急がば回れ?8時間の睡眠習慣が目標達成への最短距離!

睡眠の質を高めることが私たちの心身にとって有益であることは、多くの研究結果からも明らかにされていますが、それでもなお、日本人の睡眠時間は世界的にワーストクラスです。働きすぎやストレスからくる睡眠障害など、現代人が抱える心の問題とも密接な関連を持つ睡眠。睡眠に関する正しい知識を備え、日々のパフォーマンスを向上させましょう。
ブルース・デイズリー著「Google・YouTube・Twitterで働いた僕がまとめた ワークハック大全―仕事がサクサク終わってラクになれる科学的メソッド」から、コミュニケーションデザインや企業支援コンサルタントのエキスパートで書評ブロガー、徳本昌大氏による書評でご紹介します。

本書の要約

睡眠が人のパフォーマンスを左右することが明らかになっています。現代人は睡眠を軽視しますが、その習慣を改めた方はよさそうです。深夜まで働くのではなく、定時に仕事を終わらせ、睡眠時間を確保することが、自分のパフォーマンスを高めるための近道なのです。

Google・YouTube・Twitterで働いた僕がまとめた ワークハック大全――仕事がサクサク終わってラクになれる科学的メソッド
著者:ブルース・デイズリー(ダイヤモンド社)

 

睡眠がパフォーマンスを左右する

ぐっすり眠ることほど良いものはない。睡眠は、パフォーマンスを最高に高めてくれる。それは僕たちを長生きさせ、創造性や記憶力を高め、心臓病や認知症、がんから守り、風邪を予防し、幸福にし、魅力的にしてくれる。しかもタダだ。 睡眠には強力な回復効果がある。満足感が得られるし、目覚めた後は何をするにしても能力が高まっている。(ブルース・デイズリー)

ブルース・デイズリーの「Google・YouTube・Twitterで働いた僕がまとめた ワークハック大全――仕事がサクサク終わってラクになれる科学的メソッド」より、私たちのパフォーマンスに大きく影響する睡眠について書評したいと思います。私たち現代人は、忙しく働くことで睡眠の質を低下させている危険に気づくべきです。

睡眠不足は世界的な傾向

2018年OECDの調査によると日本人の睡眠時間は7時間22分で世界ワーストでした。なんと6時間未満の睡眠時間の人が全人口の4割を占めており、日本人は睡眠を犠牲にしていることがわかります。
フィリップスの世界睡眠調査でも、多くの人が自分の睡眠に満足していないことが明らかになりました。睡眠に満足している人は世界中で半分しかおらず、睡眠が軽視される傾向が見られます。現代人は睡眠の重要性を理解せず、睡眠の改善にも取り組まなくなっています。

大切なのは8時間ぐっすり眠ること

8時間ぐっすり眠れば、カフェインや糖分の多い食べ物に頼らなくても元気に過ごせる。健康上のメリット以外にも、睡眠には僕たちの気分を良くする力がある。毎晩規則正しく早めに就寝し、十分な睡眠時間をとっている人ほど、否定的な考えを持たないことがわかっている。

広告会社で働いていた頃の私は、睡眠を犠牲にし、自分を追い詰めていました。深夜業務が日常化し、いつも体に不調を感じていたのです。このままではいけないと感じた私は脳と体の健康を取り戻すために、13年前に大好きだったお酒を断ち、睡眠の改善に取り組み、今も継続しています。
自分のスケジュールをコントロールし、早寝早起きを心がけ、夜のミーティングを入れないようにしています。会食がある場合も二次会には行かないことをルールにし、12時前までに眠るようにしています。睡眠を意識することで、今では健康体を取り戻すことができ、パフォーマンスもアップしていると実感できています。

睡眠時に高まる学習能力

睡眠には、起きているときに経験したことを整理し、より理解しやすい形で脳に記憶させる働きもある。実際、夢は現実に体験したことの再生のようなイメージを伴うことが多い。

2001年にMITのピカワー学習記憶研究所のマシュー・A・ウィルソンが行った実験で、脳の特徴が明らかになりました。実験ではラットを迷路で走らせ、脳波のパターンを記録しました。ラットを眠らせた後で、脳内をチェックすると、同じ脳波のパターンが繰り返し再生されていたのです。
この時、ノイズになるような情報は再生されず、迷路に関する重要な情報だけが再生されていました。睡眠はその日の体験の中でも、特に重要で記憶に値するハイライトだけを脳に刻み、ノイズを捨てる働きをしています。ラットは昼間に体験した重要な行動を記憶し、理解を深めているのです。

良質な睡眠がもたらすパワー

良質な睡眠が学習効果を高めることもわかってきました。ロバート・スティックゴールドとマシュー・ウォーカーは、学生を2つのグループに分けて数学の課題を解かせる実験を行います。一方のグループは、第1ラウンドの問題を解いた後一晩眠らせ、翌日に第2ラウンドを行ったところ、1日で2ラウンドを行った対照群の学生よりも、16.5パーセントも速く第2ラウンドの問題を解答したのです。

また、このグループは別の意味でも頭が冴えていました。この問題には一般的な解法とは別に、わずかな時間で答えを導くことができる「裏技的な」解法が隠されていたのですが、この裏技を発見する能力も睡眠後のパフォーマンスの方が長けていたのです。通常の発見率が25パーセントだったのに対し、8時間たっぷり寝た後で問題を解いた学生は、59パーセントにも達していました。このように、睡眠をとることでより効果的に学習能力を高めることができるのです。

8時間の熟睡が目標達成への近道

逆に、寝不足は健康に悪いだけではなく、仕事上のミスも誘発します。看護師を対象とした多国籍調査によると、睡眠不足は判断力を落とし、ストレスレベルを上げることが明らかになりました。

すっきりとした頭で秩序立った思考がしたいのなら、夜、脳にその日1日に体験したことを整理させ、解釈させる時間を与えなければならない。深夜まで残業しなければ仕事が片づかないと思っている人は、よく考えてみてほしい。8時間ぐっすり眠ることが、結局は目標を達成するための近道だということを。

様々な調査結果によって、睡眠の重要性が明らかになっています。眠ることを軽視する現代人は、一度自分の習慣を見直した方がよさそうです。パフォーマンスを高めたければ、1日8時間睡眠を目標に、そこから逆算し、スケジュールを組み換えましょう。

 

徳本氏の著書「「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)」

出典:徳本昌大の書評ブログ!毎日90秒でワクワクな人生をつくる「無理は禁物?パフォーマンスを高めたければ、睡眠習慣を見直そう!」

この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。

徳本昌大

徳本昌大
Ewilジャパン取締役COO
ビズライト・テクノロジー 取締役
みらいチャレンジ ファウンダー

投稿者プロフィール
複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。
特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。

現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動中。
また、多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施。

ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。
マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

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