お坊ちゃん社長はメンテナンス力で人も車もときめかせる(後編)
- 2021/6/4
- インタビュー
家業を継いだ2代目ではあるものの、ただ単に事業を承継するのではなく、常にいつも「なぜ自分はこうしているのか」を自問し、その答えを見つける道筋こそが経験の蓄積となって今の経営者としてのあり方に生きているとお話しくださるのは、京南オートサービス株式会社代表の田澤孝雄社長です。インタビューの前編では、偉大な先代への反発心を原動力に始めた華々しいサラリーマン時代から、家業を継ぎ失敗を経て黒字転換するまでのご経験をお話しくださいました。後編では、現在の事業展開と、ご自分と同じように悩み奔走する2代目を支援する「2代目お坊ちゃん社長の会」について詳しくお聞きしました。
目次
洗車事業をサブスク事業としてリスタート
――話は遡りますが、サブスク事業を始められた経緯と内容について教えていただけますか。
田澤氏――父親から事業承継したガソリンスタンド事業で行っていた「ふるーる洗車」事業を2013年からサブスクモデルにしてリスタートしました。
まだサブスクなんて言葉はなく、継続課金モデルを独自に作り上げていきました。
今では「カスタマー・エクスペリエンス」という表現がされていますが、当時は独学で仕組み作りをしていきました。
洗車ビジネスは水物ビジネス。
1か月のうち平均5日は雨が降るのですが、その前日も稼働しないのです。
実際に稼働できるのは20日間程度のお天気商売です。
そのうえ、通常土日の昼に稼働が集中します。
だから売上をコントロールしたいと思い考えたのがサブスクモデル。
月々1,980円払ってくれれば毎日洗車できるようにしました。
これで雨予報日の前日という通常なら洗車しない日でも洗車してくれるなど、お客さんの来店頻度も上げられるうえに洗車稼働も分散できました。
メインのガソリンは適正価格でしっかり利益を出せるようにし、他のサービスの無理な提案をスタッフに課さないで済むビジネスとしています。
サブスクは、多くの企業がみんな参入してはみるんですけど、細かい調整が必要になりますから結局ダメになっているところが多いですね。
僕も3年間負け続けて、ようやく利益を出せるようになってきました。
▶いよいよ次のページでは、田澤さんが運営されている「2代目お坊ちゃん社長の会」についてお話いただきます!事業を承継した2代目社長たちをさまざまな面から支援する活動が明らかに。