M&Aは実行してからがスタート、重要なのはPMI(統合後)実務
- 2021/5/19
- インタビュー
目次
未知の出版業を事業承継して

Z-EN撮影
――月刊総務を事業承継することは一貫堂の長屋社長が決められたのですか?
阿保氏――はい。買うと言われたときは社員一同「え??」という感じでした。
一貫堂の主軸業務は文具通信販売ですから、出版業を買ってどうするのか?と。
ブランドと時間を買うということで、利益が上がる事業であれば、それを維持できればいいかな?と最初は思っていました。
DDの時は利益確定を心配していましたね。
M&A成約から2年で代表取締役会長に就任しました。
怒涛の2年でしたね。
ソフトランディングで緩やかに譲渡
――M&Aの実務は、どのように行われたのですか?
阿保氏――財務面では弊社の顧問税理士と進めましたが、実行後にキーマンの方々とうまくやれるかがポイントと感じていたので、人任せにせずに主体的に絡んでいきました。
いきなり100%譲渡ではなく、新設法人をつくり段階的に移行するソフトランディング方式を採用し、1年後に完全譲渡となるスキームを採用しました。
歴史ある会社でしたので、スタッフ、出版取次、様々な関係者の理解を得るために良い選択だったと思います。
コロナ禍を好機に
――買収してからは順調だったのですか?
阿保氏――買収後に、心配していたことが的中しました。
譲渡後2年目の決算では、予定の利益を実現できなかったのです。
それでも、キーマンと経営戦略についてミーティングを重ねていたので、いくつかの手は打っていました。
そんな矢先、コロナの影響で企業の総務部門が否が応でも変化への対応を求められたことで、弊社のコンサルティングや情報セミナーなどを有益だと感じてくださる方が増えていったんです。
3期目は予定利益が2倍を超えるまでになりました。
――コロナがいろいろな意味で契機になったわけですね。
阿保氏――そうですね。より総務部門に寄り添い有益なコンテンツを増やそうと、コロナ禍でのパンデミック対策特集などを組んで配信を試みたことが、オンライン会員を増やすことに繋がりました。
今までは情報収集程度だった受け手側も、自ら積極的に情報を取りに来てくれているように感じます。
今まで行っていた年2回のリアルセミナーも、オンラインになったことで会場手配などの準備や参加人数の制限の必要もなくなった。
そのため、セミナー回数、参加人数ともに増やし、より月刊総務のオンラインコミュニティを身近に感じて頂けるようになったと、会員の皆さまの反応から感じています。
総務のニーズを創造する『月刊総務』を目指して
――月刊総務は、今後どのような方向でやっていこうと思われていますか?
阿保氏――総務部門は戦略的になってきていますが、雑務も当然あります。
これらは、ベンチャーや外資系企業などでは、コーポレートサービスという呼び名になって外注の対象になっている。
総務の業務は二分されてきているのです。
経営企画も人事も元をたどれば総務。
総務がどう変化していくか?
環境の変化も見据えて、総務の役割を価値あるものにしていくのが月刊総務の役割でしょうね。
そのためにも、ニーズを先導するコンテンツを世の中に発信し続ける。
その仕組みを構築していくことが、私たちの価値だと思っています。