るので、無理なく続けられます。
スポーツをしている方にも有効で、ケガ予防やフォーム改善、ゾーンに入りやすくなるなどメリットがあります。
欧米では、「走るセラピー」として心理カウンセリングに活用。
また、NBAなどの有名スポーツチームでは、専門のマインドフルネスコーチが指導しています。

私はマインドフルネストレーナーとして、セミナーや個人セッションを通じて、ビジネスパーソンやアスリートのパフォーマンス向上をサポートしています。
健康習慣としてランニングを始めて2年目になります。
走っている最中に転んだことをきっかけに、マインドフルネスを取り入れました。
距離やタイムを気にせず、“今ここ”に意識を向けると、心地よさと開放感に包まれ、いつまでも走りたくなる感覚を味わえます。
この経験をもとに、経営者の皆さまが無理なく取り組める「マインドフルネス・ランニング」を提案しています。

マインドフルネス・ランニングで成功を引き寄せる

「幸福度の高い人ほど成功を引き寄せる」—— これは心理学や脳科学でも証明されています。
アメリカ・イリノイ大学名誉教授エド・ディーナー博士の研究によると、人は「ご機嫌モード」のときに視野が広がり、創造性が200%向上するそうです。

つまり人は、「成功したから幸せになる」のではなく、「幸せだから成功する」 。
幸福感が高まるのは心身、そして社会とのつながりが調和しているとき(Well-being)です。
マインドフルネス・ランニングは、この幸福感を持続させるためのサポートをしてくれます。

マインドフルネス×ランニングの相乗効果でエネルギーマネジメント

4つのエネルギーを適切に管理することが、時間の有効活用につながり、経営者にとってパフォーマンス向上の鍵となります。

  1. 身体的エネルギー・・・運動(ランニング)、睡眠の質向上、適切な食事で回復
  2. 感情的エネルギー・・・ストレス低減、ポジティブな感情の促進、感情の制御
  3. 思考的エネルギー・・・脳の活性化、集中力向上、判断力、創造力アップ
  4. 精神的エネルギー・・・内省の促進、目的意識の向上、モチベーションアップ

そもそもマインドフルネスとは 科学が証明する「新・瞑想法」

マインドフルネス・ランニングの実践方法を説明する前に、マインドフルネスの概念について簡単に解説します。

マインドフルネスとは、“今ここ”に意識を向け、ありのままに気づく心の持ち方です。
そのトレーニングとしてマインドフルネス瞑想があります。

瞑想といっても“無”になる必要はなく、雑念が浮かんでもOK。
1日3分座っているだけでも、心身にさまざまなメリットが生じます。
また、動きながらでも実践できる面白い瞑想法です。
マインドフルネス瞑想は、NHKの“あしたが変わるトリセツショー”でも「新・瞑想法」として紹介されました。

約40年前にジョン・カバット・ジン医学博士によって、入院患者のストレス低減法としてアメリカで誕生したトレーニング法。
医療、心理学、脳科学の分野で研究が進められ、2万件以上のエビデンスが存在します。
現在では、コロナ禍に国連がメンタルケアとして推奨し、GoogleやApple、マッキンゼーなどの企業が導入しています。

マインドフルネス瞑想法の3つのポイント

マインドフルネス瞑想は、呼吸・動作・景色・心身など、特定の対象に意識を向け、雑念が浮かんだら「気づいて戻す」を繰り返すシンプルな技法です。
宗教的な瞑想法とは異なり、誰でも実践しやすいのが魅力です。
セミナーでは、以下3つのポイントを体験していただいています。

  • ポイント1 マインドフルネスの心の持ち方とは?
  • ポイント2 どんな方法でトレーニングするのか?
  • ポイント3 習慣化のコツは?

すぐに得られる効果と、習慣化で深まる効果

マインドフルネスを実践すると、短期間で感じる変化と習慣化することで得られる効果があります。
習慣化すると、過去や未来への不安にとらわれる時間が減り、自然とマインドフルな状態が増えていきます。
継続することで、心と体の変化をより深く実感できます。
私自身、最初に実感したのは心地よさと「睡眠の質の向上」でした。

マインドフルネス実践の変化

  1. 短期的な効果(即時)・・・心のざわめきが落ち着き、リフレッシュできる
  2. 習慣化(数週間~)・・・自律神経が整い、睡眠の質が向上
  3. 長期的な効果(2カ月~)・・・メタ認知力向上、集中力アップ、脳の活性化、感情のコントロール力向上、レジリエンス(回復力)

マインドフルネスはメタ認知力を高める脳トレ

マインドフルネス瞑想は、メタ認知力を鍛える脳トレとも言われています。
メタ認知力とは、「自分の思考や感情を客観的に捉える力」のことで、「自分を俯瞰する力」です。

メタ認知力を鍛えることで、禁煙・禁酒・ダイエットに応用でき成功率も高まります。
元サッカー日本代表の長友選手が自身の著書の中で、「メタ認知力が緊張緩和や判断力向上に役立つ」と述べています。

「アクティブ・マインドフルネス」という新しいアプローチ

私は、マインドフルネス瞑想とランニングなどの動作を組み合わせた技法を 「アクティブ・マインドフルネス」 と呼んでいます。

    • 継続しやすい・・・座る瞑想よりも、運動の習慣と組み合わせることで実践しやすい
    • 雑念が入りにくい・・・体を動かしながら行うため、思考が散漫になりにくい
    • 相乗効果がある・・・運動によるストレス発散・代謝向上と、リラックスが同時に得られる

▶次のページでは、「走る瞑想」としてのマインドフルネス・ランニングの実践について詳しく解説いただきます。

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髙橋晶子
株式会社COKIA代表取締役
マインドフルネストレーナー

投稿者プロフィール
大手広告代理店、旅行会社、IT企業、ベンチャー企業での経験を経て、ペット事業で独立・起業。その後、多様なキャリアを活かし、2019年にウェルビーイング経営を支援する株式会社COKIAを設立しました。
10代での大病をきっかけに健康の大切さを痛感し、多くの人々の健康支援に貢献することを決意。大自然の中での海外生活を経て病を克服し、その経験が現在の行動力の原点となっています。
マインドフルネスとの出会いは、親の急逝による心身の不調を抱えたときでした。
現在はマインドフルネストレーナーとして、セミナーやセッションを通じて、ビジネスパーソンやアスリートのパフォーマンス向上をサポートしています。
独自のプログラムは、ポジティブ心理学や幸福学を融合させて開発し、「脳の健康(ブレーンフィットネス)」にも注目。脳活動のチェックとトレーニングができるソリューションを提供しています。
また、「動物」や「ランニング」など、自身の好きなこととマインドフルネスを組み合わせたワークショップを開催し、健康で豊かな生活の実現を支援しています。

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