誰でもわかるNFT~仕組みから将来性までを徹底解説(後編)
- 2022/6/7
- 事業投資
NFTの情報発信メディア「NFT Media」を運営される株式会社トレジャーコンテンツの 代表取締役 小林憲人さんは、日本人がNFT界で活躍できる場を作るべく、「世界を繋ぎ可能性を最大化する」ことをミッションとし、NFTが一般の方に広く認知され活用されていくことに尽力されていらっしゃいます。前編では、NFTのユーザー層や活用事例など、NFTの現状について解説いただきました。さらに、NFT市場が盛り上がっている背景やNFTの買い方・売り方、将来性について、後編でお届けします。Z-EN読者は、NFTを事業投資の一つとして捉えてみるのも面白いでしょう!
目次
NFTはなぜ盛り上がっているのか
今、NFTが注目される理由は以下の4点にあると思っています。
- デジタルなアートの価値が証明されるようになったこと
- 投資対象と認識されるようになったこと
- 特別なコミュニティが醸成されるようになったこと
- 企業の参入による期待が高まっていること
1つひとつ見ていきましょう。
1.デジタルアートの価値の証明
注目される理由の第一は、デジタルなアートに価値が見出されたという点です。
今までは、コピーされたら終わり。
でも、NFTによってデジタルアートに唯一無二の1点物という価値が保証され、価値が担保されました。
結果、リアルなアートを収集されている方もデジタルアートのNFTで買われるようになっているということです。
別の見方をすれば、アート以外のもので、NFTを使ってお金を集めてそこから分配するという試みはいろいろ思いつきますが、法的に難しい問題が多いので実現しない。
アートは法に抵触する部分が少ないので参入しやすく、増えているとも言えます。
ちなみに、今後アート以外のデジタルデータについても価値の証明により注目度の高まりが起こるかと思います。
2.投資対象としての認識の高まり
第二に、NFTを使って購入したものの価値が上がるということで、投資の対象として見られるようになったことです。
5倍、10倍と値段が上がっていくことでリターンを得られます。
賛否はありますが、投機目的のコミュニティの存在が、アートの売買を盛り上げているという流れがあります。
3.コミュニティの醸成
第三に、NFTを保有している人だけが参加できるコミュニティを作ろうという動きが出来上がり、所属意識をくすぐっている点です。
例えば、新潟の山古志という村民が800名のエリアに、NFTデジタル村民を募集するという試みがあります。私も村民になりました。
また、起業家だけが集まるコミュニティや、最低〇〇ETHのNFTを1億2千万円買わなければ入れない超セレブだけのコミュニティなど、さまざまなコミュニティがNFTを活用しています。
とはいっても、NFTを熟知し実際に売り買いする人はまだ少なく、好奇心旺盛な人たちの間でだけ起こっている現象です。
4.企業の参入
第四に、さまざまな企業がNFTに参入し始めているという点です。
最近はNFTがテレビで報道されたり、芸能人が参入してゲリラ的に売り出したりすることが起きていますが、日本の大手企業である楽天、GMO、SBI、LINEなどがプラットフォームを作ることにより、注目度はさらに高まっています。
まだまだ、NFTはこれからビジネスの手段の一つとして加速していくでしょう。
生活に根差すかどうかは未知ですが、盛り上がっているのは確かです。
NFTの買い方・売り方を伝授
実際にNFTを売買してみたい方に、その方法をご紹介します。
NFTを買うのも売るのも大きく分けると4つのステップがあります。
- プラットフォームへの登録
- ウォレットを作成して仮想通貨を購入
- MetaMaskを作成し自分のプラットフォームと連携させる
- 「Open Sea」などのマーケットプレイスで作品の購入・出品
実物の所有権とNFT保有者の権利関係
ちなみにNFTについて、現在NFTだから法的な拘束力がある、ということはありません。
それは法整備が追いついていないからです。
NFTで売買されるデジタルデータの権利は、アートであっても音楽であっても、売り手と買い手の約束に基づいています。
そのデジタルデータは、購入者がビジネス利用など好きに使っていい権利なのか、2次販売していい権利なのか、はたまた実物の所有権も紐づいているのか?…権利の制限の度合いを決める法律などありません。
売買した双方の約束によって決められるのです。
詳しく知りたい方は、弁護士の方の見解を聞いていただけたらと思いますが、現状の法的なルールに該当するものの代替としてNFTを使う場合は注意が必要です。
NFTの権利周り
NFTの保有者に対しては、「利益の配分」と評価されています。
ブロックチェーン上に記載されたNFTに利益配分があるなど、金銭等の交付がなされた場合には、金融商品取引上の「有価証券」に該当する可能性が高まります。
法律上はNFTだからOKということではなく、実際の事実としてどういうものなのかが見られるからです。
ビジネスとしてNFTで多くのことができる一方、実際の場面では、弁護士などに、法律に抵触しないかを確認するのを怠らない注意が必要です。
税制周りはどうなっているか
NFTの売買には税金が発生します。
NFTを暗号資産などの資産と交換した場合、所得税の課税対象となります。
繰り返し行うと事業所得と見なされますので、税理士に相談しましょう。
▶NFT市場が拡大していく背景がよく理解できたのではないでしょうか。NFTの今後の展開について、次のページでお伝えします。