ビジネスもレジャーも世界が注目する投資先“アフリカ”に迫る!(後編)
- 2022/9/8
- 事業投資
私たち日本人にとって未知の大地アフリカ。アフリカは遠い国というだけでなく、その多様性や植民地から脱するまでの歴史について知る機会が少ないものの、着実に持続的な急成長を遂げています。若年世代を中心とした爆発的な人口増加による市場への期待と、暗号資産をはじめ先進諸国の先を行く勢いでITインフラが整備されていくなか、今後さらにアフリカにビジネスチャンスを見出す国や企業が増えていくのは確実です。
アフリカでビジネスの経験を積み、日本人の知らない先進的なアフリカの多彩な面を前編で解説してくださった田渕陽氏が、後編では、世界から投資先として注目されるアフリカの現状とブレジャー(BUSINESS × LEISURE)のすすめについてお話くださいます。
目次
アフリカへの投資状況
アフリカ最大の投資元は中国
アフリカには多くの魅力と可能性があるため、世界各国が進出を急いでいますが、中でも圧倒的な存在感を発揮している国が中国です。
現地のスマートフォンのシェアをみても、サムスンが16%のシェアを保っているだけで、それ以外は全て中国製という具合です。
中国参入の強さは、電車、道路、空港やエアラインなど、インフラに投資していることにあり、国によっては、その全てを中国政府が行っている状態になっているところもあります。
投資先として有望なアフリカ
アフリカはすでに寄付先ではなく、投資先になっている、という概念を持っていただきたいと思います。
例えば、世界の人々が良かれと思って、不要になった衣類を寄付品としてアフリカに届けます。
ですが、残念なことにその多くがゴミとなり、環境破壊にも繋がっているのです。
自分にとって不要なものは、どこに行ってもゴミになってしまうということですね。
また、現地の衣類の販売ルートを潰す場合もあるなど、寄付は現地のビジネスも壊す側面も持っています。
ルワンダの変遷に見るアフリカの現状
例えばルワンダは、1994年に3ヶ月で100万人が虐殺された不幸な歴史のある国ですが、あれから20年が経ち、昔のイメージはないIT立国です。
日本の20年と、世界の20年はスピードが違うのです。
ルワンダは海がない内陸国であるため、直接的な海外貿易ができません。
そのため、ITに力を入れ、スタートアップ企業を育成したり、誘致したりするなどして、投資を呼び込んでいます。
法人税もアフリカ各国は30%のところが多いのですが、セクターごとに分けて法人税を変えています。
また、世界的な企業がアフリカに拠点を設立してくれたら税率を優遇するという政策を打ち出していて、フォルクスワーゲンの工場誘致にも成功しています。
今後、このルワンダのやり方を真似る国も増えてくるでしょう。
教育面でも、公立の小学校の授業にパソコンの授業があり、未来のIT技術者養成に積極的に取り組んでいます。
様々な分野において、ITを積極的に取り入れている国です。
ゼロに等しい日本の存在感
ザンビアのある学校に行った際、その壁に地図が描かれていましたが、日本列島がありませんでした。
それほど母国は存在感がないのかと、衝撃を受けました。
これが全てではありません。
しかし、このような現実が実際に起き、アフリカの子ども達は日本列島のない世界地図を見ながら育っているのです。
アフリカに行くまで日本は世界の中でも有名な国で、皆が知っている国だと思っていました。
が現実は、日本の存在は非常に希薄で、ほとんどの人に認識されていないことを強く感じました。
現在、アフリカには中国人が10万人超いますが、日本人はわずか7,600人しかいません。
この7,600人の中にJICAや国の職員も含まれているため、いかに少ないかが分かるでしょう。
アフリカでは、日本人はその見た目からすべて中国人だと認識されてしまいます。
それだけアフリカにおける日本の存在感はありません。
私たち日本人がアフリカを遠い、関心の持てない国として感じていることの裏返しなのかもしれません。
日本は少子高齢化、人口減少が問題になっていますが、真逆の様相を呈するアフリカは、若年層の人口増加が顕著で、近い将来、世界の4分の1の人口を抱える地域になります。
だからこそ、アフリカにすむ人々の意識から日本を消失させてはいけないと、強く感じています。
自分に危機感を与える意味でも、この時に経験した地図は私の心の中に常にあります。
▶投資先として世界から注目されているアフリカ。次のページでは、筆者が提唱するアフリカでの「BUSINESS × LEISURE(ブレジャー)」についてお届けします!