連結財務諸表で管理業務を強化!メリットや実際の流れを解説
- 2023/9/18
- ファイナンス
目次
連結決算の流れ
連結決算は、以下の流れで行われます。
1. 個別財務諸表の作成・収集
↓
2. 個別財務諸表の合算
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3. 連結修正仕訳の作成
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4. 連結財務諸表の作成
個別財務諸表の作成と情報収集
まずは企業ごとに個別に財務諸表を作成します。
財務諸表には損益計算書・貸借対照表・株主資本等変動計算書が含まれます。
グループ内での取引情報の相殺消去を行うために、グループ会社間における取引情報・商品の期末在庫金額・固定資産等の購入など、情報を整理する必要があります。
同時に、子会社・関連会社を連結決算の範囲に含めるか否かを判断するため、株式異動明細・融資減・債務保証増減・出向者情報・役員兼任状況・支配取得日・持分比率などの情報も収集します。
個別財務諸表の合算
次に、作成した、個別財務諸表を合算して連結調整前の単純合算財務諸表を作成します。
その際の注意点は、グループ内での勘定科目の統一・在外子会社の外貨ベースの財務諸表の円貨への換算・決算期ずれの調整などです。
子会社の決算日と連結決算日のずれがある場合、3か月以内であれば必要な調整を行い連結することができますが、3か月を超えると連結決算日に仮決算を行わなければなりません。
連結修正仕訳の作成
次の工程は連結修正仕訳の作成です。
連結修正仕訳とは、グループ会社間での取引や貸借を相殺消去する処理です。
連結修正仕訳は、親会社の投資と子会社の資本を相殺する資本連結、親会社・子会社間の内部取引を相殺する成果連結に分かれます。
前期の連結修正仕訳を取り込む開始仕訳や、グループ間での未実現利益の消去、連結税効果会計の適用等も含まれます。
これらは、「開始仕訳」「資本連結」「未実現利益の消去」「連結税効果会計」の順番で行います。
連結財務諸表の作成
連結財務諸表は、単純合算した財務諸表と連結修正仕訳を用いて調整・作成されます。
作成する財務諸表は、連結貸借対照表・連結損益計算書・連結キャッシュフロー計算書・連結株主資本等変動計算書の4種類です。
連結財務諸表の勘定科目については、内閣府が定める連結財務諸表規則などのガイドラインに基づいている必要があります。
連結決算時の注意点
連結決算を行う際には資料準備がかかせません。
親子間取引を相殺消去するためには、日々の取引を入力するときから意識して親子間取引を適切に管理する必要があります。
また、スケジュール管理も重要です。
上場企業は決算日から45日以内の連結決算情報の開示が義務付けられていますので、期日から逆算して個別財務諸表の作成、各種情報の集約、連結財務諸表の作成等、各社が決算スケジュールを立てる必要があります。
まとめ
連結決算、連結財務諸表について説明しました。
このように連結決算を用いることで、事業単体を見るだけではわからないグループ間全体での財政状態、経営状況を明確に把握することができます。
対外的にも信用の高い企業であり続けるための重要な指標となるという認識のもと、ぜひ連結財務諸表の作成を検討してみてください。