茶の湯、見立てで自分にフォーカスし、マインドフルネスに(後編)
- 2023/3/23
- インタビュー
目次
仏教的要素を取り入れた「瞑想茶の湯」を
――ところで最近、また新たな肩書きが増えたと伺いました。
山田氏――2022年11月に、港区三田にある弘法寺で高野山真言宗の得度を受けました。
仏教には物事の本質のようなものがあると思い、以前から学びたいと思っていました。
得度するための半年間のコースがある仏道学院の管長、小田全宏先生と知り合ったことで受講を決め、般若心経を暗記して毎日唱え、真言を唱えたりしながら思想について学びました。
実は瞑想と茶の湯を掛け合わせたコンテンツを立ち上げようと思っています。
例えば、レーズン1個を食べる際、触って感じ、香りをかぎ、舌先で味わうことを3分かけて行う「マインドフル・イーティング」というものがあります。
同じように、お茶を点てるのを待つ、お茶をいただく時など、その間のすべてをメディテーションとして捉え、仏教的な要素を取り入れたコンテンツを作りたいと思っています。
器をつくる時には、目に見えないことがいろいろ起きます。
見えない世界を感じるためには自分をクリアにしなければいけないと思っているので五感をすごく大切にしていますし、それはマインドフルネスにもつながっています。
ヒマラヤ茶会で五感を解放し、山へ送り出したい
――これから挑戦したいことを、教えてください。
山田氏――ヒマラヤのベースキャンプに2週間くらい滞在して、山に登る人にお茶をふるまいたいですね。
海外で茶会を開く時はいつも、型は気にせず、今までにないお茶の場をつくろうと考えています。
これまでに、富士山などの山頂で野点茶会を開いていますが、自然と一体となったお茶席は気持ちが整います。
その延長線上にあり、自分の一つの集大成となるのがヒマラヤ茶会。
戦の前に自分に向きあってマインドフルネスな状態を作るために一服を飲み交わした戦国武将のように、命がけで山に登る人達にも、同じ感覚を感じてほしい。
3年以内には実現したいと思っています。
さらに近々「見立て」についての書籍を出版する予定です。
ヒマラヤ茶会も日本の精神を世界に伝える場になると思いますが、同様に「見立て」についても「MITATE」という言葉で広く発信していこうと思っています。
――次々に目標を持ち、実行を目指す。まさに「実践の人」ですね!これからのご活躍、楽しみにしています!!本日はありがとうございました。
※写真はすべて山田さん提供のもです。
本編の前編はこちらからご覧いただけます。