東京と地方、日本と世界。金融リテラシー格差の平準化を目指して(後編)
- 2022/2/11
- インタビュー
目次
WEBメディアでも富の創造をお手伝い
――いま注目が高まっている暗号資産での運用については、どう思われますか。
福井氏――お客さまに買いたいニーズはありますし、スイスではビットコイン連動の債券があるので、日本でも商品化できればいいと思っています。
アメリカではビットコインETF(上場投資信託)※が2021年10月に初めて承認され取り扱いが可能となりましたが、日本ではまだ証券会社が対応できていません。
同じように海外では買えても、日本では買えないものは結構多いので、そういった点で日本と世界の金融格差を感じます。
ある程度資金力がある人ほど、自分で海外の金融機関に依頼し資産運用する方は多いです。
日本の金融商品の幅が世界に比べるとまだ乏しいということですね。
※特定の指数に連動して運用する投資信託の一種で、ビットコイン連動のETFは、ビットコインの価格に連動して価値が決まる上場投資信託のこと。
――革新的金融サービスのためにITやインターネットも活用していらっしゃいますか。
福井氏――金融マンの情報リテラシーを平準化したいという思いで、フィンテック事業を行う会社も経営しています。
また、超富裕層を対象に資産運用に役立つ情報を配信する自社のWEBメディア「WMJ(Wealth Management Journal)」の運営も手掛けています。
われわれの情報発信が金融知識や経験の平準化につながり、より良い富の創造の一助になればいいと思っています。
若い世代に金融教育を
――最近、高校や大学で出張授業をなさったと伺いました。授業の内容や思いをお聞かせください。
福井氏――複数の学校からオファーをいただき、金融特別授業を開催しました。
例えば、高校生向けには「令和時代の資産運用」をテーマに、なぜ資産運用が必要なのか、具体的な運用方法などについて事例を交えてお話しました。
授業に参加した高校生からは「資産運用の重要性がよく分かった」「計画的にライフプランを考えたい」「実際に投資を始めてみたい」といった感想をいただきました。
学習指導要領の改訂により2022年度から高校家庭科に金融教育が入るので、弊社では今後も出張授業を全国各地で実施する予定です。
大人になってから困らないくらいの金融リテラシーを身に付けてもらえるよう、若い世代への授業や講演、セミナー、コラムの執筆などは積極的に行っていきます。
夢は人を育て金融格差をなくすこと
――次世代の育成にも尽力されていらして素晴らしいですね。最後に、今後の夢や目指されていることを教えてください。
福井氏――日本で一番多く優秀なプライベートバンカーを輩出する企業になりたいです。
人のために努力できる人はこの仕事に向いているので、仲間を増やして優秀な人材を育てて輩出し、金融業界におけるプライベートバンカーのステータスを底上げしていきたいですね。
夢は、東京と地方における金融のサービス、知識、経験、リテラシーなどの格差をなくし、さらには日本と世界の金融リテラシーの格差を平準化することです。
そのためには、最終的にはわれわれが国内のIFA事業の預かり残高No.1を誇る業界のリードランナーとしてネットワークを国内各地に広げていくこと、そして金融教育においても先導役になることが目標です。
その時の状況にもよりますが10年くらいでアジア拠点も広げていければ面白いですね!
――本日はありがとうございました!
インタビューの前編は、「富裕層のニーズにオーダーメイドの商品、サービスで応える」でご覧いただけます。