社長のしくじりラボ①夢の創造を諦めない!~花蜜幸伸さん

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会社とは社長の器で全てが決まる。経営者自身の考え方や生き様が色濃く反映されるから、成功の方法は経営者の数だけあり再現性は低い。しかし、しくじった経験には一定の法則があるはずだから、我々は、社長の失敗から学ぶべきだ。社長の失敗は貴重な資産である。こんな考えでスタートした「社長のしくじりラボ」。第1回目の講演内容をお伝えします。

「社長のしくじりラボ」開催

5月18日(木)18:30~20:00
参加者 30名

講師 花蜜幸伸

【経歴】
1969年和歌山県生まれ。
1987年バイク便会社を創業した後、1999年に夢の街創造委員会(出前館)を創業。2006年 大阪証券取引所ヘラクレスに上場する。
2014年、外資系ファンドに騙されて10億円の借金を背負い、翌年、東京地検特捜部が金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で在宅起訴するも、無罪を主張し最高裁まで争う。
現在は、犬猫の殺処分ゼロの実現を目指す世界最大級保護施設「ペットの里」と、世界平和実現を目指した「ピース乾杯プロジェクト」の2つの事業を推進中。
高野山真言宗にて得度。
近著『僕は夢のような街をみんなで創ると決め、世界初の出前サイト「出前館」を起業した。』

講演内容

起業→上場→資産は借金だけ

21歳でのバイク便事業で起業し、12年後の1999年、友人たちを出資者に募り「夢の街創造委員会」を設立。
日本で初めてインターネットによる宅配事業「出前館」を始めます。

ネット環境が整っていない時代に一人苦戦を強いられますが、街の小さな飲食店の親父さんたちに出資してもらい、1年間で2,800の加盟店を増やすことに成功。
紆余曲折を経て代表を後任に譲り、会社は上場。
ただし、度重なる資金調達で、創業者持株比率は減り上場による資産形成はできず。

その後、特別顧問として関わり、株価も順調に上昇。
しかし外資系ファンドとの対抗戦に敗れ、借金だけが残る。
まさに、ジェットコースター人生のスタートです。

逮捕後の有罪判決からの再起

お金を返したいと思い引きこもっていたある朝、金融取引等監視委員会がやってきて相場操縦の罪で逮捕され、後に新聞の一面に「出前館創業者!相場操縦疑い、強制捜査」といった記事も出ました。
裁判では弁護団を結成して無罪を主張。
しかし、懲役3年、執行猶予4年、罰金2000万円、追徴金1億2千928万5500円という有罪判決を受けます。
株価暴落で借金10億円、住所不定無職により引きこもり8か月、金融庁による取り調べ1年2か月、東京地検特捜部の取り調べ2か月、無罪主張で最高裁まで2年4か月、合計4年4か月の間、何もできない期間を過ごしました。

新しい夢の創造へ

逮捕されるのではないか?と不安で押しつぶされそうだった時期、魂がしびれることをやらないと生きていけないと考え、岩手県に土地を購入。
現在そこで、犬猫の殺処分をなくそうという事業「ペットの里」と、世界平和の実現を目指す「ピース乾杯プロジェクト」をやっています。
どん底だった当時の一番の心の支えは、この土地で事業を立ち上げるんだという思い。
やり残した夢に向けて、諦めない第2の起業家人生のはじまりです。

この事業を始めて支援者も増え、9年が経過。
健康不安のある高齢者がペットに保険金を残せる、シニアペットブームを巻き起こそうと考えています!

「ペットの里」オフィシャルサイトより

講演を終えての感想

花蜜さんの講演を聴講した参加者のなかから、日本経営士協会の松尾拓也さんと中村純二さんに感想をお聞きしました。

松尾拓也さん

松尾拓也さん

コロナ禍以降、ますますよくその名を聞くようになった出前館の創業者、花蜜幸伸さんは、なんと言ってもバイタリティーがすごい。
免許を取る前にバイク便の事業をスタートさせ、創業時からジェットコースターのようなエピソードの数々。
全てを失ってからも、「世界平和」を旗印として新たな事業に再挑戦する屈強な精神に感服します。

まさに、全てが規格外。
バイタリティーと諦めない力、そして巻き込み力は一体どこから湧いてくるのか。
それは、きっと「やりたいことがある」「見たい景色がある」ことの強さなのでしょう。

私達は、経営者としてどれほどの強さを備え、やりたいことや見たい景色を追っているか。
そして、しくじりからまた這い上がる強さを持っているか。
そんなことを考えさせられました。

中村純二さん

中村純二さん

とにかく規格外の花蜜さんのお話に吸い込まれました。
まずはアイデアを形にする実行力と人を巻き込む人間力
そして、これだけ色んなことに巻き込まれながら今も衰えない、あくなき事業意欲がすごい!!

お話を伺うまではどんなギラギラした方なんだろうと思っていましたが、とても淡々とした佇まいの方だったのが意外でした。
修羅場を超えた境地に達した方の凄みを感じました。
自分は社会の、そして人の役に立った活動ができているのか…
そんなことを考えさせられました。

編集部より

経営者の失敗に潜む一定の法則から学びを得る「社長のしくじりラボ」。
第1回目のゲスト花蜜幸伸さんは、経営者の光と影、苦しみを強さに変えていく人間らしさを赤裸々に語ってくださいました。
参加者それぞれが新たな気付きを得る機会になったのではないかと思います。

花蜜幸伸
株式会社 夢の街創造委員会 代表取締役

投稿者プロフィール
1969年和歌山県生まれ。1987年バイク便会社を創業した後、1999年に夢の街創造委員会(出前館)を創業。2006年 大阪証券取引所ヘラクレスに上場する。
2014年、外資系ファンドに騙されて10億円の借金を背負い、翌年、東京地検特捜部が金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で在宅起訴するも、無罪を主張し最高裁まで争う。
現在は、犬猫の殺処分ゼロの実現を目指す世界最大級保護施設「ペットの里」と、世界平和実現を目指したピース乾杯プロジェクトの2つの事業を推進中。
高野山真言宗にて得度。
近著『僕は夢のような街をみんなで創ると決め、世界初の出前サイト「出前館」を起業した。』

松尾拓也
有限会社三愛 代表取締役
行政書士松尾拓也事務所 代表

投稿者プロフィール
1973年北海道生まれ。 石材店・仏壇店の経営と合わせて、行政書士・FP事務所を運営。供養と相続遺言の総合窓口として、シニアの終活をサポートしている。
また、地元の商工会議所や商店会などでの活動を通じて、まちづくりにも参画。豊かに人生を送ることができる地域づくりが目標。
行政書士、宅地建物取引士、2級FP、家族信託専門士などの他、お墓ディレクター1級をはじめお墓・供養業界の資格多数。
趣味は旅行。ちょっと古い車やバイクが好き。
放送大学大学院修士課程修了。放送大学の在学年数は20年を超え、働きながら学び続ける現役大学生でもある。

中村純二

投稿者プロフィール
1965年生まれ、福岡県出身、東京都三鷹市在住。大学卒業後、大手印刷会社に入社。
高松、大阪、東京で23年の営業経験ののち、2010年から販売促進事業の事業責任者として、「新規事業・商材開発支援」、「営業・業務効率改善支援」、「既存設備・技術活用支援」、「製造現場効率改善支援」、「M&A斡旋」での活動実績を持つ。
「徹底した現場主義で社長・現場と向き合う」、「ギブファーストの精神」「成果は山分け」をモットーとして今後、微力ながら日本の中小企業の成長に貢献できればと考えている。

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