借金は怖くない!!お金の回収側の知識・知恵を生かし4,300人を救済!(後編)
- 2023/8/25
- インタビュー
「社会的に立場が弱い方を助けたい」という強い思いから33年間、全国各地の経営者や個人を経営コンサルティングと事業再生で救済してきたウィンコンサルティング株式会社 代表取締役の齋藤慶助氏。インタビュー前編では、借金はお金をかけずに時間をかけて減らすことができることなどをご教示くださいました。後編では、再生に向けた具体的なアイデア例や、経営の方向転換を考えるべきタイミングなどについて詳しくお話しくださいます。
目次
決断力がなく、優柔不断な人は借金増加の傾向
Z-EN――どういった経営者が借金から会社をたたむようになるのか、何か特徴的な傾向などはありますか。
齋藤慶助氏(以下、齋藤氏)――ひとつは決断力のない人。
次に優柔不断な人で、私が右に行きましょうと言うと途中まで右に行くけれど、弁護士が左といえば左に行くなど、波に揉まれる船のように揺れ動く人は、最後は座礁してしまいます。
私を信じて右に行く人は、私も身体を張って助けようと必死になりますし、最後は成功します。
また、話が長い人は成功しないのではないかと思います。
関係のない話や自慢話ばかりしている人は、自分の商売や商品に対して、いまいち核心が分かっていない人が多いですね。
――お客様は、創業何年くらいの人が多いですか。
齋藤氏――千差万別ですね。
起業から数か月の人もいますし、親子三代にわたって80年、90年続いている会社の方も数十人います。
先日は、オレオレ詐欺に関わった経験があるという23歳の男性も相談に来ました。
「お金をかけずに売上アップ」の戦略で再生へ
――具体的には、どういった方法で経営を上向かせていらっしゃいますか。
齋藤氏――私は、お金をかけずに再生させ、売上・利益を作って差し上げるのが得意です。
一番分かりやすいのが、靴磨き、修理専門店の話です。
ある時、新宿のバス停前で靴磨きと修理の専門店を経営している社長が、「売上が半分になってしまった」と相談に来ました。
1〜2分の会話で、18年ほどそこで仕事をしており、お客様の多くが半径2キロ以内の固定客だということが分かったので、お金をかけずに売上をすぐに2~3倍にする提案をしました。
それは、「修理したり磨いたりする靴が3足あれば、ご自宅に受け取りに行き、終わったらお届けします」というもの。
その新しいサービス内容を私がパソコンで紙にプリントしたので費用は1円未満で済み、レジ横に張ったその紙を目にしたお客様から次々に注文が入りました。
依頼者のほか子どもや奥さんなどの分も10足近く集まったり、片道2キロ以内を自転車で運ぶので運動にもなったり、車移動による駐車場の心配もしなくて済んだりと、いいことづくしです。
お客様は新品の靴1足分ほどの値段で10足がピカピカになります。
古い靴の引き取りもすれば下駄箱の中も綺麗になり、ますますお客様に喜ばれます。
私の場合、何百、何千のパターンを経験しているので、お話を聞きながらAパターンとBパターンをミックスすればいいな、といったことが頭の中にパッと浮かんできます。
――たくさんの相談事例を通してデータベースをお持ちだから、売上倍増になり、お客様のためにもなる方法がすぐ思い浮かぶのですね!まるで、人間AIですね(笑)。
強みを見つけ、さらに強くする
齋藤氏――それと同時に、会社や社長さんの強みを見つけて、さらに強くすることが得意です。
例えば、ラーメン屋さんは「自分はラーメンを作らせたら日本一だ!」と思っていますよね。
でも、お店を借りると開店前から家賃が発生し、リフォームが終わってオープンするとすぐに支払いが発生します。
一方、利益が上がるまで時間が掛かるのに、家に生活費を入れなければならず、収入がないと奥さんと夫婦げんかになったりもするでしょう。
そのせいで店主が面白くない気分でラーメンを作っていると、マイナスの波動が従業員やお客様にも伝わって店全体が暗い雰囲気になり、資金繰りにも追われてますます疲れて……となると、ラーメン作りどころじゃなくなりますよね。
そんな店に私がコンサルで入った時は、社長には強みであるラーメンづくりに集中してもらいます。
すると、社長は張り切って美味しいラーメンを作り、お店の雰囲気も明るくなり、お客様も喜ぶようになり、いい方向に進みます。
経理に関しては毎月、試算表を見るように伝え、改善するべき数字を指摘するとともに、その数字を達成するための方法を具体的に指導します。
そして、必ずお店に行きます。
お店の周辺200mくらいを歩いて看板が木などで見えにくくなっていないか、店内が汚れていないかといったことや、ラーメンを作ってもらって食べて、提供までの一連の流れや器などの細かいことまですべてアドバイスします。
▶これまでの33年間で齋藤氏が、社会的に弱い立場にいる方の側に立ち、できるだけお金をかけず、創意と工夫、人との関係性や経営の見直しなどを含めて4,300人を救済してきた経験の一端が分かるお話でした。続くページでは、齋藤氏が持ち続ける大きな志と、見据えている今後についてお話しくださいます。