事業投資とは?⑤ 誰もがエンジェル投資家になれる!開かれた投資の時代
- 2022/6/23
- 事業投資
創業間もない企業に投資する富裕な個人、エンジェル投資家。そのイメージは、会社を売却した有名社長や、上場企業のオーナー社長などではないでしょうか。創業当初から数億円以上の資金調達を必要としIPOを短期に狙うベンチャー企業の場合はそうかもしれませんが、実はその他多くのベンチャーにおいては、エンジェル投資家の顔ぶれも役割も、少しずつ変化してきており、誰もがエンジェル的役割を担える環境が整いつつあります。
事業投資への理解を深めていただくシリーズの5回目は、ベンチャー企業への投資スタイルが変化している現状から、エンジェルとしての事業投資のあり方に迫ります。
資金提供以外の支援
多くのスタートアップ企業にとって、最優先で必要なものは「資金」ですが、アイディアとやる気以外何も持っていないケースが多いというのが実態です。
また、次のニーズとして、「取引先開拓」「人材採用」「事業戦略づくり」「組織の制度設計」「資本政策」「トラブル対応」なども待ち受けており、解決すべき課題は山積しています。
このような悩みに対する解決策を出すことにより、時には単に資金提供するエンジェル以上の信頼関係を経営陣と構築することができます。
その結果、ストックオプション(自社株を一定の行使価格で購入できる権利および報酬制度)の付与や、社外取締役就任、コンサルタント契約などに結びつくことも珍しくありません。
少額支援のエンジェル投資家
株式投資型のクラウドファンディングの登場により、数十万円の出資でも株主になれる制度が広がりつつあります。
もちろん自己責任が原則ですが、プラットフォームを提供している側が、一定の審査を行っているため安心感もあります。
また、シードと呼ばれる創業期においては、一投資家あたり数百万円程度の出資額が多く、ハイリスク・ハイリターンの投資としてワクワク感を味わうこともできます。
熟練エンジェルの方のなかには、シード段階、一投資200万円と決めて分散投資している方もいらっしゃいます。
待っていてもいい案件はやってこない
事業投資の基本ではありますが、あなたが著名な投資家でもない限り、ただ待っていても良い案件がやってくることはありません。
それどころか、詐欺案件を紹介されるケースもあるかもしれません。
やはり良い案件は、自ら調べ、足を運び、社長と面談することが大事です。
事業投資、特にベンチャー投資は実績がないため、調査するにも限界があります。
資金調達する側に悪意があった場合、見抜くことも、詐欺として立証することも難しいです。
そのため、自分以外に誰が投資するのか、経営者はどんな経歴の持ち主かなどを調べ、主体的に事業に関与する姿勢も必要です。
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