誰でもわかるNFT~仕組みから将来性までを徹底解説(前編)
- 2022/6/2
- 事業投資
NFTメディアの運営やNFTのコンサルティングなどを手掛け、NFTで新たなビジネスを展開する方をサポートする株式会社トレジャーコンテンツ 代表取締役の小林憲人さん。暗号資産であるビットコインを2016年時から追いかけ、ウォレットの開発も手掛けるなかNFTに出逢い、その面白さに将来性を感じ、オンラインメディア「NFT Media」を開始されたといいます。昨年2021年は大手企業の参入や高額アート取引で一気に注目度が高まり、今までになかった世の中の到来を後押しするNFT。小林さんが前・後編に分けてわかりやすく、多角的に解説してくださいます。
目次
NFTの現状とかかわり
株式会社トレジャーコンテンツ代表の小林憲人です。
今回は、誰でもわかるNFTを掲げ、NFTの仕組みから将来性までを解説しますので、ぜひNFTの全体像を掴んでいたんでいただきたいと思います。
急速に盛り上がるNFT市場
NFTの始まりは2017年ごろと言われています。
その当時の市場規模は約3,000万ドル(約30億円)程度でしたが、多くのビッグニュースにより注目が集まった2021年には、約7億1000万ドル(約710億円)と、なんと20倍以上もの市場拡大を見せました。
NFTの注目度が高まるとともに、さまざまなマーケットプレイスが台頭しています。
例えば、世界最大のプラットフォーム「OpenSea」は、月間およそ1億回見られています。
日本では楽天やGMO、LINEが参入し、NFTを売買できる場所が増えるとともに市場も活況化しています。
「NFT Media」の立ち上げ
当初は私もプラットフォームビジネスにて業界参入を考えました。
しかし、私や弊社のメンバーがそもそもNFTに惹かれたのはその仕組みにありました。
努力した人が報われる仕組みをNFTを使えば作ることができる、そして今よりもさらに便利な世の中になるだろうと。
そう考えた時に、「多くの人にNFTの可能性と面白さを知ってもらう」方がより世の中にとってインパクトがあるのではないかと考えました。
そのアウトプットがメディア運営という選択肢でした。
ただ、メディアは収益化が遅いので、ビジネスとして見た時には正直あまりいいとは思っておりません。
しかし、それでも私たちが国内外の情報をまとめあげ、日本語で配信することによりNFT参入者が増えれば世の中はもっと面白くなる。
その思いでNFTの専門メディアであるNFTMediaを立ち上げることとなりました。
おかげさまでアクセス数トップクラスのNFT専門メディアに育ってきています。
NFTとは、一体何か?
デジタルだと誰の所有物かがわからない
例えば、みなさんの家や車には現物という証明があり、賃貸借契約などでも契約書という証明書があります。
今まではそういったものが現物を証明するものでした。
では、デジタルを証明するものって何なんでしょう。
例えば、集合写真が綺麗に撮れたので私がそれをfacebookにアップしたとします。
その後、写真に写っていた他の方々もその写真をダウンロードして自分のスマホにそれぞれ保存することになると、同じ1枚の写真が何十枚と存在することになります。
この場合の「本物」ってどれなのか?
これは、デジタルのアート、写真、イラストすべてに起こり得ることです。
非常に有名な方のデジタルのイラストでもコピーして保存すれば本物と同じもの。
誰でも画像データや音声データを複製して保存できてしまい、悪意のある人が転売することもできる。
デジタルデータの所有に関する大きな問題は、簡単にコピーできて、目の前に見えているものが誰の所有物かわからないことにあるのです。
NFTでデジタルの所有者を特定可能に
NFTとは「Non-Fungible Token」の略だと説明されますが、簡単に言うと、デジタルデータに関する証明書のことです。
そして、その証明をしているのがブロックチェーンです。
NFTはいつ、誰が、どんなデジタルデータを右から左に動かしたのかがブロックチェーン上にすべて記録される仕組みになっています。
ブロックチェーン上では、デジタルデータが誰のものかがわかるので、誰でも「本物の」デジタルデータを安心して所有することができるのです。
▶ NFTがデジタルデータの所有を証明するものであることがわかりました。次のページでは、盛り上がりを見せるNFT市場の現状に迫ります。