時代の先を見据えるМ&A経験者が次にチャレンジする「AgeTech」
- 2020/12/14
- インタビュー
目次
次のチャレンジ、「AgeTech」
三橋社長(Z-EN編集部撮影)
――どうして、この分野を選択されたのですか?
三橋氏――ブレインコンピュータインターフェース(BCI)のビジネス化のためです。
人工知能(AI)に続くキーテクノロジーになるのではないかと言われ、脳とコンピューターが直接連携することで、医療・福祉分野等での活用が期待されています。
まずは、人生100年時代に突入した未来を見据え、高齢者向けテクノロジーである「AgeTech」でのビジネス化を目指します。
「家族信託」をITで普及させる
――まず、家族信託のサービスに着目した理由を教えて下さい。
三橋氏――ご存じの通り、認知症は日本の社会問題となりつつあります。
大切な資産を守る方法として「成年後見制度」と「家族信託」がありますが、十分に認知、活用され普及しているとはいえません。
特に「家族信託」は多くのメリットがありながら、まだ認知度が低く、利用するにも金銭面などでハードルが高いのが現状です。
――家族信託のメリットを教えて下さい。
三橋氏――色々とありますが、最大のメリットは、認知症による「財産の凍結」を回避することにあります。
認知症になれば、所有する財産は事実上凍結され、介護費用の捻出や、自宅の売却などもできなくなります。
それは介護費用を用意する子どもにとって、大きな問題です。
家族信託を使うことで、財産の事実上の凍結を防ぐことができる。
元気なうちに、財産の使い道について親子で話し合うことは非常に重要だと感じますね。
また、家族信託を扱う専門家もまだ少なく、一部の富裕層が利用する制度と捉えられがちです。
だからこそ「IT」を活用し、事務負担、経済的負担を軽減することで、もっと多くの方に使っていただけるサービスとして「ファミトラ」を立ち上げました。
誰でも家族信託を利用でき、後見が始まる前から準備できるという点でメリットが大きいです。
「ファミトラ」https://www.famitra.jp/
引用:ファミトラ公式ページより
――事業承継にも有効な手立てですね。
三橋氏――通常の相続で自社株を譲渡すると、議決権が分散して揉め事が発生したり、経営センスのない方が実質経営権を握ってしまったりする不幸なケースが多々あります。
家族信託であれば、確実に後継者候補へ議決権を移すことができます。
事業承継では一人の人間に株式を集中して渡すのが重要になるため、そういう意味でも家族信託は優れています。
――相性の良い業界はありますか?
三橋氏――銀行、証券、保険、不動産、介護、IFA、税理士などの士業の方々、カード会社と相性が良く、一部業務提携を進めています。
想定以上に反応も良く、周辺業界の方々と、家族信託の普及に注力したいと考えています。
ピンときた方は是非ご連絡ください!
――今後の展望はどのようなものですか?
三橋氏――将来的にはブレインコンピュータインターフェース(BCI)分野での展開が目標ですが、一歩手前のAgeTechのトップランナーになるために、成年後見の代わりとなる財産管理の仕組み「家族信託」のサービスに注力します。
最初の起業はМ&Aという選択をしましたが、今回は2025年の上場を目指したいと考えています。