飲食店経営の奇才が語る「成功の秘訣とエンターテイメント性」(前編)

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長期化するコロナウイルス感染症の経済的影響は、飲食業界に暗い影を落としています。2021年1月に発表された帝国データバンクの調査では、飲食店事業者の倒産は780件と過去最多。しかし、この数値に自主廃業や多店舗経営の一部閉店は含まれないため、実際にはこの数倍に上るでしょう。この環境下でも予約が殺到する弁当屋があります。これまで1,700軒以上の飲食店舗をつくり、8,000人の飲食店経営者と会ったという、店舗ナンバーワンホールディングス株式会社 代表取締役 三浦正臣さんが経営する「海苔弁 いちのや 靖国通り本店」です。三浦さんの飲食店づくりに掛ける熱い想いと、成功の秘訣についてお話を伺いました。今こそ飲食業界への参入のチャンスと考える経営者は必読です!

店舗ナンバーワンホールディングス株式会社 代表取締役 三浦正臣 氏

飲食店づくりは物件と周囲の雰囲気で決める

――これまで多くの飲食店プロデュースを手掛けてきたと思いますが、もう三浦さんが手掛けていない業態はないのではないでしょうか?

三浦 正臣氏(以下、三浦氏)――そうですね。これまで1700軒以上の店舗をつくってきて、「つくっていない業態はない」と自負しています。
チェーン展開で3,000~4,000店出している飲食店でも、バラバラの業態でやっているところはないでしょうね。

以前、店舗流通ネットに勤務していたときには、飲食店、不動産業と金融業をミックスした開業支援をし、物件も紹介するし資金も提供していました。
運良く4年半で上場でき、資金調達して出せるお金も増えました。

海外の飲食店から受けた影響

――退任して、海外へ行かれたとか?

三浦氏――はい。僕の噂も広まっていて、「うちの国で飲食店を出してほしい」とオファーが入るようになりました。
仕事が好きすぎて、退任した2日後には恵比寿のガーデンプレイスに事務所を借りていました(笑)。
それで、バンコクやパリ、台湾などいろいろな国に呼ばれて現地に行きましたね。

当時は主に、物件の取得費用や内装費用などの資金を提供する仕事をしていて、さらに店舗運営も業務委託してもらっていた。
運が良いことに、腕の良い職人さんが僕の周りにたくさんいて、現地に彼らを引き連れて行って開業支援をしていました。
ところが、逆に僕の方が現地で刺激を受けちゃった。
バンコクやパリですごく感化されたんです。

日本では食べたことのない味。
見たことのない食材や調味料。
かっこいい内装。
それに、現地のスーパーマーケットもすごく刺激的でした。
それで、帰りの飛行機の中で「もう1回会社を作ろう!」と思ったんですよね。

現場から感じるインスピレーションが大事

――三浦さんは、感受性が豊かで行動力もすごいですね。しかも、本当にこの仕事が好きなんですね。

三浦氏――それは間違いないですね。
最近は、2020年7月にオープンした「海苔弁 いちのや 靖国通り本店」に夢中になっています。
最初、海苔弁を始めることは役員にもスタッフにも大反対されました(笑)。

六本木ヒルズの横に事務所があって、ちょうど引っ越すタイミングだったんです。
試作をつくるために、できれば厨房付きの事務所が欲しかった。
あちこち探して、今の物件をたまたま見つけまして。
靖国神社の目の前で、事務所から見える景色に惚れました。

「片づけも撤去も自分たちでやるから」と、2020年の5月末にカフェの居抜きを借りて7月にはオープンしちゃいました。
工事は一切外注しないので早いんですよ。
図面も引かせず、僕は工事中現場にいて、「もうちょい右右…はいOK!」みたいな(笑)。
色とか質感とか現場にいないと感じられないことも多いですからね。

この事務所の壁の青色も、現場に入った瞬間「イメージが違う!」と全部塗り直しました。
あとは、アンティークが好きなので自分で買いに行ったり。

1階の海苔弁屋も図面は引いてないです。
同じ幅の木だけで作りました。
本社の引っ越しがきっかけで始めたのですが、本社の1階で日銭が稼げるというのもすごく安心感があります。
事務所の家賃がタダになるようなものですから。

1階を海苔弁屋にしようと思ったのは、物件を見て、「ここなら海苔弁だ」と直感が湧いて。
鳥居のすぐ横っていうのも良いじゃないですか。
それで、ロゴに自分で描いた鳥居を入れたんです。
「靖国」と、店名に入れたかったので、「靖国通り本店」にしました。
きっと、靖国神社の直営店だと思っている人もいるでしょうね(笑)。

海苔弁 いちのや 靖国神社本店前 鳥居を目の前に臨む立地と物件に、すぐに「弁当屋をやる!」とピンときたという

――物件を見たときにインスピレーションがあったわけですね。いつもそういう感じで業態を決めていくのですか?

三浦氏――そうですね。
実は「こういう店をやりたい!」と思って始めたことはなくて、物件を見て、その周辺の雰囲気などを感じていつも決めています。
その方が、成功確率が高いんですよ。

▶三浦さん流飲食店プロデュースのノウハウを実現すべく「東京名物・海苔弁」のスタートです。次のページでお届けします!

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三浦正臣
店舗ナンバーワンホールディングス株式会社 代表取締役

投稿者プロフィール
1980年生まれ、神奈川県出身
2002年、店舗流通ネット株式会社に入社。
24歳で取締役営業本部長になり、同社の上場に貢献。数多くの飲食店プロデュースを手掛ける。2008年には「恵比寿横丁」をオープンし、多くのメディアから注目を集める。
2012年に独立し、ストアクリエイティブ株式会社を設立。海外の店舗プロデュースも手掛けるようになる。
2015年1月、店舗ナンバーワンホールディングス株式会社を設立し、これまでに1700軒の飲食店をプロデュースしてきた飲食業界の奇才。

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