【書評】創造力を育もう!誰でもできる自由な発想の育て方

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課題を可視化し優先するものを見つける

トレードオフの課題やニーズを見つけるためには、以下の3つのステップを実践しましょう。

  1. 現状、抱えている大小さまざまな課題やニーズを可視化する
  2. 1の中から、統合すべき課題やニーズを選択する
    その際、課題やニーズを解決したときにインパクトが出るように、以下の2つの基準で判断する。a  課題やニーズの重要性
    b  課題やニーズのトレードオフ関係の強さ

解決しようとしている課題やニーズが重要であればあるほど、大きな価値を生み出すことができます。
そして、トレードオフ関係が強ければ強いほど統合することが困難であり、課題を解決した先に新しい価値を生み出せるようになります

3.うまく組み合わせが作れない場合、以下の2つの視点で考える。

a 選択した課題やニーズの真逆の状況を考え、その状況の構成要素を考える

「安く食事をしたい」というニーズがあるとします。
このニーズの真逆の状況は、「費用が高い食事」です。
そこで、「費用が高い食事」を構成する要素を具体的に考えてみます。
「美味しい料理」や「高級なレストランの内装」などが思い浮かびます。
ここから「安く食事をしたい」というニーズと「美味しい料理が食べたい」というトレードオフの関係の組み合わせを見つけることができます。

b 選択した課題やニーズを実現する際に、その真逆の要素を考える 何が制約(ボトルネック)になるのかを考えて、その真逆の要素を考える

コロナ禍の中、プロの美味しい料理を食べに行くことができなくなりました。
制約の真逆となる「自宅でも食べる」というニーズを満たすことで、シェフの派遣サービスが一気に拡大したのです。

応用するためのアナロジー思考

アナロジー思考とは、応用する力のことです。
物事と物事の間にある共通点を見つけ出し、取り組もうとする課題に応用していく思考法です。

三菱重工業代表取締役会長 大宮英明氏は、「アナロジーとは、『これは何かに似ていないか』『何かと共通性はないか』と考えること」だと話されています
フレームワーク上の要素に類似する他の物事を結びつけて新しい発想をしたり、本筋への理解を深めようとしたりする考え方です。
このアナロジー思考を使うことにより、他の人では思いつかないような物事の繋がりや共通点を見つけて、新しい発想を生み出せるようになります。

※プレジデントオンライン「仕事に革命を起こすアナロジー思考とは」より

転換思考で既成概念を取り払う

転換思考とは、先入観や思い込み、常識を捨てて、新しい枠組みで物事を捉える考え方です。
もう少し噛み砕くと、常識を真逆にひっくり返したり、ずらしたりして物事を捉える思考法といえるでしょう。

大胆な逆転的発想

転換思考は思考を一気に真逆に振る大胆な思考法です。
最初は、すぐにいい発想に至らなくても気にせずに、このように思考の幅を広げていくことで、常に大胆な発想をしていきましょう。

真逆の考え方を取り入れてみるといっても、すぐにはしっくりこないかもしれません。
でも、繰り返しやっていくうちに、こんな考え方もありだな、使えるんじゃないか、という新たな発想に目覚めるきっかけになることもあるのです。

事実を洗い出し創造性を鍛えよう!

シーンを構成する3つのW(Who、Where、When)をさまざまに組み合わせ転換させることで、同時に課題も転換でき、発想が広がる。
結果、思ってもみなかった解決策が生まれるようになります。
さらに、解決策のWhatとHowをも転換することができれば、解決策の幅も広がっていくのです。

ブレストを通じて生まれたアイデアを深掘りする際に、この転換のメソッドを使うことで、アイデアの質が向上し量が圧倒的に増えていくことを実感できます。
Who、Where、When、What、Howを転換することを身に付ければ、常識破りのアイデアを生むことも可能です。
こうして創造力の鍛錬の繰り返しによって、面白いアイデアを生み出すことがいつしか自分の強みになっていくことでしょう。

統合思考とアナロジー思考でアイデアを生み出し、アウトプットを積極的に行う。
そして、転換思考を使いそれらを変化させることで、創造性は飛躍的にアップします。

本書には、私が広告会社で学んだアイデアの作り方が、わかりやすく説明されています。
著者が紹介しているケーススタディとその解説も面白く、多くの学びを得られます。

徳本氏の著書「ソーシャルおじさんのiPhoneアプリ習慣術」(ラトルズ)

出典:起業家・経営者のためのビジネス書評ブログ!「創造力を民主化する たった1つのフレームワークと3つの思考法(永井翔吾)の書評」
この記事は著者に一部加筆修正の了承を得た上で掲載しております。

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徳本昌大
Ewilジャパン取締役COO
みらいチャレンジ ファウンダー
iU 情報経営イノベーション専門職大学特任教授

投稿者プロフィール
複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。
現在、IPO支援やM&Aのアドバイザー、ベンチャー企業の取締役や顧問として活動するなか、多様な講師をゲストに迎えるサードプレイス・ラボのアドバイザーとして、勉強会を実施中。
ビジネス書籍の書評をブログにて毎日更新。
マイナビニュース、マックファンでベンチャー・スタートアップの記事を連載。

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