税理士法人2代目の使命は事業拡大と承継問題へのアドバイザー

この記事を読むのにかかる時間: 6

グループとしてのさらなる挑戦

――クライアント規模はどれくらいですか?また、どのような相談が多いですか?

楢原氏――会社設立から携わることもありますし、スタッフを数百人抱える企業もあり規模はまちまちです。
メインは税務顧問で、そのクライアントから相続や事業承継のご相談をいただくケースが多いです。
事業承継税制が変わったことをきっかけに、今まで相続については後回しにしていた方々にも承継準備の提案が受け入れられやすくなっているのを感じますね。

私は前職の税理士法人でも組織再編業務をやっていましたので相談を受けやすいですが、その相手は買手企業が多いです。
税理士と買手は相性がいいのでしょう。
こんな会社を買いたいのだけど、どうだろうか?決算内容を見てきてほしいなどのご依頼が増えています。

税制改正でM&Aで取得した株式等の取得価額の70%を損金算入できる制度ができたことも、まだまだ知られていないですしね。

公認会計士の強みを活かした新分野展開

――なるほど。税理士さんは事業承継のセカンドオピニオンとしても入りやすいでしょうね。

楢原氏――そうですね。弊社の創業メンバーは全員公認会計士から税理士になっている人間で、私自身もそうです。
ですから、上場会社等、大規模法人ならではの組織再編・事業再生や海外取引等、公認会計士としての強みを出して今までやってきました。
今後も、それは生かしつつ、相続や事業承継の分野でクライアントの力になっていきたいですね。
弊社の各拠点での事業承継の実績と経験、そして私自身の独立前の税理士法人での事業承継とその後のPMIの経験を、今後の新たな業務に活かしていければと思っています。

東京本部拡大とパートナー連携

――10年後のイメージを教えてください。

楢原氏――税理士法人は今では珍しくないですし、多くのクライアントを抱える規模の大きな事務所も増えています。
私たちのグループは、今全体のスタッフ数が100人ちょっとです。
今後は、志を共にできるスタッフを各拠点に迎えて、法人全体で倍増することを目標に掲げ、大規模事務所と肩を並べられる組織にまで発展していきたいと考えています。

それにはまず東京本部の拡大が必須ですね。
60以上の事務所が提携している「優和会計人グループ」というのがあるのですが、そこでは連携を密接にとりながら、共同で商品開発をしたり、会員間で共同研修を定期的に実施したりしています。
このパートナーを増やすことにも注力したいと考えています。

YouTubeでの情報発信や海外進出も視野に

楢原氏――規模拡大とともに、目標とする業界内での知名度アップについても、各拠点を横断して若手間でアイディア出しするなかでYouTubeを使って情報発信する試みの発案もされています。
今後の変革がいろいろと楽しみな段階です。

――YouTubeですか!視覚にも聴覚にも訴えられるツールでいいですね。他に考えていらっしゃることは?

今コロナで海外進出は難しいですが、一時期、会計業務のアウトソースの拠点を海外に設ける流れがありました。
AIが進むなか今後は未知数ですが、国内では人材不足問題を解消できないので、今後海外展開もできればいいと個人的には思っています。
アフターコロナにクライアントの海外進出が再開したときには、海外拠点で現地の会計アドバイスができるようになればいいですね!

また、シナジー効果が期待できるような他業種と協調して顧客拡大していくことなども考えながら、2代目の使命として先代が果たせなかった夢を果たしていきたいと考えています!

1 2

楢原一典
税理士法人優和 東京本部代表

投稿者プロフィール
茨城県にて生まれる
公認会計士・税理士・社団法人日本証券アナリスト協会検定会員
早稲田大学政治経済学部卒業後、あずさ監査法人入所
主に生命保険会社の法定監査を担当し、連結財務諸表監査、自己査定監査等に従事
その後税理士法人勤務を経て、平成19年楢原公認会計士事務所開業
平成30年10月税理士法人優和加入
後継者育成等に特化した税務支援業務等に従事

関連記事

ピックアップ記事

  1. 岩手県紫波郡紫波町で公民連携事業開発コンサルティング業務を手がける株式会社オガール。代表の岡崎正信氏…
  2. 社長がしくじった経験から一定の法則を導き出し、それに学ぶことで成功につなげていこう!との趣旨で開催さ…
  3. 「PR」と聞くと、企業がテレビやラジオなどのメディアで流すイメージCMや、商品やイベントなどを情報発…

編集部おすすめ記事

年別アーカイブ

ページ上部へ戻る