「健康経営」で働く人とヘルスケア業界を元気に
- 2022/3/25
- インタビュー
人生を豊かに生き、やりがいを持って仕事に取り組む人と企業が多ければ、社会は活気づく。健康管理を経営課題と捉え、従業員の健康維持・増進のための取り組みを実践することで会社の生産性向上を目指す「健康経営」という考え方を軸に、活力ある社会基盤づくりを支援しようと2022年1月、株式会社ヘルスケアバンクを立ち上げた代表取締役社長の島岡達郎氏。「人生100年時代、すべての日本人を健康に!」というビジョンの実現に向けて意欲を燃やす島岡氏が、熱い思いをお話しくださいました。
目次
マインドを変えた演劇との出会い
Z-EN――「健康経営」という領域で新たに事業展開していかれる島岡さんは、これまで、幅広い分野のお仕事を経験していらしたようですね。まずは小さい頃のバックグラウンドからお話いただけますか。
島岡達郎氏(以下、島岡氏)――これからの事業を展開するにあたり、すべての経験が役に立つと思っています。
千葉県に住んでいた子どもの頃はサッカー好きなガキ大将でした。
ところが、父の仕事の関係で2度の転校を経験し、自分の殻に閉じこもりがちな性格に変わっていきました。
新しい環境になじめなかったんですね。
転機になったのは、上智大学入学後に演劇に魅了されてサークルに入ったことです。
人前で演じることが楽しく、いつしか前向きな性格になっていました。
そのうち演劇の基礎を学びたくなり、大学4年の時に六本木にある劇団「俳優座」のオーディションを受けて養成所入りし、端役で舞台に出たりもしました。
3年間の養成期間を経て、芸能事務所に移籍。
当時、平成仮面ライダーが始まった頃で、戦隊もののオーディションを何度か受けましたが、残念ながら、“変身”はできませんでした(笑)。
学びを深め、経営支援者として再出発
――最後の表現がいいですね!その後は、どうなさったのですか。
島岡氏――芝居を諦め、30歳で簿記を勉強して会計事務所に勤めたり、ITベンチャーで管理部長としてバックオフィス業務の全般を担ったりしました。
その会社で経理財務、労務、法務と多岐に渡る業務を経験する中で改めて経営全般の知識を体系的に学びたいという思いが強くなり、2年間、週末に東洋大学大学院の中小企業診断士登録養成コースに通い、中小企業診断士の資格取得を果たしました。
卒論のテーマは「中小企業の差別化を実現するCSR〜健康経営を中心に〜」。
CSRとは企業の社会的責任のことですが、実は大企業よりも地域社会との関わりが強い中小企業に求められることが多いのです。
また、企業の責任は、従来からの経済的・法的責任に加えて、従業員など企業に密接にかかわる関係者にまで及んでおり、その実践こそが競業他社との差別化につながり、競合優位を高めるのではないかと考えました。
私は、企業が果たす社会的責任の焦点を従業員に置く「健康経営」を中心にした研究に取り組むことにし、大学院に通いながら健康経営エキスパートアドバイザーの資格も取得しました。
――仕事をしながら、常に学んでいらしたのですね。
島岡氏――学ぶことに楽しみを感じています。
大学院在学中はコンサル企業に勤めながら実践経験を積んでいましたが、より仕事の幅を広げたいと思い、2021年3月に独立。
サルーテコンサルティングオフィスを立ち上げます。
年間60社以上の経営者の相談に乗りながら、事業承継・事業再生支援を経験するなかで、中小企業の実情を肌で感じ支援のバリエーションも増えていきました。