事業投資とは?②「株式投資型」クラウドファンディングから得られるもの

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企業の事業変革を支援する本メディアZ-ENによる、事業投資への理解を深めていただくシリーズ2回目は、クラウドファンディングにみる事業投資「株式投資型」について。クラウドファンディングとは、企業や個人が事業やアイデア実現のためのプロジェクトをサイト上に公開し、多数の支援者から資金調達する手法のことです。「購入型」が身近になりつつあるなか、Z-ENが注目するのは、登録業者が扱う未上場株式をインターネット上で購入・投資できる「株式投資型クラウドファンディング」。投資家への門戸が広く開かれている事業投資のひとつとして知っていただきたいと思います。

株式投資型はそもそも盛り上がっているのか

何かモノをつくるので先に買って欲しいという「購入型」のクラウドファンディングは盛り上がりを見せていますが、「融資型」や今回取り上げる株式投資型は、まだまだ規制も多くこれからの市場といえます。

「株式投資型」クラウドファンディングで募集される、未上場ベンチャーの未公開株式は、本来はベンチャーキャピタル等のプロ投資家の領域でハイリスク・ハイリターンの分野。
そもそもこれまでは、これらの情報に一般の投資家はアクセスできませんでした。

未上場株式への投資が一般の人々に手の届くものになった現状と背景を踏まえ、投資額の上限を1社50万円までに金融庁が規制しています。
これは、投資家保護の観点です。

50万円の上限額では、仮に株式公開して株価が数倍になっても、熟練の投資家には面白みがありませんから、投資家は未上場会社の将来性や事業性を純粋に応援したい人や、将来のIPOやM&Aにより得られるリターンを期待して投資するということになるでしょう。
生のベンチャー起業家の想いに触れる機会や、投資の勘所をつかむ機会と捉えるのもいいかもしれません。

一方、資金調達をする事業者側としても、小口投資家からの資金を受け入れたくとも、小口になればなるほど情報開示のための事務手間やコストが嵩み、これまでの課題となっていました。
しかし、「株式投資型」クラウドファンディングの登場により、一般投資家にも広く情報が行き渡り少額投資資金を得やすくなりました。

今や「株式投資型」クラウドファンディングは、事業者にとっては、VCやエンジェル投資家※1に次ぐ第三の資金調達先となっています。
課題はあれども、「株式投資型」の認知度も高まり盛り上がってきているのは事実です。

※1 創業間もないベンチャー企業やスタートアップ企業に資金を供給する富裕な個人のこと

出典:金融庁 成長資金の供給のあり方に関する検討

実際の利用状況

「株式投資型」クラウドファンディングの分野で実績トップの「FUNDINNO」(旧日本クラウドキャピタル)は2015年の創業以来、着実に実績を重ね、2020年4月時点で以下のような数字をHP上で公開しています。

調達額 79 億 5214 万円
累計成約件数 247 件
ユーザー数 97,611 人

出典:FUNDINNO(ファンディーノ)公式サイト(2022年4月9日現在)より

1件あたりの、調達額は約3,000万円と、なかなかの実績です。
シード段階のベンチャーにとっては、インパクトのある調達額に達しています。

さらに注目すべきは、ユーザー数です。
事業投資というニッチな分野で、約9.7万人の会員は予想以上の数字です。

登録も、投資経験、金融資産などの質問に答え、本人確認書類をスマホで送り10分程度で終了します。
ユーザーインターフェイスも抜群で、ストレスもありません。
そして、実際に案件を見てみると、成長性が高く、社会性もある事業が多く、50万円程度なら最悪損してもよいという気分になってきます。
よく出来ています。

▶株式投資型クラウドファンディングの特長をもっと詳しく!次のページは、「融資型」との違いや優遇税制の視点から株式投資型クラウドファンディングを解説します。

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齋藤 由紀夫
株式会社つながりバンク 代表

投稿者プロフィール
株式会社つながりバンク 代表。
オリックス㈱に16年在籍後、2012年に独立。
スモールМ&Aの普及活動を中心に、事業再生・リノベーション等に注力。自らМ&A・事業投資も行い、数件エグジット済。
経営革新等支援機関(中小企業庁主管、認定支援機関)、事業引継ぎ支援センター 専門登録機関、日本経営士協会 経営士、日本外部承継診断協会 顧問。
趣味は焚火、居酒屋巡礼、トレイルランニング。

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