創業130年!老舗のビジネスモデル転換が示唆する経営の在り方

この記事を読むのにかかる時間: 5

変革への鍵は経営者の想いと行動

――リモートワークへの変革はどのように進められたのでしょう。

橋本氏――リモートワークは以前から考えていたことでしたが、コロナ禍が後押しをすることになり、結果的に目標としていたリモートワーク体制が一気に整いました。
定義した営業行為の効率を上げることができ、社員はお客様とのやりとりに集中できるようになりましたね。

――すごいですね!どのようにして効率化を推し進めたのですか?

橋本氏――従来型のビジネスから変革したいという強い想いがありました。
システム導入などやり方はいろいろありますが、やはり経営者の想いと行動が大切だと思っています。

この業界は御用聞き的な要素が強く、お客様とのやり取り内容が担当者個人にしか分からないということがありがちです。
我々はそこからも脱却して、社内全体でお客様の過去注文履歴や購買ニーズを把握するようにしました。
そのため、お客様の欲しいものを問い合わせを受けた社員がすぐに用意しスピーディーに納品できるというシステムに変えることができました。 

多角化より多様化で次の100年へ

カクテン屋公式ページより

――他社でユニフォーム販売とレンタル事業を行っているところはありますか?

橋本氏――少ないと思います。
レンタル専業ですと、皆さんが良くご存じのダスキンさんやサニクリーンさん等ありますが、ユニフォーム販売専業からの出身企業でユニフォームレンタルを行っている会社はあまりないと思います。

お客様から見てユニフォームレンタルは、目に見える形での費用面の圧縮としてはなかなか難しい面もあるのだと思いますが、貴重なリソースをどこに集中して使うか?という考えのもとで、面倒なことを請負う会社として理解してもらっています。

――事業の拡大という目線では、コロナ禍のなか多角化に注目が集まっていますが、どう思われますか?

橋本氏――多角化をしようと海外に出たこともあるのですが、今は日本でのユニフォーム事業を小さい規模ではあるけれど磨き上げていくことに注力しています。

カクテン屋公式ページより

経営の年間計画のなかで、いかにマネジメントして定めた目標値に近づけていくかがビジネスです。
磨き上げたことで目標とした粗利を稼ぎ、社員にも適正な分配ができるようになってきました。
今後、具体的な多角化を考える時もあるとは思いますが、今はコロナ禍で業界全体が疲弊しているときなので、売上不振や後継者問題などでお悩みの同業者がいらっしゃれば、弊社と連携することで我々自身の目標達成も早められるのではないかと思っています。

――10年後の御社のビジョンをお聞かせください。

橋本氏――創業150年の20年後に向けて、自社のことだけでなく業界全体が盛り上がるように、他社さんとの資本業務提携なども念頭に置きながら、利益拡大を10倍、20倍と進めていきたいと思っています。
効率化、能率化といった弊社の考え方や理念を共有いただいた他社さんと共に拡大に向けて進んでいくことで、お客様からのご支持をいただき、今後150年、200年と継続できる会社にしていきたいと考えています。

1 2

橋本哲生
株式会社カクテン屋 代表取締役

投稿者プロフィール
1986年大学卒業後、証券会社勤務を経て、明治24年創業と1世紀以上の歴史を誇るユニフォーム製造・販売の老舗、カクテン屋を承継。ユニフォームの企画選定から、商品管理およびクリーニングまで、ユニフォームに関するすべての業務を行い、HACCPやISO22000等の食品衛生管理に注目が高まる中、奮闘中。趣味はゴルフ。

関連記事

ピックアップ記事

  1. 岩手県紫波郡紫波町で公民連携事業開発コンサルティング業務を手がける株式会社オガール。代表の岡崎正信氏…
  2. 社長がしくじった経験から一定の法則を導き出し、それに学ぶことで成功につなげていこう!との趣旨で開催さ…
  3. 「PR」と聞くと、企業がテレビやラジオなどのメディアで流すイメージCMや、商品やイベントなどを情報発…

編集部おすすめ記事

年別アーカイブ

ページ上部へ戻る