IEOやDAOへの投資は魔界への入り口か?(前編)
- 2023/6/13
- ファイナンス
目次
下落傾向が続く
5つのプロジェクトのうち4つのトークンの現状価格はIEO販売価格を下回っています。
Comsaは約マイナス96%で、IEOから1年も経っていない琉球コイン(FCR)も販売価格からマイナス86%以上価格が下落しています。
5つの中でPalette(PLT)は唯一、現状価格がIEO販売価格を上回ってはいますが、最高価格と比較すると現状価格はマイナス88%とかなり下落しているのが実状です。
参入タイミング次第ですが、含み損を抱えているホルダーが多いのが現状でしょう。
國光DAOと琉球コインは、1ヶ月の想定取引高が調達金額の1%を切っていて流動性が低く、資金調達後1年ほどですでにプロジェクトへの関心がかなり低くなっていると思われます。
Skebは複数の海外暗号資産取引所にも上場していて、取引高は調達金額に対して大きいですが、最高価格からすでにマイナス78%下落しています。
Pump&Dumpと死のへの字曲線
これらのIEOプロジェクトが、ここから復活するのか?というと、個人的にはかなり難しいと思います。
似たようなことは、多くのNFTコレクションにも当てはまりますし、いわゆる「Pump&Dump※」が疑われ、IPOでいう「上場ゴール」と同じ構造です。
※ Pump&Dumpについては、こちらの記事をご参照ください。
仮想通貨のPump&Dumpってなに?|マイナビニュース
「Pump&Dump」や「上場ゴール」のチャートは、への字のような曲線を描きます。
これは、「死のへの字曲線」とも言われる曲線です。
取引開始直後に価格が一気に最高値まで上がり、その後は長い時間をかけて下落していくパターンです。
DAOはIEO以上にカオスな世界
前述のとおり、IEOは暗号資産取引所を介在する資金調達方法ですので、ICOに比べると幾分リスクは軽減されます。
しかし、流行のDAO(自律分散型組織)でトークンを配って資金調達を行うトークンファイナンスでは、責任の所在も分散化されてしまうため、詐欺を疑われても仕方ないプロジェクトが散見されます。
一般的な金融詐欺案件では、「○○諸島」などの聞きなれない国・地域に登記している運営会社は怪しいなど、判断材料になり得る情報はあるのですが、DAOは登記もしませんので判断材料が少ないのが難点。
プロジェクトが成功するかどうかを見極めることが、かなり困難です。
この続きは後編でお届けします。ハイリスク・ハイリターンな、web3の「魔界」と呼ばれる世界での投資について、その注意点を中島さんが解説してくださいます。お楽しみに。