【書評】努力次第で大きな利回りを生むフランチャイズ投資のすすめ

コロナ禍は人々の生活や価値観を一変させました。しかし、見方を変えれば、新たな商機があふれた時代と言えるでしょう。国も新たな事業の創出を後押しする施策を打ち出し、起業支援の環境を整えてきています。そのなかで注目されるのがフランチャイズ起業です。
今回ご紹介する「フランチャイズ投資入門」の著者古川暁氏は、本書のなかで「フランチャイズ起業・投資は、しっかり知識をつけた上で行うのであれば、8割程度の成功率を目指せる」と述べています。そのカギはどこにあるのでしょうか。Z-EN編集デスクであり、自らもフランチャイズ投資家として実践する齋藤園佳が解説します。

フランチャイズ投資入門
著者:古川暁(秀和システム)

本書の紹介

本書は、3つのフランチャイズチェーンに加盟し、5店舗運営で、月商1,300万円、月次営業利益最大500万円を突破する古川暁氏が、フランチャイズ起業を「フランチャイズ投資」と捉えて、自らの行動と実践の軌跡を交えてそのノウハウを解説する一冊です。

フランチャイズは、加盟店が本部に対して加盟金・ロイヤリティを支払うことで、本部の持つノウハウや商品の販売権、ブランドなどを利用でき、本部からのサポートも受けられることを基本的な構造としています。

事業の持続性をはかる指標に「5年生存率」がありますが、一般的な起業の5年生存率が15%程度であるのに対し、フランチャイズ起業の5年生存率データは65%というはるかに高い数値です。フランチャイズ起業では、すでに他の人が実践しアップデートを繰り返してきたノウハウを使うことができるからこそ成功率が高くなると著者は主張します。
さらに、利回りについても、一般的な投資である株や不動産が年5%程度であることと比較して、フランチャイズ投資は「年利33%も実現可能」であり、かの投資の神様、ウォーレン・バフェット氏の長期の投資利回り20%をも上回る数値を出せる魅力的な一面を持っていると、述べています。

もちろん、フランチャイズ投資はいいことばかりではありません。投資の原則でリスクとリターンは表裏一体の関係にあります。

本書では、フランチャイズ投資のメリット・デメリットを明示しながら、フランチャイズ投資を成功させ勝ち組オーナーになるためには、本部のビジネスモデルの優秀さ(戦闘力)を見抜く力(X軸)と、自分の能力を伸ばす視点(Y軸)を持つことが大切であることを、著者の学びと実践の軌跡を交えて紹介されています。

本書は実践の書ですが、フランチャイズ投資の裏側まで包み隠さず記すことで、少しでもフランチャイズ投資で泣く人を減らしたい、成功してほしいとの著者の想いが詰まっている書であるように思います。

要約と抜粋ポイント

本書が伝えたい結論は以下のようになるでしょう。

「フランチャイズ投資は株や不動産といった一般的な投資と比較して、高い成功率と大きな利回りを得られる可能性が高い。但しそのためには、しっかりとリスクを把握して対策をすること、勝率を上げるために努力し学び続けるマインドを持つことが、成功の鍵を握っている」

さらに、勝ち組オーナーの共通点として、頭の良さやほかのビジネスでの実績よりも「本気で取り組むマインド」をもつこと、本部やビジネスモデル、スタッフのせいにせず、身体も思考も動かす「自責思考」を持つことを挙げています。

フランチャイズ投資がおすすめなのはどんな人か?

個人で利益を出そうとしていて、かつ実業に抵抗がない人は一般的な投資手法(株や不動産)よりもフランチャイズ投資の方がよいと著者は指摘しています。

一般的な株や不動産などの投資のセオリーは大資本をもつ大手事業法人や金融機関の戦略に基づいています。このため、個人が毎月5万円を年5%の複利で20年間積み立てたとしても、総投資額1200万円に対して得られる利息は約620万円。将来自由な生活をしたい!という願いには全く足りない数字になります。また、金融資産は自分の努力により勝率を挙げることが難しいのです。

そのようなことから、個人で大きく儲けたいという人にとって、フランチャイズ投資には可能性があると著者は説きます。

フランチャイズ投資を成功させるカギ

著者もフランチャイズに加盟し事業をスタートさせた当初はうまくいかなかったそうです。

その経験と、フランチャイズ投資に多く存在する「情報の歪み」から、正しい情報を得るのが最大の攻略法であるとし、情報収集あたって注意するべきことを解説されていますので、まとめてご紹介します。

  • ネット上のまとめサイトやランキングなどの情報は集客のための広告として捉える
  • 本部が提示した表面的な情報を簡単に信じない
  • 得た情報は自分自身でも細かな分析を行い自分の頭で判断する
  • 実際に成功しているオーナーから話を聞く
  • ときにはライバル会社を裏に取り情報を確認していく

特に、勝ち組オーナーの話を定期的に聞ける環境をつくることは大切であるとして、効果的なヒアリングを行えるよう、本書ではフランチャイズの基礎知識を学べる良書も紹介しています。知識を身に付け自分自身でこつこつデータを集めていけば、成功しやすいフランチャイズが見えてくるでしょう。

フランチャイズのリスクを把握する

フランチャイズは基本的に起業なので、「失敗リスク」もついてきます。最大のリスクは倒産ですが、その他にも様々なリスクが挙げられています。

フランチャイズ投資の4つのリスク

  1. 店舗型ビジネスの場合は立地を外すリスク
  2. 有能なスタッフを採用できないリスク
  3. ビジネスモデルの陳腐化リスク
  4. 外部環境の影響を受けるリスク

但し、4つのうちどうしても自分でコントロールできないものは4.だけ。他の3つは努力の余地があると著者は言います。 金融資産が自分でコントロールすることが難しいことを考えるとフランチャイズ投資が自助努力でどうにかなることに可能性を感じます。

こんなフランチャイズ本部には要注意

業態から契約内容まで様々なフランチャイズ本部を、一概に良い悪いとは言えないものの、「こんなフランチャイズは危ない!」という特徴もいくつか挙げられています。
特に、「広告費をかけすぎている」本部は危険信号。基本的に本部にとって確実なビジネスは、加盟者を増やしまくって加盟金で儲けるより、少数オーナーにたくさん稼いでもらいロイヤリティをもらうビジネスモデルです。そこを「全店黒字、手間いらず!」「1日1時間で月収30万円!」などの誇大広告で、冷静に考える能力のない人を集客し、効率的に加盟金を集める戦略をとっている可能性がある本部には注意が必要でしょう。同じような理屈で、営業マンの姿勢にも注意が必要だと本書は教えてくれます。

まとめ

本書は、これからフランチャイズ投資をはじめる方には、情報集めからアクションプランの立て方、最も重要な本部の目利きの方法まで、成功するカギの理解を深められる1冊になるでしょう。
今、フランチャイズ投資を行っている方には、著者が一時は身体を壊しながらも体得した実践法と、7人の先駆者たちの秘話を拾い読みするだけでも、現状の課題を解決させる糸口が掴めるかと思います。

また、複数の事業を持つ起業家からすれば、自分自身のリソースを最小限にしつつ新しい事業を持て、今回のコロナショックのような不測事態があったときのリスクヘッジとしても有力だと著者は述べています。

ある程度、本業が軌道に乗り、資金力に余裕のある経営者からすれば、そのような「第二、第三の事業」の選択肢としてもフランチャイズは非常に有力なものになるでしょう。

私自身が行っているフランチャイズ投資は、オーナーが自ら直接サービスを行わない「投資型」ですが、自ら動くことが、実際の利益を大きく左右すると考えています。
本書でも、数字分析などの経営判断は大切なものの本部サポートが受けられる分、通常の起業と比較して重要度は低く、それよりもウエットな人間関係を詰めていけるかどうかが勝負を分けるカギになると述べていますが、実際に現場で仕事をしてくれるスタッフとのコミュニケーションはオーナーにしかできない仕事だと思っています。

事業への想いを伝え、共有し、日ごろの頑張りへの感謝を伝え、時にはスタッフの悩みや愚痴を聞くことでモチベーションを上げ気持ちよく業務にあたってくれるのです。本部に対しても、実際にシミュレーション通りとはいかないこともありますが、通常の起業では受けられないサポートに感謝し、良好な関係を築けるように努力することが大切なのではないでしょうか。

齋藤園佳
Z-EN編集部編集デスク
㈱つながりエデュケーション 代表取締役

投稿者プロフィール
オリックス、リクルートエージェント、リクルート代理店勤務を経て、2012年㈱つながりバンク創業時より参画。
オリックス勤務時代はITバブル真っただ中にあったIT上場会社から、下町の中小企業まで幅広く与信。会社の倒産には何度も立ち会い、事業継続の難しさを知る。
リクルートでは、正社員からアルバイトまで、様々な手法での採用支援を行う。現在も、お金と人の両面から企業サポートを続ける。
2017年 ㈱つながりエデュケーションにて、幼児教育フランチャイズ事業を譲受。赤字から黒字へ転換させ継続運営。
2020年より オンラインメディア「Z-EN」編集デスク
変革なくして事業存続なしのテーマで、経営者・投資家に向けた有益情報の更新を続ける。

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